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東京宝塚劇場花組新人公演(ポーの一族)ミニ感想 [┣宝塚観劇]

花組新人公演を観劇してきました[exclamation×2]


お雛様.jpg


季節もの。東京宝塚劇場では、この後はクリスマスまで飾りつけはないんですよね。さすが女性劇団。


新人公演担当は、田渕大輔先生。
1本物の新人公演は、カットのセンスが問われるが、エドガーとメリーベルの人間時代を大幅にカットして語り部4人衆(帆純まひろ・泉まいら・一之瀬航季・華優希)の語りで補完するという進め方は、4人の演技力もあって見事な進行だった。
特に、エドガーからメリーベルへの想いを、本役・メリーベルのが語ることで、説得力が増したように思った。
冒頭、フランクフルト空港でこの4人が出会った瞬間に、あ、この新公は成功するな、と思った。
特に一之瀬が、朗読になりがちな芝居を、芝居として成立させた功績は大きい。


では、出演者の感想です。


聖乃あすか(エドガー・ポーツネル)…永遠の少年という形容がピッタリの美少年。歌も芝居もいっぱいいっぱいだったが、それでも聖乃にエドガーをやらせることには意味があると思った。
なにげなく演じているようにしか見えない本役(明日海りお)の偉大さが沁みる舞台だったが、これを糧に、今後も精進してほしい。
挨拶がカチンコチンで、本当に大変だったのね…と、あらためて同情。次回も頑張れ[パンチ]


城妃美伶(シーラ・ポーツネル男爵夫人)…シーラの見せ場ともいうべきソロの歌周辺がすべてカットになってしまったので、愛する男爵と結ばれる喜びに満ちたシーラを演じることができず、バンパネラとしての苦悩を背負ったシーラであり続けるところが、ちょっと可愛そうに思った。
それでも、ろうたけた美貌と、確かな演技で新公を引っ張り上げ、演じ切ってくれた。衣装もよく似合って、綺麗でした[ぴかぴか(新しい)]


飛龍つかさ(アラン・トワイライト)…原作のアランを知っていると、ちょっとキャラ違くない[exclamation&question]と思ってしまうようなアランだったが、原作漫画の絵を考えず、芝居として考えると、こういう演じ方もあるな…と目からウロコ。健全で素直な、その陰に深い孤独を抱えたアランという人物の魂がしっかりと描けていて、好演。この人の芝居には、毎度引き込まれる。
今後の成長を楽しみにしている。鬘も意外と似合っていた[ひらめき]


矢吹世奈(大老ポー)…この公演で卒業する矢吹。この難役を楽々と演じているように感じた。達者な生徒だと思っていたが、新公学年で退めてしまうんだなー。もったいない、とあらためて思う好演だった。


碧宮るか(カスター先生)…短縮バージョンだと、かなり出番の多い儲け役。髭も似合っていて、年配者の雰囲気も伝わり、娘を慮るちょっとした仕草も見事で、好演だった。


峰果とわ(老ハンナ)…こちらは、前半カットのあおりで登場シーンが減ってしまって残念だった人。男爵とシーラの絶命するシーンに再登場した時は、張り切り過ぎたのか、めっちゃオトコマエだった[あせあせ(飛び散る汗)]
むしろ、降霊術場面のオルコット大佐役の方が本役だったかもしれない。


凛乃しづか(レイチェル)…本役(花野じゅりあ)ほどエキセントリックではなく、美しく、心弱い女性に見えた。弱きもの、汝の名は女…的な。その分、クリフォードに色目を使うところや、ハロルドとのラブシーンが少し薄く感じた。美しいんだけどね…[バッド(下向き矢印)]


綺城ひか理(フランク・ポーツネル男爵)…本役(瀬戸かずや)ほど激情家でなく、理性的な一族のリーダー。とはいえ、責任の重さはひしひしと感じていて、その重圧に押しつぶされそうになるギリギリのところで生きている…みたいな風情もあって、本役とは違うアプローチだが、フランクをしっかりと魅せてくれた。美声で聴かせる歌も、大きな体を生かしたダンスも魅力的だが、私は、繊細な芝居の力に惹かれる。今回もステキでした[黒ハート]


亜蓮冬馬(ジャン・クリフォード)…ホテル・ブラックプール内のクリニックを舞台に、宿泊客を中心にアバンチュールを楽しみまくっている軽い医者…みたいに感じた。本役(鳳月杏)との違いはどこにあるのかな[exclamation&question]本役が、かなりのプレイボーイでありながら、「ちゃらさ」を感じさせない役作りをしているのに、そこに近づけず、とはいえ、独自の解釈があるわけでもない中途半端さが残念だった。たぶん、難しい役なんだろうな。


帆純まひろ(バイク・ブラウン/バイク・ブラウン4世)…本役のマイティ(水美舞斗)が、クリフォードの死後、婚約者のジェーンは、バイク・ブラウンと結婚し、その子孫がバイク・ブラウン4世という説明をしているらしい。帆純もそれを意識した役作りらしく、かなりジェーン(春妃うらら)を意識し、ベタ惚れしているような芝居をしていた。若干やり過ぎ感もあったような…[爆弾]


舞空瞳(メリーベル)…病弱設定のメリーベルなのだが、舞空は、肌の色も健康的で、かなり無理があった。裏声の美しい娘役なので、声は病弱な雰囲気に合っていたと思う。


ジェーン役の春妃うららは、生真面目な性格で、クリフォードを愛しているものの彼を信じられずにいるような役作りで、亜蓮が、ちゃらそうな芝居をしているので、このクリフォードなら、このジェーンはありだな、と思った。硬質な美しさが光り、ドレスも似合っていた。
アランの伯父、ハロルド役の紅羽真希は、本役(天真みちる)の、ねっとりしたいやらしさというよりは、正統派色悪の雰囲気。その妻、エレンの茉玲さや那は、美しく知性的な雰囲気を滲ませて、目を引いた。
霊媒師・ブラヴァツキーの若草萌香は、メイクがちょっとやばい気がした。テカってしまっている…というか。芝居はちゃんと場をさらっていてさすが[exclamation]
ハロルドの娘、マーゴットの音くり寿は、同世代の男の子より早く成長してしまう少女ゆえの背伸び感を素直に表現していて、小憎らしい可愛らしさがあった。
ホテル支配人のアボットを演じた龍季澪は、アメリカ出身ならではの英語の発音の良さをアピール。英語らしく発音した方がよい個所と、母音が音になっているので日本語として歌うべき箇所を自然に使い分けていて、自分らしさのアピールとしては成功していたと思う。


出演者の皆様、そして、田渕先生、本当にお疲れ様でした。よい新公でした。


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