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トップスターと準トップスターについての公式見解 [┣生徒・演出家・劇団論]

歌劇誌3月号の「夢・万華鏡」by小林公一理事長の中に、以下のような文があった。
大切なところなので、該当部分を全文掲載させていただきたい。

『2月14日に、月組の次期体制と作品を発表した。トップスター龍真咲、トップ娘役愛希れいか、そして準トップスター明日海りおを中心とした体制となる。6月22日に初日を迎える「ロミオとジュリエット」から本体制での公演となる。ロミオは龍真咲と明日海りおが役替りで務める。基本的にはトップスターとトップ娘役がいて彼女達を中心に組が形成されるのであろうが、各組にはそれぞれ特徴があり、これからの月組の体制はこの形が適切だと思っている。しこの体制は、以前に行われたことがあるダブルトップ体制とは全く異なっている。つまり月組のトップスターは龍真咲であり、各組のトップスターが集う場合には龍真咲がそこに参加することになる。それでは準トップスターの位置付けはどうなるのかというと、これはトップスターが演ずる役を作品によっては役替り公演が出来る立場にあると考えている。この体制によって作品の幅が広がり、組全体の更なる向上を期待している。皆様におかれましても、ご支援よろしくお願いいたします。』(引用ここまで。例によって太字と色付けは夜野)

大事なことなので、分かりやすく箇条書きにしてみたい。

  1. これからの月組の体制としてこの形が適切[exclamation×2]
  2. 月組トップはあくまでも龍真咲ひとりで、各組トップと同じ立場[ぴかぴか(新しい)]
  3. 今後も主役の役替りがある[爆弾]
  4. この体制によって組全体の更なる向上が期待できる[グッド(上向き矢印)]

では、この4つについて、ひとつひとつ、考えてく。

1について
人員が限られている組織の中でどうにか体制を作り出していくのならともかく、これまで組替え落下傘も普通にあった劇団で、トップスターを中心とする“基本的な形”を歪めてまで現状維持にこだわる理由については、明確な説明がなされていない。

2について
ダブルトップ体制については、弊害が多いと言われているので、これを避けたというのはわかる。しかし、他の組のトップは、すべての公演を一人で背負っている。一人で背負っているトップと、一人で背負いきれないトップが、同じラインに並ぶものだろうか?

3について
特別な公演(海外ミュージカルとか、ベルばらとか風共とか)についての役替りは、主役を含めて、これまでもタブーではなかった。わざわざ準トップを作ってまでの役替りは…と思っていたら、どうやら、月組については、今後も役替り前提らしい。これでトップはあくまでも龍ということだと、全公演、明日海主演回数が少ないということで、当然、明日海主演公演の方が入りがいいことになりがちだ。それって、トップスターの龍真咲へのプレッシャー以外の何だというのだろうか?

4について
役替り公演って、本当に大変だと聞く。
役替りする当人だけでなく、周囲の出演者もすべて2倍の稽古を必要とするからだ。
それだけの負担を組子に強いて、組全体の更なる向上が望めるのだろうか?

他組の現2番手(及び明確な3番手)は雪組の早霧が龍と同期なだけで、あとはすべて龍より上級生。(星組の2番手が涼として、の話だが)
なのに、落下傘も出戻りも否定してのこの新体制。理事長の説明を読んでも、納得できるだけの材料はない。
現在の状態が、過渡期の一時的なものであることを願っている。


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