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極上文學「桜の森の満開の下」 [┣演劇]

極上文學14
「桜の森の満開の下」~孤独~


原作:坂口安吾
演出:キムラ真(ナイスコンプレックス)
脚本:神楽澤小虎(MAG.net)
音楽:橋本啓一 【演目】「桜の森の満開の下」


<配役>
鼓毒丸… 荒木健太朗
ツミ夜姫… 三上 俊
ミレン/アコガレ… 田渕法明
語り師… 榊原優希


贔屓公演がかち合って、非常に大変だった時期、この公演は、キャストが日によって違うので、かなり無理をしてねじ込んだ。師走というが、本当に劇場から劇場へと走った12月…[あせあせ(飛び散る汗)]
会場の新宿FACEは初めて行く劇場。ライブハウス形式で、ワンドリンクが必要な形態。格闘技(特にプロレス)会場にもなっているようで、客席はステージを四方から囲むスタイルとなっている。(リング設営しやすい造り)
初めての会場なので、迷わないか不安だったが、行ってみれば、おなじみの東宝シネマズ新宿のすぐ近く。
極上文學シリーズは、2011年、新しいタイプの朗読劇としてスタートした。この時の読み師は、唐橋充&鈴木拡樹で、作品は「桜の森の満開の下」。つまり、「桜の森…」は、極上文學シリーズの原点ということになる。


今回の極上文學も、この作品の特徴である、複数人がひとつの役の読み師にキャスティングされているパターンを踏襲している。今回は、ひとつの役に4人が当たっていて、幾通りもの出演者の組み合わせがあった。しかし…ライファーの目的は、荒木×三上の同期共演一択である。(二人は、劇団スタジオライフの7期生。共に退団しているため、共演のチャンスはなかなかない。)
7期生6人のうち、3人(松本慎也・関戸博一・大沼亮吉)はまだ劇団にいて、退団した3人のうち、吉田隆太は役者を辞めたので、外部で活躍しているのは、荒木と三上だけ。どちらも2.5的な仕事が多いのは、ライフが耽美劇団と言われるゆえか。


配役されている役者陣は「読み師」と呼ばれる。
ナレーターのような存在は「語り師」」と呼ばれるが、とはいえ、彼がすべての地の文を読んでいるわけではない。「読み師」も地の文を読んでいる。その辺のセリフ配分をしているのが、“脚本”にクレジットされている神楽澤の仕事なのだろう。ホンは完全に坂口安吾の原作通りだと思う。


「桜の森の満開の下」は、満開の桜の花の下を通ると、誰もが気が変になる…という物語。時代がいつかは明記されていないが、なんとなく平安末期と思ってしまうのは、「羅生門」と同じ雰囲気を感じるからだろうか。
山賊(ここでは鼓毒丸と名付けられている)が、いつものように街道で夫婦ものを襲った時、女のあまりの美しさに、男の方を殺して女を奪った。(いつもは身ぐるみだけを剥いでいたらしい。)
ところが、この女(ここではツミ夜姫と名付けられている)、とんでもない命令を山賊にし続ける。山賊の家に居る七人の女房を殺せと命じたり、自分のために都から着物を盗んで来いとか、都人の首を切って持って来いだとか…しかも、首のコレクションしてるし、首でママゴトしてるし、腐っても愛用してるし。
最後はミステリーでファンタジーで、最後の一瞬まで固唾を飲んで見守った。
頭まで筋肉な鼓毒丸と、綺麗な顔で恐ろしいことを言うなツミ夜姫は、そのまま荒木三上のキャラにかぶる。(褒めてます[ひらめき])いや~観られてよかった[黒ハート]


具現師という演奏しながら客席を盛り上げるメンバーと読み師、語り師、それぞれがいい仕事をして、「極上文學」という世界を表現しているんだな…というのは伝わった。そういえば、大昔、及川姫も出演していたんだよな…あれ、なんで観に行かなかったんだろう…と、今頃激しく公開している。
DVD、買おうかな。


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