SSブログ

SHINGO十番勝負「ぼくらの時代」篇 その四 [┣コンサート・スポーツその他のパフォーマンス]

この「SHINGO十番勝負」は、落語家の古今亭文菊さんが、先輩の胸を借りるというシリーズだった。SHINGOは、文菊さんの本名。その昔、「新吾十番勝負」という映画があったので、それにかけてるんですね。十番を終了後、シリーズが一新され、今度は「ぼくらの時代」篇となった。同じ世代の、違う分野の芸術家との共演。今回は、浪曲の国本はる乃さんがゲスト。
浪曲は、寄席の座組に入らないそうなので、落語家との共演はないそうですが、昔は旅回りの仕事では、メンバーに入っていたこともあったんだとか。現在は、東京都内だと木馬亭(浅草)、広小路亭(上野)などで浪曲を聴くことができるようです。
今回は、「浅草見番」(三業会館)さんという、初めての会場。色々、ゲストさんのイメージに合わせて、雰囲気のある場所を提供しているのが、面白いです。会場は、お座敷に座布団なので、若干座布団間を広げていたように感じた。(あくまで若干…[あせあせ(飛び散る汗)]


浅草1.jpg


浅草寺を抜けて10分くらいで到着。(写真は、仲見世の先にある宝蔵門だそうです。)


まず、前座の柳亭市坊さんによる、「転失気」。
転失気(てんしき)とは、オナラのことだそうです。お医者さんに「転失気はありますか」と聞かれた和尚さんが、意味が分からなかったため、小僧の珍念に「てんしき」を借りに行かせる。しかし、和尚を含め、聞きに行く先々で皆が知ったかぶりをするので、ますます分からなくなる珍念。
とうとうお医者さんに聞いて、オナラのことだと分かったので、珍念は和尚を始め誰も知らなかったことを確信する。そこで、「てんしきとは盃にことでありました」と和尚に嘘を答える。和尚は、その後往診にやってきた医師に「自慢のてんしきをお目に掛けたい」とか言ってしまう和尚さん…[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]
知ったかぶりをする偉い人…というのも、落語のあるあるパターンですね[黒ハート]
初めて聴いたけど、面白い噺でした。


続いて文菊さんの落語その1「長屋の花見」。
家賃を滞納し続けている店子を連れて大家が花見に行くという噺。酒とつまみはすべて大家持ちと聞いて、参加を決める店子たちだったが、酒はお茶、卵焼きはたくあん、かまぼこは大根…と、すべてフェイク。要は、店子を花見に連れて行く太っ腹な大家を演じたくて、こんなことを始めたのだ。
せこい大家に従いながらも、言いたい放題の店子たちの応酬が面白くて、大家の見栄に結局は合わせでしまう店子の「酒柱が立っている」というサゲも納得。


ここでゲストの国本はる乃さんを迎えて、文菊さんとお二人で対談。
国本さんは、若手の浪曲師としてたびたびマスコミ等にも取り上げられている逸材。小学校4年生の時に国本晴美に入門し、まだ24歳ながら十年を超えるキャリアを持つ。そんな入門時のエピソードや、いまだに茨城県の実家から寄席に通っていることなど、色々なお話を聞かせてくれた。


休憩後、国本さんの浪曲。「亀甲組」という作品を聴いた。三味線はベテランの沢村豊子さん。一緒に行った友人によると、ものすごい大御所だそうだ。80代とは思えない力強い演奏が耳に心地よい。
「亀甲組」は、鉄道工事をめぐる二つの土木請負組織、「亀甲組」「二引組」の争いをベースにした人情ものの浪曲。明治の昔なので、建設会社というほどの組織ではないかもしれないが、一人親方の大工を集めたのではどうにも統制が取れない巨大な工事を請け負う土木請負組織というのが、このころ発生したということなのだろう。
鉄道工事という巨大なプロジェクトをどの組織が請け負うか、というのは、多分に政治的であり、政治力を使って、亀甲組が請け負うはずだった工事の半分をもぎ取ったのが、二引組。しかも、裏から手を回して亀甲組の資金源をストップし、あわよくば、全部工事を持って行こうとしている。
そこで、一の子分が自分の女房を廓に売って、その金で急場を凌いだのだった。この時点で、ひどい話だが、明治なので[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]
そして、一の子分、小野田良助の女房、お里が売られた巴屋という見世に、二引組の津島郷右衛門が遊びにやって来て、お里を指名する。売られてきてから、涙・涙で、全然指名のかからないお里なので、見世にとっては、願ってもない。しかし、男が二引組であることに気づいたお里は、なにがどうでも相手をしないと突っぱねる。
業を煮やした郷右衛門は、お里を折檻する。その時、金ができたから…と、夫の良助が身請けにやって来た…[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]
廓の中で刃傷沙汰。しかし、止めるどころか、私をこんな目にあわせたこの男、容赦しないで[exclamation]みたいな、めっちゃ気丈な妻。気の毒なのは、巴屋さんだな~と思う内容。
でも、めちゃくちゃドラマチックで面白いな~と思いました。


最後は、文菊さんの落語で「稽古屋」。
今回の十番勝負は、生で出囃子が入るため、三味線を合わせる演目にしてみようということで、この演目にされたとか。文菊さんお得意の色っぽいお師匠さんが、小さな子の稽古をつけてあげる場面、ドキドキするわ[揺れるハート]お囃子は、柳沢きょうさんが務めた。


次回は、9月に開催されるとのこと。
今回、3月中旬の開催だったので、本当に開かれるか不安な日々だった。9月にはすべてが収束して、無事、開催できますように…と、浅草寺に心の中でお祈りしつつ、帰宅した。


浅草2.jpg


浅草寺の写真も撮ったので、どうぞ。こちらが本堂ですね。


浅草3.jpg


五重塔です。


浅草4.jpg


ここからスカイツリーが見えるんですね。


浅草5.jpg


おなじみの雷門は、現在、あの大きな提灯がない状態です。門の中から仲見世がよく見えますね。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。