「YUHI OZORA LIVE in COTTON CLUB」



写真は、今回のライブ用スペシャルカクテル、“メルト・イン・ティンバー”です。ティンバーというのは、材木という意味なので、たぶん、樽の中で溶けるように熟成された…みたいな意味だと思います。


コットンクラブでのライブは久しぶり。調べたら2019年6月のバースデーライブぶりなんですね。あの時は、こんなに久しぶりになるとは思いもしなかった…#59136;#59136;#59136;


前回は普通にバンド編成だったが、今回はピアノ伴奏だけのデュオライブ。ピアノ伴奏を生かした「思い切り歌を聴かせる」構成になっていて、あれから3年の間に、本当に歌が上手くなったと、しみじみ。特に小さな声で歌う時の音程のブレなさに、体幹の力を感じる。鍛えられた肉体と声帯、とっても好みです#59116;


ゆうひさんは、(私が観た回は)緑っぽい色のカジュアルなシャツワンピースでご登場。基本的に、椅子に座った状態で歌を聞かせ、お話を聞かせてくれた。


以下、セットリスト順にミニ感想など。


「ウィスキーが水に」
初めて聴いた曲。“ウィスキーが水に”というフレーズが何度も繰り返される。
原曲のタイトルは「ウィスキーからヴィシー水まで」で、ウィスキーが溶けて水になるまでという意味ではなく、ウィスキーを飲むような真夜中から、ヴィシー水(ミネラルウォーター)を飲む昼までという意味らしいです。
真夜中から昼まであれば、ウィスキーも溶けて水になっているように思いますが、そもそも水割りなんか飲まないんですかね。
囁くような歌声が心地よく、ウィスキーを頼めばよかったかな…なんて思ったりしました#59116;


「チキリン・デ・パチン」「わが死へのバラード」
この2曲は、アストラ・ピアソラ作曲のナンバー。ピアソラ没後30周年記念コンサートでも、歌われていた。
「チキリン・デ・パチン」の前に、ストーリー性が分かるように、少し解説的に詩を読んでからのスタート。花売りの少年の悲しい身の上を歌った曲で、何ともいえない哀切がある。
「わが死へのバラード」は、ピアソラコンサートの時、2日ともゆうひさんが歌ったナンバー。死に向かっていくのに、だんだん力強くなっていく歌い方がヤバい。中毒性がある。


「SWEET MEMORIES」
松田聖子のヒット曲。(でも実は、「瞳はダイアモンド」のB面だったんですよね。B面っていうとこが古いけど、CDでいうところのカップリング曲のことです。)女性歌手の歌を歌うと、普通に可愛い#59116;


「MIDNIGHT BLUES」
こちらは、ゆうひさんのCD「CANTO」にも収録されている曲。かっこいいナンバーで、途中から手拍子も入り、ゆうひさんもノリノリ#59126;


「木綿のハンカチーフ」
以前のライブでも歌ってくれた曲。原曲は、アップテンポなサウンドだったけど、ゆうひさんは、ちょっとバラードっぽいアレンジ。ますます切なさが…#59123;#59123;#59123;地方の大学で付き合っていたカレカノのカレの方が都会に就職しちゃったみたいな背景を考えていたっぽいゆうひさん。そんな具体的なイメージで考えたことなかったわ…#59142;#59142;#59142;


「カナリア」
これは、ゆうひさんが好きだという井上陽水さんの曲。アルバムの中の一曲ということだったかな。ゆうひさんの雰囲気にお似合いでした。


「最後のコーヒー」
この曲もCDの収録曲ですね。


「脱走兵」
「拝啓大統領殿」のタイトルでも知られる反戦歌。こちらも、冒頭に少し詩を読んでスタート。
今回、ゆうひさんが歌ったのは、沢田研二さんがライブなどで歌っている、原曲に最も忠実と言われる訳詞。
今年、ウクライナで戦争が始まった頃、ゆうひさんは、ちょうど、人の命が紙切れほどの価値しかない近未来世界を描いた演劇「マーキュリー・ファー」に携わっていて、より強く、戦争を起こす人と犠牲になる人について考えるところがあったんだろうな…と思った。
ラストの衝撃が、ライブの枠を超えて、演劇的だったのも忘れられない。


「花鳥燈華」「千の一夜」
ここでオリジナルソングを2曲。どちらもかっこいい。もっと歌ってほしいゆうひさんならではの楽曲だと思う。


「孤独」「はかない愛だとしても」
ピアノ担当の小泉たかしさんのリクエスト曲「孤独」とゆうひさんが希望した「はかない愛だとしても」…なぜか、数人の歌手が集まるようなステージだと、ゆうひさんに幸薄い曲が来てしまうのだそうです#59142;


大満足の客席から拍手が鳴りやまず、アンコールでは、「瑠璃色の地球」を聴かせてくれた。思わぬ聖子ちゃん×2だったけど、意外にお似合い。あの頃のJ-POPって、今聴いても、素敵なメロディーの曲が多いですね。



ゆうひさんライブ用のオリジナル・メニュー「長谷川農産マッシュルームのクリームフェットチーネ」。生マッシュルームのサクサク感がほどよい刺激でおいしかったです。
今年もめちゃくちゃ働いたゆうひさん。生でお目にかかるのはこれが年内最後かな。たくさん、心を動かされる公演を観ることができて幸せな一年でした。ありがとうごございました#59116;