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「イーハトーボの劇列車」 [┣演劇]

こまつ座 第126回公演・紀伊國屋書店提携
「イーハトーボの劇列車」


作:井上ひさし
演出:長塚圭史


音楽:宇野誠一郎、阿部海太郎
美術:乘峯雅寛
照明:齋藤茂男
音響:加藤温
衣裳:宮本宣子
ヘアメイク:赤松絵利
歌唱指導:満田恵子
演出助手:長町多寿子
舞台監督:福澤諭志
制作統括:井上麻矢
制作:若林潤、遠山ちあき、嶋拓哉


第125回公演終了後わずか2日で、第126回公演の幕が開く。
劇団員を持たないプロデュース公演ならではのフットワーク[exclamation]でも、井上麻矢さんはお一人しかいないので、すごいな~[exclamation×2]と思う。だって、あっちの劇場にもこっちの劇場にも詰めているわけだし。
まあ、2月3日に新国立劇場で「どうぶつ会議」の千秋楽を観て、2月6日に紀伊國屋ホールに居る私も相当だけどさ…[爆弾][爆弾][爆弾]


この舞台を観ようと思ったのは、昨年末に明治から大正の作家についての講座を受けたのがきっかけ。
私が勉強したのは、樋口一葉だったのだが、先生が、樋口一葉を学ぶのなら、一度、「頭痛肩凝り樋口一葉」を観てほしい、もし、しばらく上演機会がなかったら、とにかく井上ひさしさんの作品で、「作家をモデルにしたもの」は絶対に観た方がいい[exclamation×2]と、大絶賛だったため、それなら…と予約したのだった。


もちろん、「イーハトーボ…」の主人公は、宮沢賢治。
実は作家主人公シリーズは、この「イーハトーボ…」からスタートしている。
彼の若き日のあれやこれやの物語が、コミカルなタッチで描かれていて、意外だったが、面白かった。もちろん、完全な喜劇ではないし、哀愁を感じるテイストなのだが、思ったほど悲しい物語ではなかった。それはたぶん、井上の描いた宮沢賢治のキャラクターの明るさに由来するんじゃないかな。
法華経を熱心に信仰する賢治(松田龍平)が、浄土真宗を信じる父親(山西惇)と論争するシーンなど、本人たちは真剣なのだが、笑いが止まらなかった。
妹・とし子(天野はな)が入院した時、病院で同室だったケイ子(松岡依都美)とその兄、福地第一郎(土屋佑壱)のインパクトもすごいし、第一郎が出てくるたびに、次は何をするんだろう[exclamation&question]と期待する自分がいた。
賢治の母や下宿屋の稲垣夫人を演じた村岡希美もステキだったし、山西惇の刑事役もとぼけていたり迫力があったり…ついでにエスペラント語も学べたりして、3時間半の公演が、あっという間だった。


おそらく一番、作者の井上ひさしが、そして演出の長塚圭史が力を入れたであろう、列車のシーンは、実は、あまり理解できていない。廃校になった小学校をセットにして、その椅子を列車の椅子に見立てていたのは、分かったのだが…。すごく大事な何かに気づいていない感あり…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]
ただ、売られた女という役で登場する紅甘の存在感と、「思い残しきっぷ」の存在が、胸に残った。


宮沢賢治を愛するがゆえの井上ひさしの戯曲を、長塚が変にこねくり回さず、丁寧に積み上げて舞台化した印象だが、長時間、集中を切らさずに観ることができた。よい舞台でした[黒ハート]
主演が龍平くんだったり、村岡さんが出ていたり、新井さんを思い出す瞬間もあったけど…こればっかりは、しばらく、尾を引きそう…だな。


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