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「パリ・オペラ座のすべて」 [┣本・映画・テレビその他エンタメ紹介]

映画、「パリ・オペラ座のすべて」を見た。

オペラ座バレエ団は、ルイ14世肝入りの王立バレエアカデミーの流れをくむ、世界最古のバレエ団のひとつと言われている。バレエ発祥の地であることに誇りを持ち、「白鳥の湖」なんか上演しないとかいう噂がまことしやかに語られたりした。
そんなオペラ座の中に映画のカメラが入り、ただ、リハーサルと、舞台稽古、芸術監督のブリジット・ルフェーブルを中心とするスタッフの仕事を追う。インタビューもない、テロップもない。彼らのセリフは字幕になるが、それが誰で、どんな立場であるかは、クレジットされない。
時々、名前が縦書きで出てくるが、それが誰がどっちだ、とかもよく分からない。
オペラ座のスターたちをよく知るファンであれば、大騒ぎするようなトップスターから、抜擢されたスターレットやら、コールド(群舞)の一人一人までが、同じレベルで画面に登場する。有名な振付家や、かつてのトップスターも、お針子のおばちゃんと同レベルでの登場。
監督のフレデリック・ワイズマンは、この手法で、アメリカン・バレエ・シアターや、コメディ・フランセーズのドキュメンタリーも撮影しているという。

160分(2時間40分)という長尺の映画だが、呼吸をすることを忘れてしまうほど、見入ってしまった。
バレエダンサーの知識など、森下洋子とか、ミハイル・バリシニコフ程度の私なので、出演しているエトワール(トップスター)の方々が誰であるか、全然知らない。知らないが、その美しい踊りにすっかり魅了されてしまった。
登場する作品は、古典よりコンテンポラリーが多く、面食らうかと思ったが、研ぎ澄まされた肉体の美に釘づけとなった。

バレエに興味がある人もない人も、オペラ座のスターを知っていても知らなくても、肉体だけで表現するすごさは伝わる気がする。ドキュメンタリー映画としての盛り上がり、という意味では、映画「コーラスライン」のオーディションを描いた映画の方が、じーんとくるものがあったが、この映画には、もっと根幹的な力があった。

もし、宝塚でこういうタイプの映像を撮ったらどんな感じになるかな?と、少し思った。


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