では、DVD上映会本編の感想。

「銀河英雄伝説」は大河小説なので、そのすべてを網羅して舞台化することは不可能。
そこでまず、主人公のラインハルト・フォン・ローエングラムが銀河帝国に君臨するに至るまでの始まりの物語を「第一章・銀河帝国篇」として2011年1月に青山劇場にて上演。
つづいて「外伝/ミッターマイヤー・ロイエンタール篇」を2011年6月にサンシャイン劇場にて上演。これは、ミッターマイヤーとロイエンタールの出会いから、二人がラインハルトの部下となるまでの物語。
つづいて「外伝/オーベルシュタイン篇」を2011年11月に、さくらホールにて上演。こちらもラインハルトの参謀オーベルシュタインのヒストリー的な内容だった模様。
そして2012年4月、「第二章・自由惑星同盟篇」を満を持して東京国際フォーラムCにて上演。こちらは、大阪公演もあった。これは、イゼルローン要塞攻略前後の人間模様を政治的色彩を含めて描いた作品。
そして現在「撃墜王」を銀河劇場にて上演中だ。
なお、11月には、フォーラムCにて「輝く星 闇を裂いて」というローゼンリッター(薔薇の騎士)連隊のシェーンコップを中心とする物語が上演されるようだ。

今回は、本編に相当する「第一章・銀河帝国篇」と「第二章・自由惑星同盟篇」をそれぞれ上映するという企画で、トークショーは、第二章上映会の冒頭に実施された。

第一章には、ラインハルトの姉、アンネローゼ役として、元宝塚の白羽ゆりも出演しており、それも楽しみのひとつだった。
では、無責任な感想を箇条書きで。

  • これで、銀映伝がわかった#59140;…つもり#59134;
  • ラインハルト(松坂桃李)を見ると、どうしても『ノブ…』と思ってしまう#59120;(←梅ちゃん先生)
  • 私が実際に舞台を観たのは、「外伝/ミッターマイヤー・ロイエンタール篇」だけなのだが、その時、アンスバッハ(高山猛久)がすごくかっこいい#59117;と思った。第一章を観て、本当にかっこいい#59116;と思った#59126;
  • そして、女子の庇護欲をそそる存在、崎本大海のキルヒアイスが素晴らしい#59119;
  • オーベルシュタイン(貴水博之)が、不気味な存在感を見せる#59138;
  • そして、なんといってもアンネローゼ(白羽ゆり)。銀河帝国とか、貴族とかいう世界観を一人で背負っている感じ。外の舞台で観ると格が違うというか、これが宝塚の持っている底力なのかなーと思った。特に白羽は、トップ娘役としてのお披露目もアントワネット役という姫役者だったこともあるだろうが、薄倖の寵妃であり、弟に溺愛された美貌の姉であり、キルヒアイスが敬愛を捧げ続けた女性であったというのがハッキリとうかがえる美しさと演技力だった#59130;
  • ラインハルトという役は、怜悧な美貌に見えて、実は血の気が多い。この見た目とのギャップを埋めるのはなかなか手ごわそうだ。男性の俳優には。逆に宝塚では、そのギャップこそが客席を沸かせる重要なポイントであると思われるので、宝塚には向いているような気がした#59028;
  • 芝居の構成としては、「第二章・自由惑星同盟篇」の方がダントツに面白い#59140;
  • ヤン(河村隆一)に富山敬が降臨している#59138;#59140;#59141;(富山敬は、早世した声優。OVA版でヤン役を演じている。『ちびまる子ちゃん』の友蔵じいさんとヤンは、晩年の二大ヒットだろう。)敬さんがここにいる!と、胸が熱くなった#59123;
  • ジェシカ(馬渕英俚可)が、ずっと同じ衣裳を着ていたのは、どうなんだろう#59134;
  • 野久保直樹が復帰していたんだ(ヤンの親友、ラップ役)#59140;
  • ポプラン(中川晃教)は面白い役だなーと思っていたら、現在上演中の「撃墜王」は、彼が主演なのね#59126;
  • たくさんのキャラクターが出て来て、女子的には好みが分かれそうだが、私は、シェーンコップ(松井誠)が好きだな#59116;
  • 自由惑星同盟篇が面白いのは、まがりなりにも民主主義だからなんだなーと思う。議論があるから、キャラクターが動きやすいのだ。その辺専制政治は、命令に従うしかないので、腹芸の世界になる。若い俳優が多い芝居なので、議論が出てくる方が活気が出るようだ#59027;