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「Apasionado!!」感想 その2 [┣宝塚観劇]

「Apasionado!!」の感想、その2です。その1はこちら。 

第4夜 熱帯夜(トロピコス・ノチェ)

狂言回し3人組(萬あきら・磯野千尋・梨花ますみ)に、この場面だけ花瀬みずか副組長が参加する。
可憐な花でありながら、しっかり、専科さんに混じって存在を誇示する。副組長になって、花瀬の本来の魅力が開花したように思う。しっとりとした笑みがいい。
そんな安らぎの時も束の間、上手のすっぽんからセリ上がってくる紫の大女は…[がく~(落胆した顔)]

遼河はるひが、満面の笑みを浮かべて銀橋を踊りながら渡って行く…[失恋]一瞬、度肝を抜かれたが、次々と現れる大女軍団に、あんぐりと口を開けてしまった。
続いて歌う龍真咲、踊る星条海斗、歌う明日海りお、踊る組長・越乃リュウ、歌う青樹泉、そして踊る桐生園加…みんな、とても楽しそうだが、化粧替えの時間はないので、クッキリとモミアゲも描いたまま、満面の笑顔で渡っていくので、なかなか大変なことになっていた。
やはりトップバッターの遼河、組長越乃、肩幅自慢の桐生辺りが特にどっきり[爆弾]だった気がする。
舞台センターに設けられた台上に瀬奈じゅんがセリ上がってくる。
あまりにも銀橋渡りのメンバーがすごかったので、クギヅケになってしまったが、実は本舞台上にも、男役さんが娘役として踊っていたようだ。
そう、この場面は、藤井先生の大胆企画、瀬奈以外全員女役[exclamation×2]なのだ。
最後に、真打、霧矢大夢がセリ上がってくる。もちろん娘役姿である。ただし、主な娘役はこの場面、ベルボトム風のパンツ着用である。
瀬奈と霧矢のデュエットダンスが繰り広げられる。
トップコンビのデュエットダンスは、どんな激しいやつでも一応、節操というか風情があるんだなぁ…[ひらめき]と、いまさらながら、気づかされた。
相手が普段男役の霧矢ゆえに、瀬奈は容赦ない。
胸をぐいっと掴むは、そのままぎゅっと抑え込むは、ほとんどセクハラなんじゃないかっていう位のシーンが銀橋で展開される。最後のキスシーンなんか、本当に寸止めしてるんだろうか?と疑問に思うくらい…[ふらふら]
そのキスシーンが終わると、瀬奈は銀橋から走り去り、嬉しそうな霧矢を中心とした中詰め後半が展開される。この辺りも、普通にご降臨瀬奈を迎えたトップ霧矢みたいな展開に見えなくもない。
大輪の花々のように、銀橋に並ぶ大柄な女たち。その中に、真っ赤なパンツ姿の城咲あいが交じる。なんて可憐な一輪の花…[かわいい]この公演、城咲から目が離せなくて困った[ハートたち(複数ハート)]これは、藤井先生の作戦なのか、それとも、私の好みに今回の城咲がダイレクトに嵌まったのか、はわからないが…。
再び、瀬奈が登場して、狂乱は終わる。

ここで、狂言回しの萬と磯野が客席から登場し、袖から現れた梨花とともに「シボネー」を歌う。
「シボネー」は、岡田先生のロマンチックレビューシリーズでもおなじみの曲。やっぱり専科さんの芸は、一味違う。でも、ここは、藤井先生の趣味の場面だよね?という気がしないでもない。

第5夜 熱烈(カリエンテ)
踊るラテンの恋人たち。
龍と明日海がカップルなのだが、その振付、明日海の演じるエンブラAは妊娠している設定でOK?
「Red Hot Sea」では歌とセリフで明示されているが、こちらは振付だけだし、プログラムにも書いていないので、想像するしかないが、あの執拗な振付から妊婦設定だと判断させてもらう。
そこへ半獣レイ(瀬奈)率いるレオンたちが、襲いかかる。
興味本位というより、襲って殺して食べてしまう…そんな関係らしい。振付を見る限りでは。
恋人たちは次々と殺され、最後にマチョA()も殺される。
そこで、レイは、ふいにエンブラAに興味を持つ。匂いを嗅いだりして、さすが半獣[わーい(嬉しい顔)]
レオンたちは、最後に残ったエンブラAも殺そうとするが、レイが庇う。エンブラAもレイの後ろに隠れたりして難を逃れようとする。
だから、妊娠してる設定にしたのかな?と思った。
恋人が殺されて、冷たい骸になって転がっている。その前で、恋人を殺した半獣に縋ってでも生き抜こうとする女、なんてイメージが悪い。もちろん、それが人間の生存本能というものだと、理屈では分かっていても。
妊娠しているならば、死んだ恋人のためにも、生きてその子を産もうとするはずだから。たとえ、敵の手を借りてでも。
エンブラAを庇ったレイは、仲間のレオン達に殺されてしまう。一人生き残ったエンブラA。でも、死んでいたはずの龍も起き上がって一緒に消えていく。

第6夜 熱愛(ケンチ・アモル)
エンブラAの涙が歌になる。セリ上がる霧矢の歌。みんな白い衣装で歌い踊る。いつの間にか着替えたエンブラAも踊っている。死んだマチョやエンブラたちも踊っている。
霧矢の歌がすごくいい。あたたかくて、物語性があって。
退団する涼城まりな朝桐紫乃の踊るシーンがちょっと設けられている辺りも「Red Hot Sea」とかぶる場面だった。

第7夜 熱狂(アパショナード)
遼河
による銀橋ソロ。
曲は、「エスパニア・カーニ」。闘牛の歌で、社交ダンスのパソドブレでよく使われるナンバーだが、これって歌うための曲なんだろうか?最後ファンファーレにまで歌詞がついているのは、いかがなものか…[爆弾]
難しい曲を頑張って歌っていた遼河には、敢闘賞をあげたいと思う。

幕が開くと、大階段の上に瀬奈・城咲、そして娘役たち(美鳳あや・音姫すなお・天野ほたる・憧花ゆりの・萌花ゆりあ・羽桜しずく・麗百愛・蘭乃はな)。
瀬奈と城咲が踊り、瀬奈と娘役たちが少しずつ絡む。
少しずつ、なので、羽桜なんか、すれ違うだけの振りになっている。
城咲は衣装も一人だけ目立つ赤紫のものを着ているし、(瀬奈が紫、娘役たちが淡いラベンダー)オールバックの髪型もあって、かっこよすぎ[ぴかぴか(新しい)]
城咲を見ていると、女優の松雪泰子が浮かぶ。美人なのに、顔をくちゃくちゃにして演技するところとか、つんとすました冷たい顔とか、共通点があるような気がする。

続いて、退団する涼城を中心としたロケット。最後はなんと銀橋での足上げ(銀橋なので、ちょっと控え目)という眼福の場面が展開する。涼城は、登場時に瀬奈と少し絡みがあったり、なかなかおいしいポジションだった。
今回の公演、涼城の素を生かしたオトコマエというか姉御肌というか、なイメージが生かされていて、いいさよなら公演になったな、と思う。

続いて、大階段の黒燕尾のダンス。瀬奈がトップになってから、黒燕尾のダンスは月の名物と言っていい。ここ2公演、公演形態のため封印されていたが、やっぱりかっこいい。
今回は、三角形になって降りてくる中心に霧矢が立ち、瀬奈はセリ上がってくる形式。
やはり、降臨公演風だ。
瀬奈と霧矢がユニゾンで踊ったり、霧矢の歌で瀬奈が踊ったりしながら、最後に瀬奈一人が残る。
瀬奈のソロダンス。
お披露目公演を思い出す。
あれからもう3年以上の時が流れて、初々しく、希望に満ち溢れたソロは、孤独を孤高に昇華した切ないソロに変わった。
ぶっちゃけ、毎公演フィナーレナンバーにデュエットダンスがなきゃダメだとも思っていないし、たまには、トップのソロダンスを見せてくれるショーもいいな[いい気分(温泉)]と思っている私だが、相手役がいないとわかっている公演では、ちょっと切ない。
ただ、瀬奈には申し訳ないが、この公演、いろいろな実験ができて、観客としても面白く観ることができた。

宝塚のショーは、この10年位、本当に固定化してしまったから、この機会にさまざまな実験ができた本公演は、今後の宝塚のあり方を考える上で、なかなか参考になるものだった。
100周年に向けて、新しい宝塚を見せてもらった気がする。
藤井先生、本当にGJでした[exclamation×2]

そして、私は、この先、城咲あいがどんな運命を辿ろうと、彼女がタカラジェンヌである限り、追いかけ続けたいなーと思っている。


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