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宝塚歌劇花組東京公演「カリスタの海に抱かれて」観劇 [┣宝塚観劇]

ミュージカル
「カリスタの海に抱かれて」

作:大石静
演出:石田昌也
作曲・編曲:手島恭子
指揮:塩田明弘
振付:御織ゆみ乃
擬闘:清家三彦
装置:稲生英介
衣装:加藤真美
照明:安藤俊雄
音響:大坪正仁
小道具:増田恭兵
歌唱指導:山口正義
演出助手:田渕大輔
舞台進行:村上晴香

あれから4年…「美しき生涯」を観た時の衝撃は今も忘れられない。
作者自ら、“もっとも清廉な戦国武将”と呼んだ石田三成の生涯を描いた作品…のハズが、忠義の対象である秀吉の側室・茶々と内通し、生まれた子供を堂々、豊臣家の跡取りにする…って、それ、どこが清廉[exclamation&question]お家乗っ取りじゃん…[爆弾][爆弾][爆弾]と唖然とした日々。
それが、出演者の頑張りによって、東京公演の中盤には、三成の清冽な生きざまが、心に沁みるようになっていた。
処刑を前にした三成の美しさは格別でした[黒ハート]

というわけで、大石先生の脚本に少々不安はあったものの、出演者が克服すれば問題ない[exclamation×2]と、気を取り直し、行ってまいりました[黒ハート]

舞台は、地中海にある架空の島、カリスタ島。
18世紀後半、この島を統治するフランスの総督を警護する守備隊の司令官として着任した、シャルル・ヴィルヌーヴ・ドゥ・リベルタ(明日海りお)は、実は、20年前にこの島を出て行った、裏切り者の息子、カルロだった―

カリスタ島は、30年ほど前、フランス軍に蹂躙され、以来フランス領となっている。
その時、フランス軍に対して蜂起したカリスタ島民のリーダー、アルド(高翔みず希)は、仲間の裏切りによって逮捕され、火刑に処された。死の間際、アルドは、この日生まれた男の子は自分の生まれ変わりだ、必ずその男が独立を果たす、と叫ぶ。
アルドの死を見届けた恋人のアニータ(美穂圭子)は、アルドの最後の言葉を信じ、アルドの命日に生まれた子供を探す。島の中で、この日生まれた子供は二人いた。一人は、ロベルト・ゴルジ。そして、もう一人は、「裏切った仲間」、エンリコ(夕霧らい)の息子、カルロだった。
同じ日に生まれた二人の少年は、仲良く成長した。カルロは「裏切り者の息子」としていじめられていたが、ロベルトが庇ってくれた。しかし、二人が8歳になった時、「本国で貴族にしてやる」と言われ、エンリコは家族を連れてフランスに行くことになった。ロベルトは泣きながら、カルロに「行くな!」と言ったが、8歳の子供は両親に従うしかない。

それから20年。
カリスタ島は、相変わらずフランスの統治領だった。独立運動のリーダーは、ロベルト(芹香斗亜)。若いメンバーが、独立を目指して、武装している。アニータは、そのブレーンであり、彼らの運気を見る占い師でもあった。
シャルルがカリスタ島に来たのは、彼自身の志願によってだった。
1789年7月14日のバスティーユ陥落を見た時、今こそ、カリスタの独立が叶うチャンスだ!と直感したのだった。
フランス総督夫妻(紫峰七海・華耀きらり)の歓迎パーティーの席に、独立運動メンバーが侵入して、シャルルに毒矢を放った。その矢羽を見たシャルルは、相手がロベルトだと気付く。そして、自分が20年前にこの島を離れたカルロだと明かし、もう一度会いたい、と言う。

シャルルはカルロとして、独立運動のサポートをすることを約束した。この時、信じようとしないメンバーを説得したのが、サブリーダー・セルジオ(瀬戸かずや)の妹、アリシア(花乃まりあ)だった。
ロベルトとアリシアは子供の頃からの婚約者だったが、アリシアは、それを決めた両親も死んでいるし無効だと思っている。一方、ロベルトは、親が決めたということは関係なくアリシアに惚れていた。周囲も二人の結婚を既成事実のように扱っていることが気に入らないアリシアは、ロベルトを避けまくっている。
そんなアリシアとカルロは、お互いにほぼ一目惚れ状態。
ところが、ロベルトとアリシアの関係を知ると、カルロは、ロベルトを傷つけたくないとして、一方的にアリシアに会わない宣言をする。

シャルルは、フランスに戻り、ナポレオン・ボナパルト(柚香光)と会って、カリスタの独立を願い出る。
しかし、帰国した彼を待っていたのは、武器の横流しに対する逮捕状だった。独立運動の成功のため、シャルルは、武器をメンバーに横流しし、使い方もトレーニングしていた。
独房に入れられ、アルドさながらに火刑に処されることとなったシャルルは、副官のベルトラム(鳳月杏)をメッセンジャーとして、ロベルトの気持ちに賭けようとする。

果たして、処刑寸前に、ロベルトがシャルルを救出、二人の友情は復活したのだった。そこへナポレオンが現れ、カリスタの独立を宣言する。喜びに沸くカリスタ島民。
そして、やはりアリシアを愛していると言うシャルルに、ロベルトは、潔く身を引くのだった。

脚本は、まあ、色々とツッコミどころのあるシロモノではあったが、花組の主だったメンバーにちゃんと役を振ってくれた部分は評価したいと思った。
裏切り者一家が8年間も島に住み続けているとか、ロベルトの矢羽の特徴を、8歳までしか一緒にいなかったカルロが何故知っている?とか、アニータ、出てくるたびに言ってることブレすぎやろ…とか。
しかし、座付きでもっとひどい脚本は多数あるので、その辺は、これ以上触れないことにしたい。

さて、今回の公演は、娘役トップ、花乃まりあのお披露目公演。
花乃は、宙組育ち。宙組時代にバウホール公演『the WILD Meets the WILD』でヒロイン経験を持つ。その時の印象を言えば、闊達な娘役だなぁ~と。娘役らしい娘役というよりは、新時代の娘役。
そんな花乃が、THE娘役揃いの花組でトップ娘役に就任する…ってこと自体が、既に罰ゲームの様相[爆弾]
花乃には、花乃の良さがあると思うのだが、勝手の違う花組で、完全に自分を見失っている。しかも、大石先生の脚本がまた、お披露目公演には難しい、娘役らしからぬヒロイン。
いっそ素直に、WMWの頃の芝居で演じてくれたら好感が持てた気もするが、迷走した花乃は、すっかりあの頃の、「破天荒だけど素直」な雰囲気をなくしていた。

さらに、この公演は、93期生、芹香斗亜の2番手お披露目公演でもある。
前回公演の『エリザベート』では、柚香光Wキャストでルドルフを演じていて、それでいきなり2番手…って、かつての明日海以上のランクアップ…[exclamation×2]
しかも、主演の明日海と同い年で親友。今は立場が違って心が離れてるけど、実は、ずっと親友だった…って、難しすぎます[exclamation×2]
もう、とにかく、ずっと不機嫌で怖い人になっていた…[爆弾][爆弾][爆弾]
でも、しょうがないよ[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]

相手役と2番手…二人の素人を相手に、主演の明日海は、膨大な台詞に苦戦していた。あれー、こんなに、噛む人だっけなぁ~[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]

真ん中三人に、実は、かなりガッカリしてしまった私ですが…そんな私を救ってくれたその他の出演者については、別記事で述べたいと思います。


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