SSブログ

「レ・ミゼラブル」感想 その2 [┣ミュージカル・音楽劇]

今回、スペシャルキャストと称して、この25年間の前シリーズまでに出演していた方々のカムバックが叶い、それを観た時、冷静さが吹っ飛んだ。熱いんだな、“レミゼ”って。熱狂、狂乱がそこにあった。だから、あのラストに繋がるのか…。
ジャン・バルジャンの人生に突っ込みを入れつつ、それでもこのラストがあるから、そこに希望を感じることができる。ジャン・バルジャンの生きた時代の先に、明るい未来を見ることができる。ミゼラブル(複数形)をひとくくりにして、「…ということがありました」と物語れる。
いくつかの要因があって、今回、ようやく“レミゼ”というミュージカルを好きになれた気がする。
ありがとう、スペシャルキャストのみなさん!

というわけで、私が観劇したスペシャルキャストのみなさんについて、一言感想を。
ジャン・バルジャン=今井清隆
ジャン・バルジャンはスペシャル・キャスト版も本公演キャストが演じていた。たぶんキー的に、ジャン・バルジャンが歌えなくなった人から降りているんだろう。
今井さんのバルジャン、とても良かったです。本公演の中でも観てみたかった。スペシャルのパッションの中だと、ちょっと地味だったかな?

ジャベール=鹿賀丈史
初演の頃は、ジャン・バルジャンとジャベールが役替わりだったようだが、どんだけ体力があったんだ?とか思った。ジャベールの頑なさが、ちょっとサイボーグチックで、そういう作りはあるなーと思った。

エポニーヌ=島田歌穂
島田歌穂のエポニーヌは、すでに神としか言いようがない。エポニーヌにしか見えない。なんだ、あれは…[exclamation×2](驚愕中)

ファンテーヌ=岩崎宏美
歌は素晴らしかった。ビブラートを強くかけなくても、ロングトーンが艶を出していく辺り、私好みな歌だった。しかし…スペシャルキャストには夢を見たいので、衣装は岩崎のために、別なものを用意してほしかった。
でも、岩崎の母性溢れるファンテーヌの歌声には、背筋がぞくぞくするような感動を覚えた。
50代になった岩崎は、少しキーが下がったようで、ファンテーヌの高音は一部難しかったようにも思えたが、芝居の部分で、最初から大声で歌わないなど、歌の解釈も納得できるものになっていて、その年代の人じゃないからこそ演じられるってこともあるんだな、と思った。(客観性ってことかな?)

コゼット=神田沙也加
ちょっと男顏ではあるが、あの華やかさはそれだけで幸せになる価値がある。コゼットって、そういう役なんだな、と思った。

マリウス=石川禅
ああ、この人なら…
アンジョルラスが無条件で贔屓するわ。
コゼットが一目惚れするわ。
エポニーヌが彼のために死んでもいいと思うわ。
そして、エポニーヌの思いに気づくはずないわ。
そして、このマリウスならすごく好きかもしれない。
全面降伏
[バッド(下向き矢印)]
…若い頃に観ておきたかった…。
でも、このわかりやすい一生懸命さは、今、この年齢になったからこそ、かもしれない。
ラストシーンで、じーんとしてしまった。

テナルディエ=斎藤晴彦
その節は、勝手に下駄箱をお借りしまして、失礼しました…。
初演当時、クラシック音楽の替え歌で一世を風靡していた、と記憶している。個性的なキャラクターと、俳優としては歌えるっていうことで起用されたんだろうと思うが、最近は歌をやめてしまわれたのかな?…という感じで、ちょっとミュージカル的ではなかった感じ。
そうそう、この辺の役から“感想1”に書いていなかったんだった。
テナルディエ役は、駒田一、三波豊和両方を観劇し、三波豊和のテナルディエに落ちた。もしかしたら、私、ファンなのかもしれない…。
すごく感じ悪い役だと思う。なんだけど、憎めなかった。それだけで、この舞台を観ることが苦痛じゃなかった。人間性が出るってことなのかもしれないが、容赦なく人間性を出すリアリティーが苦しい私には、三波テナルディエ、かなり嬉しかったです。

テナルディエの妻=鳳蘭
宝塚大劇場のイベントでお見掛けしたのが観劇前夜。
なぜ、あなたはそんなに元気に帝劇の舞台で、この騒ぎをやれるの?
と問い詰めたくなるような、お元気さだった。(ちなみに、イベント前夜もスペシャル・キャストの舞台に立っている…)
私が見始めた時には、既に、結婚式の場には、白メイクで登場する形になっていたが、スペシャル・キャストの鳳さんは素化粧のまま。美しくいろんなことをやらかしていた。
素晴らしかったです[揺れるハート]
本役は、阿知波悟美で観ている。「モーツァルト」のコンスタンツェの母とか…こういう役をやらせたら、ピカ一な方ですね。


アンジョルラス=岡幸二郎
ス…スターがいるっ[exclamation×2]
私の中で“縦横無尽(なんでもあり)なスター”の枠組みに、この人はいる。
吉野圭吾とか、新納慎也が入っている枠なんだけど、そこの一番先頭にこの人がいる。ちなみに一番若手は伊礼彼方。わかります?この枠組み…。
悪く言うと「仕事選べよ…orz」なんだけど…そこが好きなんだ。次、あえて、そこやっちゃうんだ!みたいなのが。
それってたぶん、自分に自信があって、でも不安もあって、そして興味がある人なんじゃないかと、個人的に思っている。
アンジョルラスが出てきただけでスター性を見せるってこういうことか!と納得。ほんと、かっこよかったです[ハートたち(複数ハート)][ハートたち(複数ハート)][ハートたち(複数ハート)]
本役の方は、阿部よしつぐで観劇。こちらもなかなか、かっこよかった。

司教=林アキラ
司教は、スペシャル・キャスト以外はアンサンブルのお仕事だったりする。そういう役を、「林じゃなきゃ」と言わせる仕事ぶりだったんだろうなーと、思わせる手堅さ。
今、司教役を演じている若手の人も頑張ってね。

ガブローシュ=加藤清史郎
清史郎くんのガブローシュ、一度観たかったので、ラッキー!たしかに歌は、子役としてオーディションを通って来た子の方がうまかったけど、さすが、スターの貫禄を感じる出来だった。

最後に、一部アンサンブルのキャストについて。
石飛幸治(グランテール)…酒飲みで、臆病者で、なによりアンジョルラスが大好きなグランテール。初帝劇で、アンサンブルとはいえ、これだけの役を演じた石飛に感動[黒ハート]歌もちゃんと歌えてたし、役作りもよかった。ガブローシュをからかっているようで、本当はガブローシュより臆病なとこが、なんとも可愛い。カーテンコールで不思議な動きも何度も見たが、外の舞台で、大スターの皆さんたちと共演できたことを励みに、これからも頑張ってください[exclamation×2]
絵理(鬘屋ほか)…宝塚退団後初の大舞台。どこにいても目につく、その大きな目。そしてたしかな歌唱力と演技力。美しいソプラノに感動。


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

コメント 2

ギムリン

どうも、レミゼの検索で流れてきました。
本日夜7時20分から、NHK-FMに島田歌穂さん登場しますので、
リクエストとかあれば、リンク先の「今日は一日ミュージカル三昧」のページからどうぞ。
歌穂さんの「恵みの雨」また、聴きたいですねぇ。
by ギムリン (2012-09-17 17:04) 

夜野愉美

ギムリンさま
コメントありがとうございました。
残念ながら、帰宅したのがこの時間でして…。また歌穂さんの歌が聴きたくなりました。
by 夜野愉美 (2012-09-17 22:44) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0