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劇団メリーゴーランド「地下室の媚薬」ほか観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

ミュージカルコメディ「地下室の媚薬」
コンサート・ショー「メリーメリー・ゴーランド!!」

脚本・演出:平野華子(第一部)、俵ゆり(第二部)
作曲:内海治夫(第一部)、美広まりな(第二部)
振付:俵ゆり、平野華子、稲田聖子(第二部 日舞)
音響:長柄篤弘(ステージオフィス)
照明:花木秀行(The GLEE)
宣伝写真:Kikineko_Musik
制作:劇団メリーゴーランド

劇団メリーゴーランドの二人芝居「地下室の媚薬」を観劇した。今回は、本公演ではなくて、いつも公演で主演されている、いわばトップコンビの二人芝居。
この劇団のすごいところは、一にも二にも、平野華子さんの脚本!毎回、え、そーきたか!と驚くが、その脚本が、立体化すると、さらにいい芝居になる。まずテンポがいい。そして、キャラが立ってる。
突拍子もない女子のペースに巻き込まれる男子の悲哀…スタア華波蒼さんの魅力はここにあると私は信じるものだが、今回は女子1名なので、いつもよりさらに突拍子ない。しかも、ヒトヅマ!
てか、ヒトヅマ羽良悠里さんの破壊力、ハンパない。しかも、そっち方向に破壊力バツグンなのかっ!という感じ。きっと楚々とした美女だって似合うだろうに、そこがメリゴ的展開なのだろう。
バリキャリの女社長。経営する鉄道会社で起きた事故の後始末に追われ、ようやく帰宅してみると、豪邸の中はもぬけの殻だったが、夫婦の寝室のベッドの下から、媚薬の空箱が見つかる。夫はどこへ?唯一の手掛かりを求めて、妻は、媚薬を調合した薬剤師のもとを訪れる。夫を虜にした媚薬、私のために調合しなさい、と脅迫するために。
突っ込みどころ満載なこの設定、しかし、登場する女社長のキャラ設定が的確なので、まったく違和感がない。
ああそうか!宝塚のとんでも設定に怒りが止まらないのは、このキャラはこんなことしないだろ…ということに尽きるのか。キャラ大事、ほんと大事。
そんなこんなで、地下室内でピストルをぶっ放す危険なヒトヅマと、お若いのにバツイチとか苦労しちゃってる薬剤師が、まったく会話成立していないところから、少しずつ事件の核心に迫っていく密室推理劇、です。ディー(華波)ったら、なにげに安楽椅子探偵。(まったく安楽椅子じゃないけど。手錠されてるけど。命の危険あるけど[爆弾]
推理だから、長台詞も説明台詞に感じないし、それでいて数々の謎は、すっきりと解けた感じがする。という風に伏線の回収も見事で、やや唐突なラブロマンスは、「媚薬」という小道具を利かせるためのスパイスかもしれない、と思わせるのも、これすべて脚本の手腕だろう。
媚薬のレベルを述べるナンバーが、かなり中毒性のあるもので、終演後ずっと脳内をぐるぐる回っていた。この曲も「媚薬」か[ひらめき]
“媚薬”と一言で言っても、そりゃいろんな意味があるよな…とあらためて思う。
(ちなみに、レベル1=恋人同士が愉しみのために使用、レベル2=自分に好意を持っていそうな人を一気に落とす、レベル3=自分に興味がないか初対面の相手を落とす、レベル4=むしろ嫌われていそうな相手を落とす、レベル5=相手を自分の思い通りに操る、だそうです。著作権に触れない程度にご紹介。だから、レベル5の薬は紹介状のない相手には調合しないとか。そりゃそうだ。)
“媚薬”と聞いて、勝手にドキドキワクワクしてしまう効果も計算した上での、このストーリーとこのオチと、いつものメリゴのようでいて、やはり大人メリゴ。注文したワインを飲む余裕すらなく、ただもう見入っていた。アンケートに「再演希望の作品」とあったけど、まだまだ次の一手が潜んでいそうで、再演よりは新作を!と望んでしまう。
衣装も、今回は客席が近くて、本当に目の前、みたいな感じで見せてもらったが、ホントに素敵。自分の作った衣装を自分で着るから…なのか、本当に出演者に似合っていて、うっとりするくらい綺麗で、でもテーマ性に合っていて、これもメリゴを観る愉しみのひとつだったりする。

一方、ショーは、「メリーメリー・ゴーランド」と称して、過去のショーからピックアップした、ミニストーリーショーダイジェスト版という感じ。お芝居とショーをやる劇団の場合、宝塚みたいに本当のバラエティ・ショーを作ってしまうと、装置・衣装・小道具・髪飾りなどの費用がかさんだり、転換が容易ではないことから、ストーリーショーという選択をしているのだと思うが、そこを逆手に取った再演ダイジェスト・ショーというのは、なるほど!発想の転換だなーと思った。衣装・小道具・髪飾りはそもそもあるし、転換のいらないステージだったら、可能ということか。とすれば、いつか本当のバラエティ・ショーもやれるようになるのかも。(衣装をバラしてなければ)
特別ゲストの黒柳芽里子さん(羽良さん)も登場して、じゃんけん大会をやったり、客席との一体感も生まれ、わりと素のMCもあったり、既にいろんな意味でバラエティ。
この芽里子さん⇒変身して羽良さんの衣装が、キモノ風ドレスで、とても素敵[ぴかぴか(新しい)]本物の黒柳さんもこういうの好きそう。
そこからーの、本物の和装での立ち回りを含めた二人のダンス…いや舞踊は、またとっても違う雰囲気で、こちらも大人メリゴな雰囲気が満載。最近和もののショーもあちこちで演じられているが、そういうのとは一線を画した、上品で雰囲気のある場面に仕上がっていた。これは、次回本公演でもやれるんじゃないだろうか?(期待!)
メリゴさんを観るようになったのは、本公演の第3回からだが、以来ずっとメリゴの発する媚薬にやられている。次回本公演は、いつ、どんな形で実現するのだろう。楽しみにお待ちしております[黒ハート]

“今日は何の日”
【6月18日】
万国郵便連合25周年を記念し、日本初の官製色刷り絵はがきが発売される(1902=明治35年)。


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