SSブログ

「弁当屋の四兄弟ー令和二年版ー」 [┣演劇]

令和二年版
「弁当屋の四兄弟」


脚本・演出:澁谷光平
音楽:まるやまたつや
舞台監督:本郷剛史
照明:たなか一絵
音響:竹田雄
音響オペ:閏野奈生人
宣伝美術:志村佳彦
宣伝写真:konn
制作:河嶋浩介、井手昭仁
当日制作:美音
企画・製作:スプリングマン


以前観た時(平成二十九年版)の感想はこちら
あら、もう、三年前になるのか…[あせあせ(飛び散る汗)]


今回の令和二年版が本作のラスト公演となり、もう再演はしないそうなので、あらすじも書いてみようと思う。
最初のシーンは、新しい場面。初めての子供が生まれるのを機に、父の仕事を継ぐことを決意する吾郎(藤波瞬平)と、その妻・五月(さかいかな)の場面。
が、次のシーンでは、源家の父親・吾郎はすでに亡く、母親はだいぶ前に家を出て行ったきり。今は、長男の信秀(日南田顕久)が家業の弁当屋を継いでいる。独身なので、周囲から見合い話を持ち込まれている。次男の龍盛(竹下健人)は大学卒業後電気メーカーに就職、現在はハワイ支社に勤務している。結婚しているが、妻をハワイに残して帰国中。三男の清朝(関修人)はニート。でも、ラブラブの恋人、ねね(大竹ココ)がいる。四男の瑠宇玖(久保優二)は大学生。実はモデルやタレントを目指している。
ほかに、お店のアルバイトを長年続けている春日さん(あきやまかおる)が、店だけでなく、男ばかりのこの家の面倒も見ている。
店には、大手グルメサイトの営業マン、平将一郎(狩野翔/小林大紀)が何度か訪れており、50年以上続く老舗の弁当屋ということで、全国展開の話を持ち掛けてくる。
ここで、源VS平という名前が登場するのが、くすぐりだったりするわけね。
最初は、サラリーマンの龍盛が話を聞いて、ビジネスとしての可否を判断しようとするのだが、ニートの清朝は違うことを考えていた。
一方、信秀の見合いは実施され、相手の宇多桜子(木村はるか)は、信秀を気に入ったようだったが、相当貧しいようで、近所で摘んできたキノコを土産にするような女性だった。
ところどころ挿入される過去の父の物語は、過去の父母の物語になっている。平成二十九年版を観た時は、なんとなーく吾郎さんは、奥さんが出て行ったからやさぐれちゃったのかな~と思っていたが、そもそも、彼の職人気質が周囲との軋轢を生み、それを諫める奥さんとの関係まで悪くなっていった結果、奥さんが出て行くことになったようだ。奥さんは、「スプライト買って来る」と言ったまま出て行ったので、源家では「スプライト」は禁句である。
信秀は、兄として、三人の弟、中でも、社会人になっていない清朝と瑠宇玖の心配をしているが、弟たちは、兄の心配をよそに、仲が良くない。特に、清朝は、瑠宇玖を“本当の兄弟とは思えない”と感じている。
(名前が戦国武将風からスターウォーズ風になってるのは、吾郎の趣味が変わったから…らしい。)
で、実際、兄弟じゃないってか、清朝が考えるように瑠宇玖がもらいっ子なのではなく、清朝がもらいっ子だったという事実が、やがて明らかになる。高校を卒業してからニートだったからこそ、戸籍謄本を見たことがないわけで、よくよく考えてみたら、これは当然の帰結。
けれど、吾郎が料理人としての才能を感じていたのは、子供だった清朝の方で、彼は、兄が作る弁当が本当にまずいと思っていたので、手伝わなかった…という、いささか残酷なバックグラウンドは、清朝が中心となって、リスクを取った弁当事業を展開していくことを、信秀が支持することによって、収束していく。
そして、信秀は、春日さんを伴侶に選び、桜子のことは、清朝の同級生で郵便居に勤める板垣春人(浦尾岳大)が気になっているようで、全体的にちゃんとすべてが収まっていく、心温まるストーリー。


物語を知っているので、平成二十九年版ほど「よかったー、感動した―」みたいな気分にはなっていないが、(吾郎の物語が増えたことで、若干の重苦しさが増大したこともあり)やはり、秀作だな、と思う。
俳優によって、場の雰囲気は変わるが、俳優によって、芝居自体のイメージは変化しない。この作品が、戯曲として優れていることの証だと思う。
瑠宇玖役で出演した久保優二に注目していたのだが、ああ、ほんと、瑠宇玖だわ、と思う好演。信秀に貸したような服装も実際着てたっておかしくないと思う。ルックスが端正だし、映像にも興味があるようだし、実際にCM等でも見かけるが、やはり、舞台で観たい俳優だと思う。背景まで(この役の人、こんな生活してるんだろうな…みたいな)想像させる俳優は稀有。また、どこかの舞台で会えますように。
吾郎さん(藤波)も相変わらずのキャラで堪能できました[わーい(嬉しい顔)]
あきやまさん、木村さん、さかいさん…なにげに、私、けっこうな本数観ている気がする。特に、あきやまさんについては、もはや、ファンの域に入っているような[わーい(嬉しい顔)]たぶん、また別の舞台で会えますね。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。