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三越劇場「STEP!」観劇 [┣汐美真帆]

「STEP!~運命のままに~」

監修:石井ふく子
作:鶴川里香
企画・構成・演出:山辺ユリコ
美術:阿部宗徳
音響:(株)ステージオフィス 長柄篤弘
照明:龍前正夫舞台照明研究所 勅使河原明子
舞台監督:和田洋一
大道具:金井大道具
字幕:有限会社トリプルアイ 多田孝
ビデオ撮影:佐藤芳郎
ヘアー・着付け:美容室インターモード花形 杉澤寿美子 花形ヒロミ
ダンス振付け:山辺ユリコ 汐美真帆
手話通訳指導:橋本美代子
手話監修:は~とふる[ハート]はんど
医療監修:中島医院院長 医学博士 中島孝雄
フォトグラファー:岡崎正美
フォトスタジオ:クリエイティブ・ソーススタジオ
スペシャルサンクス:日進館 万座温泉ホテル Dance School T★C Sprout Sweet-kiss promotion
製作:山邉信雄
製作補:井関紀大 深津哲也
制作:株式会社フラッシュ・ワン 劇団は~とふる[ハート]はんど

三越劇場で2日間だけ公演していた劇団はーとふるはんど公演「STEP!~運命のままに~」を観劇した。

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実は昨年も観劇していたが、ケロさんの出番も少ないし、特に書くこともないかな~と、スルーした。
しかし、今回は、主演だし…ということで、軽く感想をアップします[るんるん]

はーとるふはんど(正式には、“は~とふる[ハート]はんど”ですが、記載が難しいので、このように表記します)は、歌手で女優の山辺ユリコさんが作った聴覚障害者と健聴者が一緒にひとつのステージを創り上げる劇団ということのようです。
ケロさんは、数年前からこの劇団の活動に賛同し、昨年はとうとう舞台にも出演。そして今年、「主演:汐美真帆」というお芝居が上演されました。
手話を普及させる、という目的のあるお芝居なので、お芝居には、聴覚障害者と健聴者が必ず登場する。今回は、ケロさん演じる美咲が、劇団の看板女優に抜擢されたのもつかのま、突発性難聴という病気に罹り、放置したために片耳の聴力を失ってしまうという悲劇から、どう立ち直っていくか…を描く物語。

穂積隆信、一谷伸江…というベテラン俳優、そして、主宰の山辺ユリコと若手の役者たちがお芝居を引っ張り、劇団員たちは、お芝居ではほぼほぼ出てくるだけ、第2部のショーで日頃のレッスンの成果を発表する。
以前、こどもミュージカルにStudio Lifeの俳優たちが出演した時に書いたように、発表会レベルの公演にプロの俳優がゲスト出演しているような舞台については、出来栄えについてあーだこーだ書く性質のものではないので、ここには書かないというような宣言をしたと思う。もうだいぶ昔のことだが。
それで、昨年の時は書かなかった。まあ、でも今年は主演なので、特別に、ケロさんに特化して書きます。

このお芝居に登場する劇団ジャンティーユは、聴覚障害者と健聴者が一緒にお芝居をする劇団。劇団オーナーの佐々木(穂積)が強い意志を持ち、また主演女優の優子(山辺)に惚れ込んで、資金的な心配がいらないように協力していることもあり、劇団として成功しているし、優秀な人材も次々と排出している。
しかし、優子は劇団の存続を考え、そろそろ自身は演出に専念しようと考える。
そして、今回上演する芝居「STEP!」のヒロイン役として、優子は美咲を指名する。これに納得できない美咲の同期、舞希は劇団を去る。
友人を失い、また、劇団の看板となることへのプレッシャーもあり、美咲は、自分を追い込んでいく。そして…目眩、嘔吐、耳鳴り…風邪だと思って放置した結果、美咲の右耳は聴力を失っていた…

突発性難聴―

歌もダンスも今までの感覚では、舞台に立つレベルではなくなっていた。
もう女優として自分はダメだ[exclamation]と号泣する美咲に、劇団の聴覚障害者女優の三人(森園冬菜・本間智恵美・安藤梨帆)が、「聞こえない私たちは舞台に出てはいけないの[exclamation&question]」と手話で抗議する。
今まで、彼女たちに、一緒に頑張ろう[exclamation×2]と安易に声をかけてきた自分が何も理解してはいなかったことに、美咲は愕然となる。
そして、美咲は、片耳が聞こえないという事実を受け入れ、努力を続け、主演の舞台を成功させる。

脚本の鶴川さんは、放送作家でもある、ということで、決められた時間内に、決められたプロット、決められた出演者で、あるレベル以上のドラマを仕上げるという仕事をきっちりされてた感じ。
穂積、一谷らは、そこに存在するだけで芝居を引き締めているし、どんな役が来ても、自分のキャラに引き寄せてささっと演じてしまう力は、すごいと思う。
その中にあって、汐美真帆は、そもそも脚本のキャラと自身のキャラに開きがあるせいか、大御所の石井ふく子先生に演技をつけられたものの、それを咀嚼しきれなかったのか、この芝居でいいんだろうか…と思っている間に終わってしまった。

まず、「女優」というには、あまりにもボーイッシュである。(見た目が)
なのに、セリフや行動が、女子っぽい。鶴川さんは、昨年もこの公演の脚本を書かれているのだから、もう少しケロさんの見た目に合ったキャラを作ってあげたらよかったのに…と、思った。
最後は、シャンソンの名曲、「ケサラ」を紫のドレスで歌い上げる。
オールバックの髪形、引き締まった肢体にドレスがよく似合っていたが、そして、歌は心で歌うものだとわかってはいるが、やっぱり、手に汗を握ってしまった。

ケロさんは、現役時代、お芝居の人だった。
今も、お芝居のやり方はあの頃と変わってないと思う。
でも…なんか、今回の舞台では、主役なのに浮いていた。なんだろう、話し方かなあ…大劇場っぽいのかなぁ、男役なのかなぁ…よくわからない…
そして、こういう活動をしていることはすばらしいと思いつつ、やっぱり、商業演劇で技術を磨いて、その上で、こういう活動もするべきなんじゃないだろうか、もし役者として出演するなら…みたいな思いを拭えなかった。劇団員たちにダンスを教えたり、振付をするのは、よいことだし、カメオ出演するのもいいと思うけど…主な出演者になるなら、「あ、プロだね」と思わせる技術というか、その舞台に馴染む力は不可欠だ。
やっぱり、女優としての演技経験がないってことが、色々な違和感の原因なのかな…

もちろん、舞台に立つケロさんを観られることは、それだけでとても嬉しいのだが、どうせ観るなら、チョイ役でも完璧な姿を観たいな~とか、ちょっと贅沢なことを思ってしまった今回の舞台だった。


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