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青山劇場「ボーイ・フロム・オズ」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

青山劇場のミュージカル。この公演と8月の「プロデューサーズ」でワンセットのようだ。主演はいずれもV6メンバーで、どちらも宝塚元月組トップスターがご出演だ。
両作品ともブロードウェイで大人気のショーではあるが、作品としては「プロデューサーズ」はともかく、「ボーイ・フロム・オズ」は、そのまま持ってきたら思い切りコケそうな演目ではある。それを、ジャニーズと宝塚の共演で無理矢理上演してしまうところが、制作の力技である。
(うがった見方をすれば、「プロデューサーズ」を長野・井ノ原でやりたくて、でもそうすると坂本が余ってしまうので、坂本向きの演目を探してコレを持ってきたのでは?とも思える。)

ピーター・アレンという同時代のスターを扱っていること、元妻のライザ・ミネリが現役の女優であることなどに気を遣っているのか、敢えてドラマチックに脚色していないために、筋の通っていないストーリー展開が気になる。
その上、ライザ・ミネリやジュディ・ガーランドほど、ピーター・アレンが日本で著名でないことも大きいかな。
そんなこんなで、盛り上がり気分は半分くらいな公演だった。

主演の坂本は、ミュージカル風の発声ではないが、よく通るハイバリの声質が心地よい。前半の普通の男っぽさから後半ゲイを標榜するまで、わざとらしくしていないのに、自然にしぐさなどが違っていたのは感心。
アレン自身がエイズで余命いくばくもない状態から過去を振り返る…という展開で、ところどころMCとしてアレン自身の語りがある。そこで、客席いじりもあり、客を舞台に上げて踊らせるシーンもある。普通のミュージカルなら、客席が盛り上がらないとつらい場面だが、今回は客席もノリノリなので、問題はなさそう。
坂本ではなくアレンが語る…という内容だが、その二人が渾然一体となった展開は、ブロードウェイ版のヒュー・ジャックマンの評にも重なる。坂本のキャラクターと個性を評価したい。

ジュディ・ガーランドの鳳は、晩年という設定のせいか、最初は精彩がないなぁ…と思った。亡くなったあと、幻の中で出てくるジュディは、とても輝いていたので、演技だったのかな。
ただ、歌唱があまり安定していなかった

ライザ・ミネリの紫吹は、そっくりな化粧と、彼女らしい繊細な心理描写で、大スターの裏側をしっかりと演じていた。でも、あまり肌は露出しない方がいと思う。(長い脚を見せてくれるのは、これからも期待。ナマの腕や背中は、うーん…という感じかな?)

ピーターの母を演じた今陽子とても感動した。彼女の歌は本当にすごい。歌い上げる場面もしっとりとする場面も、それぞれ味わいがある。この舞台のMVPかもしれない。

ピーターの父とエージェントを演じた団時朗も、最後にぐっとくる演技を見せてくれたが、彼の役を(両方とも)盛り上げた脚本であれば、今の2倍はいい舞台になっていたと思う。たしかにそれが史実ではあっても、ずっとサポートしていたエージェントとの別れの場面が、あんなにあっけなくてフォローもなし…っていうのは、もったいない気がする。

ピーターの晩年の恋人役のIZAM歌が…だった
初舞台と言っていたから仕方ないのかな?
ただ、オカマキャラでなしに、ゲイの恋人を演じるという、役作りになっていて、そこにはとても好感が持てた


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