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宝塚歌劇星組東京特別公演「天使のはしご」観劇 [┣宝塚観劇]

バウ・ロマン「天使のはしご」
~ジェーン・オースティン作「高慢と偏見」より~

脚本・演出:鈴木圭
作曲・編曲:吉田優子
振付:若央りさ、平澤智
装置:稲生英介
衣装:有村淳
照明:勝柴次朗
音響:加門清邦
小道具:加藤侑子
演技指導:渡辺奈津子
歌唱指導:矢部玲司
演出助手:田渕大輔
舞台進行:香取克英
舞台美術製作:株式会社宝塚舞台
録音演奏:宝塚ニューサウンズ

いつものように、スタッフ表を書いていて、気づいた。
演技指導、渡辺奈津子…シメさんが演技指導に入ってたんだ!
さすが、愛弟子だ[ぴかぴか(新しい)]

ジェーン・オースティン大好きな私としては、どんな話になっちゃうのかなーと思っていたが、オースティンの物語に忠実に、また宝塚的なロマンチックな物語になっていて、面白かった。
なんだけど、観終わって、すごくテンション上がる感じでもないのは、どうしてだろう?

前回観劇した「ロバート・キャパ」は、ここがダメなんだよー!という憤りで沸点高かった。
今回の方が満足度は高いのに、テンションは低い。なんだろうな、これ。
破綻もないかわりに、爆発的な吸引力もなかったってことなのかな。
でも、宝塚的佳作な小品でした。昔は、こういう作品をバウでやっていたのかなー?みたいな。
東京は12日までだけど、バウホールはこれから(3/19-3/31)なので、ぜひぜひ一度は観てみてほしいと思います。私の好きなオースティンの世界観は味わえますし、破綻のない作品もたまにはいいですよ?

では、簡単に物語と、出演者の感想を。

18世紀末、イギリスの田舎町ロンボーン。
ベネット家には5人の娘がいたが、父親(美稀千種)が亡くなれば財産はすべて後見人であるコリンズ牧師(天寿光希)のものになってしまうことを憂いた母親(英真なおき)が、近隣に越してきた資産家に娘を嫁がせようと必死になるところから話は始まる。
この家の次女のエリザベス(=リジー・音波みのり)は、姉のジェーン(華雅りりか)が、資産家ビングリー(美弥るりか)に本当に惹かれて行くのに気づき、応援すると同時に、ビングリーの友人、ダーシー(涼紫央)の高慢な態度に真剣に腹を立てる。
やがて、リジーは軍隊の駐屯地でウィカムという士官(夢乃聖夏)と知り合う。ウィカムに心惹かれたリジーは、彼からダーシーに酷い目に遭わされた話を聞き、ますますダーシーを嫌うように。さらにダーシーは、ビングリーとジェーンの仲も引き裂いてしまう。
にもかかわらず、求婚してくるダーシーにリジーは酷い言葉を投げつけてしまう。
もつれたダーシーとリジーの関係に修復の時は訪れるのか?

涼紫央(ダーシー)…誰よりも優しい心の持ち主なんだけど、超人見知りで、自分をアピールすることが苦手…だから誤解される。という風に見えたのだが、それで良かったのかな?原作では、もうちょっとシニカルな人物に思えたのだけど。
衣装がどれもすごく豪華で、年収1万ポンドは実感できたが、あまり魅力的な男には思えなかった。
それはたぶん、ダーシーには欠点がないのに、周囲の小さな悪意のもつれで誤解されていく的な展開のせいかもしれない。ちょっと位、欠点があった方が、魅力的なんだよね。
涼は、ショートヘアなのに鬘?フィナーレでは自慢の金髪、芝居はちょっと不思議な色の鬘という使い分けで、面白く感じた。
1幕の終わりで、「この星に生きてきた 後悔は何もない」と何度も歌うのが、ちょっと気になった[爆弾]

音波みのり(エリザベス)…5人姉妹の次女。たぶんオースティン自身がモデルと思われる知的な美女。ちょっとお化粧がどうなんだろう?と思ったが、まあ可愛かった。彼女のズバズバものを言う部分が、何に裏打ちされているのか、分かりづらかったかな?
たぶん、彼女は、というか、ベネット家の娘たちは、自分がしがない中産階級の娘であることに何の躊躇もわだかまりもなく、自分達が幸せな娘だと信じている。その自信から来るのだろうとは思うのだが、だからって何でも正直に言えばいいってものでもない。
でも、どんなことを言っても可愛かったです[揺れるハート]

英真なおき(ベネット夫人)…エリザベスたち5人姉妹の母親。イギリスでは、一家の主人だけが資産を持ち、5人娘がいても男の子がいないと、主人が死んだあと、その資産はどこかへ行ってしまう。だから、娘たちの豊かな結婚を常に意識している。その目的のハッキリ感が舞台として面白かった。
フィナーレは男役として踊っていて、そのままモミアゲ付でご挨拶に登場。鬘とうまくマッチしていて気にならなかったけど、さすがです[exclamation×2]

万里柚美(キャサリン・デ・バーグ)…実はこの物語の鍵を握っている人物。エリザベスのようなパキパキものを言う田舎娘は大嫌い。
相変わらず美しく、美しさは正義でございました[るんるん]

美稀千種(ベネット)…5人の娘の良き父親。文句の絶えない妻にもやさしく、娘たちのことも尊重しつつ、大事な時にはそっと背中を押してくれる。
可愛いパパでした。ちーくんが出てるだけで、私は幸せです[ハートたち(複数ハート)]

夢乃聖夏(ジョージ・ウィカム)…ダーシー家の執事の息子だったが、ダーシーの父親の死後、自堕落な生活に陥り、ダーシーの妹、ジョージアナを誘惑した過去がある。エリザベスにも近づいていたが、末娘のリディアと駆け落ちする。
回想シーンでジョージアナを誘惑する場面が出てくるのだが、一気に攻め落とすぞという時に、キラーン[ぴかぴか(新しい)]と目の色が変わるところが、素晴らしかった。最後には心を入れ替えて、リディアと結婚するのだが、でもこいつってこの先も変わらないような…という雰囲気があった。
あとで原作を読み返してみたら、やっぱり、反省しても性格は直らなかったらしい。そこまで体現しているとは[ひらめき]

美弥るりか(ビングリー)…ジェーンに一目惚れする素直な青年。この人が素直に二枚目でないと話にならないので、まさにぴったり配役[exclamation]

天寿光希(コリンズ牧師)…胴布団+おかっぱ頭の道化役だったが、達者な人なんだなー。楽しそうにこなしていたし、存在感もあった。キャラクターとしては、誰からも嫌われるタイプの人間のようなのだが、どうしても憎めないキャラになっていたのは、しょうがないか[わーい(嬉しい顔)]

音花ゆり(シャーロット)…エリザベスを狙っていたコリンズが、断られたので次に求婚した相手。20代後半になっていたシャーロットは、この求婚を受け入れる。それを聞いてエリザベスは、自分は絶対に愛する人と結婚したい!と思う。薄倖キャラも意外と似合うかもしれない。

華雅りりか、妃白ゆあ、妃海風、綺咲愛里…エリザベスの姉妹。5人いるのに、それぞれキャラが立っていて可愛かったです[かわいい]

優香りこ(ジョージアナ)…なんか、涼に似てるなぁと思った。ウィカムに騙された15歳当時と、現在とではあきらかに大人っぽくなっている。そういう雰囲気作りがうまいひとだな、と思った。

それ以外の感想は箇条書きで書かせてもらいます。

  • プロローグ、天使のはしご(雲の切れ間から射す太陽の光が天使の梯子に見えるらしい)だから、白い衣装のバレリーナと新体操風のリボンが出てくるのかな?と思った。センターの天使(白鳥ゆりや)はトゥシューズ、ほかの天使たちはバレエシューズで、しかも同じ振りで踊る場面があって、シュールに感じた[がく~(落胆した顔)]
  • 白一色から、登場人物がそれぞれの衣装で登場する転換で、人間界に話が移ったんだなーと思わせる。こういう作りはうまい[グッド(上向き矢印)]
  • 姉妹と母親の衣装は、同じデザインだが、新着?おしきせの周りの人々の方が派手に見えたのはよかったのか?まあ、金持ちではない設定だけど…[爆弾]
  • ダーシーの衣装は、高そうだけど、センスは…うーん[バッド(下向き矢印)]
  • 「結婚はお金でするのではなく、愛でするもの」というセリフに、つい花組公演を思い出した[わーい(嬉しい顔)]
  • 最後のウェディングドレスでのラブシーンは、とても可愛かった[黒ハート]ちなみにプログラムの裏表紙写真は神の出来栄えです[ぴかぴか(新しい)]これをポスターにすればよかったのに[もうやだ~(悲しい顔)]

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