東京宝塚劇場月組新人公演(明日への指針)観劇ミニ感想 [┣宝塚観劇]
東京宝塚劇場の月組新人公演を観劇した。
今回は、三本立て興行なので、真ん中の芝居「明日への指針」と、レビュー「花詩集100!!」の2本が上演された。
大昔、天津乙女さんが、こういう時は日本物の新公を!とおっしゃっていたとのことだが、いまだに実現していない。いろいろ大変なんだろうなーとは思うが。
新人公演担当は、野口幸作先生。私と、あまり、感性の合わない先生なので、今回もちょっと辛口だったら、すみません
というわけで、まず、プチ・ミュージカル・プレイと角書きがついている、「明日への指針」について、ミニ感想を書きたい。
「明日への指針」
上演時間30分の芝居は、98期の暁千星が主演した。
この役は、上手花道からセリ上がりで登場するが、その時、録音でモノローグが流れる。その最後の部分、声がかすれ、言葉もたどたどしくなっていたが、不思議な味わいがあった。録音だから撮り直せるのに、あえてコレを使った、ということは、野口先生的に、暁の不思議な魅力を生かしたいと思っていたのだろう。
暁は、登場するなり、銀橋を渡ってのソロ歌唱となるが、朗々と歌っていて、ダンサーだと聞いていたが、歌もイケるんだなーと思った。さすが、首席入団!特に、昨年末のDC公演「THE MERRY WIDOW」では、声が女の子でどうしようもなかったのが、わずか半年で、ちゃんと男役の声になったのには、驚いた。
しかし、顔が丸くベビーフェイスなので、ギャンブル好きで借金まみれ、人妻を誘惑するような、ちょい悪男には、全然見えない。
見た目アイドル風で、実力のある男役なら、とりあえず主演させてみる、という方針なのだろうか。促成栽培的に。そもそも新人公演は、成長を見守る、というファンの姿勢に支えられて成立しているものだから。
とはいえ、主演には、粗削りではあっても、最低限の男役スキルを望みたい。
そういう意味で、今回の、暁主演は、時期尚早であったと思う。次が「PUCK」なんだから、そっちで初主演じゃ、ダメだったんだろうか?
声の高さ、抑揚は、男役として、ある程度できていた。大特訓をしたのだろう。しかし、芝居として語れているか、というと、もう、まったく問題外短い芝居だからこそ、やらなければならないことが目白押しで、手足の動きと、覚えた通りの台詞回しを「こなしている」感がハンパない。
一応、お金を払っているので、「おさらい会」的な出来では、さすがに、どうなんだろう?と思ってしまった。
相手役の海乃美月は、経験もあり、今回は本公演でも大役を演じていたので、落ち着いて役に取り組んでいたし、脇を固める上級生は、自分の仕事を全うして拙い主演を盛り立ててはいたものの、あまり良い印象のない新人公演になってしまった。
ショーの感想および出演者については、別記事で書いていきたい。
【今日の言葉】~宝塚日めくりカレンダーより~
「王妃様、この世に残らぬ愛を、貫き通しましょうぞ」byジュリアン@『バッカスと呼ばれた男』
作・演出:谷正純
雪組 1999年
掲載されている写真は、轟悠、月影瞳さんでした。
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