ストーリーと主役付近三人の感想を書いた「その1」はこちらです。

ここからは、私のツボとなった、その他のキャスト感想を書いていこうと思います。

まずなんといっても、インパクトのあったのが、アニータ役の美穗圭子さまである#59116;
彼女は、常に眼帯をしている。一度、独立派のメンバーに素顔を晒した時、皆が一瞬息を飲んだ。大変なことになっているらしい…#59134;どうしてこういう目に遭ったかというと、上陸してきたフランス人から愛人になるよう強要され、断ったから…#59134;
そんな、アニータは、独立運動のリーダー、アルド(高翔みず希)が恋人で、彼が死んだ後、28年経過してもまだ、彼を愛している。
隻眼となったからか、なにやら、巫女のように色々と予言をして、独立運動のメンバーを翻弄する。ハッキリ言って騒動師#59134;
ヒロインのアリシアに対しても、「カルロは諦めて、ロベルトと結婚しろ。夢なんか見ないで、現実を受け入れろ」と説教するが、そもそも、アニータ自身がフランスの植民地である現実を受け入れる気が全然ないのに、そんな人に言われても…#59134;#59134;#59134;
要は、アニータがカリスタ(=アルド)至上主義なだけで、その価値観をアリシアに押し付けているだけで、「生きるとは諦めること」という歌も、曲自体は本当に素敵なんだけど、アニータ=存在自体がNever Give Up#59138;なので、違和感ありまくり。「歌劇誌」の座談会を読むと、大石先生がこの歌にすごく思い入れがあるみたいなのだが…残念ながら、その思い入れがアニータというキャラとのブレを生んでしまったのね…#59136;#59136;#59136;
ラストシーンは、島の中央に立つロベルトの背後で、カリスタの旗を振っており、これは、ロベルト大統領の背後霊のように「#59126;強く~厳しく~冷静に~冷酷に~#59126;」と歌いそうな未来が予想できる。
そしてその先には、ナポレオン閣下の影が…#59134;#59134;#59134;#59134;#59134;
その時、アニータは怨霊になるかもしれない#59122;
…と、そこまで考えてしまうほど、素晴らしかったです。思い出すと、夜、トイレに行くのも怖い…#59123;

次にインパクトというか、印象に残ったのが、柚香光演じるナポレオン・ボナパルト。とにかく変#59142;でも、天才ってこういうものかも#59139;と、思ってしまいそうな、そういう役作りが面白かった。
すごく面白そうで、でも、甘く見てると根こそぎ持っていかれそうな怖さも秘めていて、決して芝居の上手い人とは思わないけど、役を掴む才能があるのかな#59139;と思った。

続いてアリシアの兄で、ロベルトの片腕、瀬戸かずやが演じる、セルジオ。彼には、ベラ(花野じゅりあ)という恋女房がいる。最初、夫婦だとは思わなくて、あとで結婚していると聞いて、ちょっとテンションが下がった#59136;
だって、アジトでいちゃついてるんだもん#59121;
夫婦なら、家に帰ればいくらでもいちゃつけるんだから、アリシアに袖にされているロベルトのことを考えて、少しは自重しろ…と#59134;#59134;#59134;
まあ、そんな風に思うのは、セルジオが素敵すぎるからかもしれないが…#59116;
しかも、そのかっこいいセルジオが、ロベルトは歴史に残るかもしれないけど、オレは…とか言ってウジウジしてたりするのが、また、すごく可愛い#59117;大石先生、こういうキャラを作ってくれるところは、素晴らしいと思った。

可愛いカップルは、鳳真由演じるクラウディオと、城妃美伶演じるシモーヌ。シモーヌは、メンバーに情報を流すため、総督府のメイドをしている。が、子供ができたので、メイドをやめたい…と言い出す場面がある。
戦いの途中で子供ができたりすると、死ぬ…という、“死亡フラグ”があるが、まったくそういうことはなかった。最後は、カルロを助け出すスナイパーとしても活躍。ギスギスした場面でも、この二人が出てくるとほっこりした#59127;

そして、シャルルの部下、ベルトラム役の鳳月杏。この作品が花組デビュー。若手の路線男役が放り込まれる独立運動派に入れず、シャルルの部下にすることで、現在の異邦人的な鳳月の存在が生きた。
軍服を着せると、実に端正で、金髪が似合い、いかにもフランス軍人。シャルルとの人間関係が、少ない場面で伝わる辺り、花組でも鳳月らしい居方ができているらしい。まあ、ぶっちゃけ、牢獄の場面で、あの依頼を引き受けるなんて…愛がなけりゃできないよね#59126;と妄想したくもなりますが…残念ながら、ベルトラム君は、総督の令嬢、イザベラ(仙名彩世)を慕っているようで…最後は、本国に送還され、裁判を受けることになる、総督一家を護衛してフランスに帰ることになります。
貴族なのに、革命後のフランスに帰っても大丈夫かな…#59142;#59142;#59142;

カリスタ島のブリエンヌ総督は、紫峰七海。貴族~#59138;という感じのキャラ。その妻、セシリアは華耀きらり。これがサヨナラ公演ということで、キラキラと楽しそうに貴婦人を演じている。娘のイザベラは、シャルルのカッコよさに惚れていたみたいだけど、セシリアは、わりと早い段階でベルトラムにも気づいている辺り、抜け目がない。

守備隊のバルドーは天真みちる。最初からシャルルを胡散臭いと思っており、彼の独立運動メンバーへの内通に気づいた。
若い頃、エンリコ(夕霧らい)に裏切りの褒美を与えたフランス兵も天真だったが、あれはバルドーだったと考えていいのかしら#59139;
肉布団を入れて、ださーい雰囲気を出しつつ、実は切れ者なんだなぁ~#59131;

そして、ここに挙げなかったメンバーもみんな、個性的で素敵でした#59130;
一例を挙げるなら、独立運動メンバーの中で、字が読めないから総督府のメイドになれない…と訊いて落ち込むナディア(桜咲彩花)と、彼女をいつも気にかけているダリオ(冴月瑠那)の、まだカップルになっていないけど…という関係性とか、ついつい気になって眺めていた。
みんな、チーム芝居の中でも、自分のキャラを掘り下げていて、新生花組、ますます楽しみ#59117;