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小池先生、おめでとうございます [┣生徒・演出家・劇団論]

(公式HPより) 

2014/05/01

平成26年度春の褒章 紫綬褒章受章について

このたび、平成26年度春の褒章受章者が発表され、宝塚歌劇団演出家 小池修一郎が、紫綬褒章を受章することとなりましたのでお知らせいたします。

小池先生、おめでとうございます[exclamation×2]

小池先生は1977年、慶応大学卒業後に宝塚歌劇団演出助手として入団し、1986年、雪組バウホール公演「ヴァレンチノ」(主演:杜けあき)で演出家デビュー。本人によると、このデビューはかなり遅く、劇団史上最遅か、ブービーかというものだったそうだ。
大劇場デビューは、1989年の月組公演「天使の微笑・悪魔の涙」。ゲーテの『ファウスト』を大胆にアレンジし、世紀末のウィーンを舞台に、ハッピーエンディングの物語とした。この結末は物議をかもしながらも、出演者の魅力もあって、作品は一部で高い評価を受けた。
この公演は、東上しないサイクルの公演となったが、翌年の星組「アポロンの迷宮」で東上を果たし、またまた大胆なエンディングでファンをアッと言わせた。
翌年、雪組「華麗なるギャツビー」で菊田一夫演劇賞を受賞。
1992年には、シェイクスピアの「夏の夜の夢」を下敷きに、「PUCK」を発表。涼風真世の妖精的な演技もあり、絶賛された。
1995年、雪組「JFK」などを経て、1996年、雪組公演としてウィーンミュージカルの「エリザベート」を翻案、大ヒット作品となった。この作品は、年内に星組公演として再演、2000年には東宝ミュージカルとなり、小池は外部公演の演出も担当することとなった。
その後、一本もののミュージカルの翻案や大作ミュージカルの制作など、八面六臂の活躍をする一方で、時々、「MIND TAVELLER」のように、世界征服を企む誇大妄想狂が悪役として登場する、気持ちいいまでの駄作を提供してファンを楽しませてくれる愛すべきキャラクターでもある。
歌劇団の生徒は、小池先生の発言を引用するとき、ほぼ100%の割合で、彼の口調を真似る。
そして、クリスマス時期に稽古期間を迎える組には、小池先生とのプレゼント交換会がもれなくついてくるらしい。その時、小池先生は、楽しそうに仮装しているとか。

えらい演出家でありながら、とってもお茶目な小池先生。
最近、忙しすぎるんではないか…と、心配になる。いつまでも第一線で、かっこいい演出をしてください[exclamation]

【今日の言葉】~宝塚日めくりカレンダーより~
「夕姫、私は何としてもそなたを救いたい。そなたをこの呪わしい縛めから解いてやりたいのだ」by頭中将橘光信@『白鷺の詩』
脚本・演出:阿古健
演出・振付:花柳寿楽
雪組 1976年

掲載されている写真は、汀夏子さん、高宮沙千さんでした。


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散らば花のごとく。 [┣生徒・演出家・劇団論]

壮一帆の退団会見の模様が公式HP等でアップされた。
印象的な発言を公式HPから拾ってみよう。 

19年間という長い期間を在籍させて頂くことができ、またその中で様々な方々と出会い、経験をさせて頂けたことは、人生の中でも最も輝かしい日々であったと改めて思います

「雪組に組替えというお話をいただいた時に、三作の本公演に自分の持てる力を全て発揮して卒業しようと具体的に決めました。自分が目指す最高の舞台を作る上で必要な体力・精神力を冷静に考えた上で、自分の舞台人として燃え尽きることができる時が今だなと考えるにいたりました」

宝塚人生の中でターニングポイントとなった三回の組替えは非常に心に残っています。花組時代に当時トップスターの真飛さん、同期の蘭寿とむと共に「組」ということを意識しながら作品を作り上げていたときが、今から思うと非常に勉強にもなりましたし、現在にも大きく役立っていると感じています」

「大劇場三作品という短い期間ではありましたが、私が在籍したこの時代に雪組で良かったと思ってもらえるように、私の舞台に対する想いをしっかり発信していきたいと思っています」

いいなぁ、えりたん[黒ハート]

他のメディアの記事からも少し。

「寿はありません、退団後も決まってません、という、通り一遍で申し訳なく、私的にはもう少しひねりも効かせたかった

同期の蘭寿さんからは、「(退団は)早くない?」と返されたみたい。

そして、「100周年だからこそ、その年のうちに、次の世代にバトンを渡すのもアリだと思う」
そんな言葉を象徴するように、発表されたポスターのキャッチコピーが「散らば花のごとく。」
さびしいけど、満開の花を咲かせ続けた壮一帆を、最後まで追いかけたいと思う。

壮 一帆プロフィール&舞台記録
兵庫県川西市出身 雲雀丘学園高校出身
1994年 4月 宝塚音楽学校入学
1996年 3月 宝塚音楽学校卒業
1996年 3月 宝塚歌劇団入団

1996年 3~5月、月組公演『CAN-CAN』で初舞台。5月、花組に配属。
1997年 7月、アキコ・カンダレッスン発表会に最下級生として出演。
      10月、バウホール公演『白い朝』出演。
1998年 2月、東京特別公演『白い朝』出演。
      5~6月、『SPEAK EASY/スナイパー』出演。新人公演では、マックの部下、エドウィン役(本役=水夏希)。ショーの『スナイパー』でも瀬奈じゅん、水、蘭寿と共に整備士役等で活躍。
      8月、真矢みきスーパー・リサイタル『MIKI in BDOKAN』出演。
      10~11月、全国ツアー公演『春ふたたび/サザンクロス・レビュー』出演。
1999年 1~2月、『夜明けの序曲』出演。新人公演で駒井梅二郎役(本役=麻園みき)。
      3月、バウホール公演『冬物語』出演。
      6月、バウホール公演『ロミオとジュリエット』出演。
      8~9月、『タンゴ・アルゼンチーノ/ザ・レビュー’99』出演。リノ役。新人公演でマイク役(本役=春野寿美礼)。
      10月、宝塚舞踊会出演。「第三回宝塚狂言の会」出演。 
2000年 1~2月、バウホール公演『冬物語』出演。 
      4~5月 『あさきゆめみし/ザ・ビューティーズ!』出演。良清役。相方の惟光役は蘭寿とむが演じた。新人公演で頭中将役(本役=匠ひびき)。
      6~7月、『宝塚 雪・月・花』『サンライズ・タカラヅカ』(ドイツ・ベルリン)
      9月、TCAスペシャル出演。
     10月、宝塚舞踊会出演。
     11~12月、『ルートヴィヒII世/Asian Sunrise』出演。新人公演でディル久ハイム伯爵役(本役=伊織直加)。
2001年 4~5月、バウホール公演『マノン』出演。ミゲル役で高い評価を得る。
      7~8月、『ミケランジェロ/VIVA!』出演。新人公演でジョバンニ枢機卿役(本役=夏美よう)。
      8月 雪組に組替え
      10~11月、『愛燃える/Rose Garden』出演。劉生役。呉王夫差役で新人公演初主演。
      11月、バウホール公演『Over The Moon』出演。ポール役。
2002年 4月、東京特別公演『風と共に去りぬ』出演。ルネ役。ちなみに雪・花連続公演となっており、花組の同役は同期の蘭寿とむだった。
      5~7月、『追憶のバルセロナ/ON THE 5th』出演。フェルナンド役。新人公演ではフランシスコ役(本役=絵麻緒ゆう)。
      10月、バウホール公演『ホップ スコッチ』出演。立樹遥、音月桂と共にバウホールトリプル主演。クリストファー役。
2003年 1月、『春麗の淡き光に/Jouful!!』出演。源頼信役。へぇ、頼信さんは、治部少輔なんだ…[揺れるハート]三成さんと一緒だね[るんるん]
      3月、宝塚バウホール25周年記念 バウ・ワークショップ『春ふたたび』出演。藤原道忠役(主演)。ちなみに演出は、トップとして最初の公演と最後の公演の演出を担当してくれる大野拓史先生。
      6月、バウホール公演『アメリカン・パイ』出演。ジャクスン役。
      8~9月、『Romance de Paris/レ・コラージュ』出演。ディディエ役。この作品から、壮一帆の長いトンネルが始まる[もうやだ~(悲しい顔)](…と、私は思っているのだけれど…)
2004年 1~2月、バウホール公演『送られなかった手紙』主演。ボリス・アレクサンドロヴィッチ・ドミトリー役。太田先生が、アレクサンドル・プーシキンをモデルに創作した物語だが、宝塚作品として相当破綻した内容で、ヒロインが芝居の外枠にいるは、恋敵がチャルさんだは、2番手がまさかの麻愛めぐるだは、作品中一番盛り上がったのが、まったくの脇役である神月茜のピンクライト浴びたソロだったは…だいたい、ドミトリーは名前であって姓じゃないし…と、ありえないことの連続で、気の毒な位青年館がガラガラだったことを思い出す。
4~5月、『スサノオ/タカラヅカ・グローリー!』出演。月読役。長いトンネルの中だったけど、木村先生の作品だけは、キラッと輝いていたように思う。これが相性なんだよねー。トップとして木村先生の作品、やってほしかったなぁ[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]
      11~12月、『青い鳥を捜して/タカラヅカ・ドリーム・キングダム』出演。ミルボン役。
2005年 4月、バウホール公演『さすらいの果てに』主演。ジェフリー少尉役。
      6~8月、『霧のミラノ/ワンダーランド』出演。エルコレ・バローネ役。
      11月、バウホール公演『DAYTIME HUSTLER』出演。ヘイワード役。この頃、学年的に悪い役、ひねくれた役などが集中的に回って来たが、全部外す[爆弾][爆弾][爆弾][爆弾]
2006年 2~3月、『ベルサイユのばら-オスカル編-』出演。メルキオール役。役替りでジェローデル役。
      7月、全国ツアー『ベルサイユのばら-オスカル編-』出演。アンドレ役。“ベルばら”出演を機に、壮一帆が、長いトンネルを抜けた[exclamation×2]
      9~10月、『堕天使の涙/タランテラ!』出演。エドモン・ド・レニエ役。心に闇を抱えた男の姿を見事に表現する。
      12月 花組に組替え
2007年 2~3月、『明智小五郎の事件簿-黒蜥蜴-/TUXEDO JAZZ』出演。浪越警部役。“プロポーズの唄”で一世風靡。 
      7月、梅田芸術劇場メインホール公演『あさきゆめみしII』出演。頭中将役。かつて新人公演で演じた役を再び。
      9~10月、『アデュー・マルセイユ/ラブ・シンフォニー』出演。モーリス役。すごい、かつて出来なかった役が普通にできてる!という感じに。
2008年 2月、中日劇場公演『メランコリック・ジゴロ/ラブ・シンフォニー』出演。スタン役。真飛との息もピッタリで、新生花組への期待が高まる。
      5~6月、『愛と死のアラビア/Red Hot Sea』出演。トゥスン役。やんちゃな弟役が可愛かった!
     9~10月、全国ツアー公演『外伝 ベルサイユのばら-アラン編-』出演。アンドレ役。
2009年 1~2月、『太王四神記』出演。プルキル役。2000年生きたという化け物役をまさに怪演。
     5月、バウホール公演『オグリ!』主演。小栗判官役。えりたんにしか出来ない役だったと思う。大空祐飛の組替えに伴い、花組2番手に昇格。
     7月、梅田芸術劇場メインホール公演『ME AND MY GIRL』出演。ジョン卿役とジャッキー役の役替り。
     10~11月、『外伝 ベルサイユのばら-アンドレ編-/EXCITER!!』出演。アラン役。ショーで演じた、バカ息子のSO役も絶妙。
     12月、シアター・ドラマシティ公演『相棒』出演。神戸尊役。 
2010年 3~4月、『虞美人』出演。劉邦役。作品の肝になる役を腹の底から演じきった感じ。張良役のまっつとの相性もよかった[ぴかぴか(新しい)]
     7~8月、『麗しのサブリナ/EXCITER!!』出演。デイヴィッド役。悪気のないプレイボーイが最高でした[揺れるハート]
     11~12月、全国ツアー公演『メランコリック・ジゴロ/ラブ・シンフォニー』出演。スタン役。
2011年 2~3月、『愛のプレリュード/Le Paradis!!』出演。ジョセフ・バークレー役。
      6~7月、『ファントム』出演。キャリエール役。 
     10月、シアター・ドラマシティ公演『カナリア』出演。ヴィム役。これもよかった[黒ハート]
2012年 1月、『復活 -恋が終わり、愛が残った-/カノン』出演。シェンボック役。暗い作品を、別世界を作ることでしっかりと支え、作品の味を変えた。
     4~5月、全国ツアー公演『長い春の果てに/カノン』出演。クロード役。 
     7~8月、『サン=テグジュペリ/CONCA!!』出演。ギヨメ役。 
     11月、ディナーショー、「So in Love」開催。
     12月 雪組に組替え、雪組トップスターに就任
2013年 1月、月組公演『ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』に特別出演。アンドレ役。
      2月、中日劇場公演『若き日の唄は忘れじ/Shining Rhythm!』でトップお披露目。牧文四郎役。 
          4~5月、『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』で大劇場お披露目。フェルゼン役。 
          8~9月、全国ツアー公演『若き日の唄は忘れじ/ナルシス・ノァールII』出演。牧文四郎役。 
         11~12月、『Shall we ダンス?/CONGRATULATIONS 宝塚!!』出演。ヘイリー・ハーツ役。

今後の予定
【1】 2014年3月14日(金)~3月24日(月) <梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ>
ミュージカル『心中・恋の大和路』 脚本/菅沼 潤 演出/谷 正純
【2】 2014年3月29日(土)~4月1日(火) <宝塚大劇場>
月組公演『宝塚をどり』及び『TAKARAZUKA 花詩集100!!』の一部に特別出演
【3】 2014年4月4日(金)・4月6日(日) <宝塚大劇場>
宝塚歌劇100周年 夢の祭典『時を奏でるスミレの花たち』 ※4月5日(土)記念式典
【4】 2014年4月15日(火)~4月21日(月) <日本青年館大ホール>
演目は【1】と同じ
【5】 2014年6月6日(金)~2014年7月14日(月) <宝塚大劇場>
宝塚傾奇絵巻『一夢庵風流記 前田慶次』 脚本・演出/大野拓史
グランド・レビュー『My Dream TAKARAZUKA』 作・演出/中村一徳
【6】 2014年8月1日(金)~8月31日(日) <東京宝塚劇場>
演目は【5】と同じ。

えりたんの長い宝塚人生は、たしかに山あり谷ありだったけど、だからこそ、あれだけの深い舞台が観られたんじゃないか、と思う。
こんなスターはもう現れないんじゃないか、と思うと切ない。
歌劇団…わかってないでしょ、どんなに大きな宝を手放すか…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]

【今日の言葉】
「多分ぼくはすべてを賭けたのだ」byクロード@『琥珀色の雨にぬれて』
作・演出:柴田侑宏
花組 1984年

掲載されている写真は、高汐巴さん、若葉ひろみさんです。


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未完の大器・七海ひろき [┣生徒・演出家・劇団論]

今回の「風と共に去りぬ」は、朝夏まなと七海ひろきのWスカーレット。
今後、宙組の2番手スターとなっていく朝夏は、スターとしての豊富な経験を持っている。何度もバウホールで主演しているし、既にショーでは大劇場でセンターの場面を務めているし、ネックになるのは女役であること位。主役としてのスキルを十二分に持っていると言えよう。
それに引き換え、七海は、タナボタ的な新公主演と、バウホールのW主演程度の経験しかなく、女役の経験が多少ある程度。舞台にたった一人で場面を持たせるとか、トップさんとずっと台詞の応酬をして芝居を動かすとか、そういう経験がほとんどない。
この手の役者が突然主役をもらうとどういうことになるか、というと、途中から顎が疲れてきて、台詞の流れがおかしくなる。言語不明瞭になったり、台詞のリズムが崩れたり…。
口の中にコオロギを飼っていようが、カエル声だろうが、それで統一されるのであれば、芝居の流れ上、気にはならない。
しかし、途中に突然不明瞭な発音が混ざると、あれ?今噛んだ?みたいな意識が働く。それが何度か繰り返されると、「この人大丈夫?」になる。
そんなわけで、正直、七海主役スキルは、現在、かなり低い。
それ以外にも、女役ゆえなのか、顔の、特に口周りの表情作りが下手で、口を開いていることが多かったり、笑うべきでないところで口角があがっていたりする。また、歌に自信がないのか、『わたしとあなたは裏表』など、スカーレットIIの伶美うららともども、小さな声でこわごわ歌っているのが客席からも丸わかりなのが痛い。

そんな七海ではあるが、主役として、大切なものを持っていた。
超共感力というか影響力というか。
皆が七海スカーレットの一挙手一投足に共鳴している。そして、それを意識的か無意識にか、七海は利用しているようなのだ。
空気を動かす力は、既に持っているってこと[exclamation&question]
それなら、あとは、経験だけじゃないか[exclamation×2]
それなら、この貴重な毎日を大切に過ごしてほしい。
そして、この遅れてきた未完の大器、七海ひろきがいつか大輪の花を咲かせられるよう、願うばかりです。

これから下は、ちょっと褒めすぎかもしれない、七海スカーレットの魅力です。
興味がある方だけ、クリックしてお読みください。

七海スカーレットの七つの魅力


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蘭寿とむの道 [┣生徒・演出家・劇団論]

トップスター退団発表時に記載する履歴を書いてなかった。
それだけ感傷的になっていたのかな?ということで、あらためて、劇団が発表した舞台歴に、感想など付け加えつつ、どっぷりと感傷に浸ろうと思う。

1996年 3~5月、月組公演『CAN-CAN』で初舞台。5月、花組に配属。
1997年 3月、『失われた楽園』新人公演 マイク・テイラー役(本役=伊織直加)。初めて役らしい役が付いたこの公演、プロットはフィッツジェラルドの「ラスト・タイクーン」と同じ。ちょっと運命的なものを感じる[もうやだ~(悲しい顔)]
     4月、バウホール公演『君に恋して ラビリンス!』出演。(こちらはどうでもいい話だが、この作品のプロットは、『巡り会いは再び』と同じ。マリヴォーの「愛と偶然の戯れ」、実は再登板だったのね[exclamation]
     7月、アキコ・カンダレッスン発表会に最下級生として出演。
     8月、『ザッツ・レビュー』出演。新人公演ではプロローグのパリゼットの歌手トリオ役。
     10月、バウホール公演『白い朝』出演。
1998年 2月、中日劇場公演『ザッツ・レビュー』出演。宝塚歌劇団スタッフ役。第二部のショーで、エイト・シャルマント(ダルマ)にも挑戦している。 
     5~6月、『SPEAK EASY/スナイパー』出演。マックの部下、フレデリック役。新人公演では、作曲家のランディ役(本役=伊織直加)。ショーの『スナイパー』でもダンサーとして活躍。
     8月、真矢みきスーパー・リサイタル『MIKI in BDOKAN』出演。
     10月、バウホール公演『Endless Love』出演。アリフ役。
1999年 1~2月、『夜明けの序曲』出演。新人公演で櫛引弓人役(本役=伊織直加)。
     6月、特別公演『Endless Love』出演。アリフ役。
     8~9月、『タンゴ・アルゼンチーノ/ザ・レビュー’99』出演。アラン役。新人公演でジャン役(本役=伊織直加)。
     10月、宝塚舞踊会出演。「第三回宝塚狂言の会」出演。 
2000年 2月、中日劇場公演『タンゴ・アルゼンチーノ/ザ・レビューIV』出演。オットー役。 
     4~5月 『あさきゆめみし/ザ・ビューティーズ!』出演。惟光役。新人公演で刻の霊役(本役=春野寿美礼)。
     6~7月、『宝塚 雪・月・花』『サンライズ・タカラヅカ』(ドイツ・ベルリン)
     9月、TCAスペシャル出演。
     10月、宝塚舞踊会出演。
     11~12月、『ルートヴィヒII世/Asian Sunrise』出演。新人公演でグッデン博士役(本役=匠ひびき)。
2001年 4~5月、バウホール公演『マノン』出演。レスコー役。
     7~8月、『ミケランジェロ/VIVA!』出演。ニッコロ役。新人公演でミケランジェロ役。新人公演初主演となる。
     12月、シアター・ドラマシティ公演『カナリア』出演。ディジョン役。子犬系キャラが炸裂する。
2002年 1月、東京特別公演『カナリア』出演。ディジョン役。
     1月、大滝愛子バレエ・レッスン発表会出演。
     3~4月、『琥珀色の雨にぬれて/Cocktail』出演。ローラン(ジコロ)役。東京公演では、ピエール(ジゴロ)役。新人公演でクロード役(主演)。
     4月、東京特別公演『風と共に去りぬ』出演。ルネ役。ちなみに雪・花連続公演となっており、雪組の同役は同期の壮一帆だった。
     8月、バウホール公演『月の燈影』出演。次郎吉役。W主演として、バウホール公演初主演。 
     10~11月、『エリザベート』出演。エルマー役。新人公演でトート役(主演)。
     12月、吉崎憲治オリジナルコンサート出演。
2003年 3月、宝塚バウホール25周年記念 バウ・ワークショップ『恋天狗』出演。弥太役(主演)。
     5~7月、『野風の笛/レヴュー誕生』出演。不知火役。
     10~11月、全国ツアー公演『琥珀色の雨にぬれて/Cocktail』出演。ルイ役。
2004年 1~2月、『飛翔無限/天使の季節/アプローズ・タカラヅカ!』出演。ジョルジュ役。
     5~6月、全国ツアー公演『ジャワの踊り子』出演。ハジ・タムロン役。なお、このタムロン役は、同年度に上演された月組の全国ツアー公演では大空祐飛が演じている。
     8~9月、『La Esperanza/TAKARAZUKA舞夢』出演。トム役。ショーではナルキッソス・スキア役、ヘラクレス役など。
2005年 1月、バウホール公演『くらわんか』出演。八五郎役。
     3~5月、『マラケシュ/エンター・ザ・レビュー』出演。ギュンター役。偏執狂的な役で、ファンの話題をさらった。
     9月、日生劇場公演『Ernest in Love』出演。アルジャノン役。子犬のようなキャラが久しぶりに生きた役だった。
     10月、宝塚舞踊会出演。大空祐飛、北翔海莉と「独楽」を舞う。
     11~12月、『洛陽のパレルモ/ASIAN WINDS』出演。ニコラ役。色気は必要ない役だったはずなのに、色気が消せなかったらしい(笑)。
2006年 3~4月、バウホール公演『スカウト』出演。ショーン・フィンリー役(主演)。
     4月、宙組に組替え。
     8月、博多座公演『コパカバーナ』出演。サム・シルヴァー役。
     11~12月、『維新回天・竜馬伝!』出演。徳川慶喜役。銀橋で歌う[るんるん]負けっぷり[るんるん]の歌で、ファンの話題をさらう。
2007年 4月、バウホール公演『NEVER SLEEP』出演。サミュエル・ハート役(主演)。 
     6~7月、『バレンシアの熱い花/宙 FANTASISTA!!』出演。ラモン・カルドス/ロドリーゴ・グラナドスを北翔海莉と役替りで演じる。
     10~11月、全国ツアー公演『バレンシアの熱い花/宙 FANTASISTA!!』出演。ラモン・カルドス役。
2008年 2~3月、『黎明の風/Passion 愛の旅』出演。辰美英次役。
     7月、梅田芸術劇場メインホール公演『雨に唄えば』出演。コズモ・ブラウン役。
     9~11月、『Paradise Prince/ダンシング・フォー・ユー』出演。アンソニー・ブラック役。男女の愛人のいる役というのが、面白くて…[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]
2009年 2月、バウホール公演『逆転裁判』出演。フェニックス・ライト役(主演)。千秋楽に“2”の実施が発表になり、一世を風靡した作品だった。
     4~5月、『薔薇に降る雨/Amourそれは…』出演。ヴィクトール役。
     8月、バウホール公演『逆転裁判2』出演。フェニックス・ライト役。
     11~12月、『カサブランカ』出演。ヴィクター・ラズロ役。
2010年 3月、シアター・ドラマシティ公演『シャングリラ』出演。嵐役。
     5~6月、『TRAFALGAR/ファンキー・サンシャイン』出演。ナポレオン・ボナパルト役。私にとっては永遠のナポレオン様です[揺れるハート]ショーでは、“洗濯物が良く乾く日の午後”を歌う蘭寿さんの陽だまりのような笑顔が忘れられない[ぴかぴか(新しい)]
     9月、バウホール公演『“R”ising!!』出演。蘭寿とむコンサートとして、東京の昭和女子大学人見記念講堂にも出演。
     11~12月、『誰がために鐘は鳴る』出演。アグスティン役。大空との最後の会話は、宝塚史に残るワンシーンだったと思う。
2011年 3月、ディナーショー「MUGEN!」開催。
     4月、花組に組替え。花組トップスター就任。
     6~7月、『ファントム』出演。大劇場お披露目公演。ファントム役。 
     10~11月、全国ツアー公演『小さな花がひらいた/ル・ポァゾンII』出演。茂次役。
2012年 1月、『復活 -恋が終わり、愛が残った-/カノン』出演。ネフリュードフ役。
     4~5月、全国ツアー公演『長い春の果てに/カノン』出演。ステファン役。 
     7~8月、『サン=テグジュペリ/CONCA!!』出演。サン=テックス役。 
     11月、日本青年館公演『Streak of Light -一筋の光…-』出演。
2013年 1月、月組公演『ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』に特別出演。アンドレ役。 
     2~3月、『オーシャンズ11』出演。ダニー・オーシャン役。 
     6~7月、東急シアターオーブ『戦国BASARA』出演。真田幸村役。 
      8~9月、『愛と革命の詩(うた)-アンドレア・シェニエ-/Mr.Swing!』出演。アンドレア・シェニエ役。
     10月7日 退団発表。

寂しいけれど、これだけの立派な足跡を残していく蘭寿さんに、あらためて感謝の拍手を捧げたいと思う。たくさんの愛をありがとうございます[黒ハート] 


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気持ちが大事? [┣生徒・演出家・劇団論]

雪組の「ベルサイユのばら」東京公演を観てきました。

公演感想はたぶんすごーく先になると思うので、公演を観ていてふと気になったことを先に書いておきたい。

劇中、ありえない展開が何回か登場する。
その中で、特にありえないと思われるのは、ジェローデルとアンドレの会話だ。

ジェローデルは、衛兵隊の隊長としてパリに進駐していくオスカルの身を案じ、誰がオスカルを守るのだ?と言う。するとアンドレは、自分が守るから大丈夫だと答えるのだが、ジェローデルは、アンドレの左目が見えていないことを指摘し、そんな君がオスカルを守りきれるのか?と重ねて問う。
これに対してアンドレは、これ以上みじめな気持ちにさせないでほしい、と言い、土下座せんばかりになって、左目のことを言わないでほしいと懇願する。
ここで舞台は暗転するのだが、その後の経緯を見ると、ジェローデルはアンドレの言葉を呑んだらしい。

呑むか?普通…[爆弾]

常識で考えれば呑まない。
だって、ジェローデルはアンドレの左目が(←実はここがポイントだとは思うが)見えないことを知っている。戦闘になったら、そんなアンドレではオスカルを守りきれないだろう。
しかもオスカルは、アンドレの目のことを知らないらしい。
これはもう、アンドレの気持ちの問題ではなく、オスカルの命を守るためにも、アンドレの目のことをオスカルに告げるのは、「人としての義務」だ。
なのに、ジェローデルは、アンドレの命懸けの思いを汲み取って、黙っていることを約束した(らしい)。

それこそが、植田歌舞伎なんだろうなーと思う。

歌舞伎の世界では、命より気持ちが優先することがしばしばある。
たとえば、仮名手本忠臣蔵。
塩冶判官が殿中で高師直に斬りかかった時、彼を羽交い絞めにして止めた人間がいる。桃井若狭之助の家臣、加古川本蔵だ。
彼は、高師直が、女癖が悪く、金に汚い人間だということを知っている。しかも、加古川自身が、師直に賄賂を渡して、主君の危機を救った直後にこの事件は起きている。塩冶判官は、桃井若狭之助の身代りのような形で事件を起こしたとも言える。
結局、師直は大事に至らず、塩冶判官は殿中で抜刀し傷害事件を起こした罪により切腹を命じられた。
加古川本蔵の娘、小浪は、大星由良之助の息子、大星力弥の婚約者だったが、塩冶判官を抱きとめて高師直を助けたことによって、二人の結婚は雲行きが怪しくなる。そこで、本蔵はわざと力弥に討たれることで、自らの失態を詫びることになる。

バウホール公演「冬物語」にも登場する喧嘩場(殿中刃傷)は、塩冶判官の妻、顔世御前に懸想した師直が、塩冶判官を意味もなくさんざん罵倒して、その結果、判官が刀を抜いて斬りつける場面だ。
しかし、冷静に考えたら、殿中という、非常に厳粛であるべき場所、しかも刀を抜いたら、その身は死罪、お家断絶と言われている場所で、刀を振り回している輩がいたら、普通は止めるんじゃないだろうか。
しかし、そんな場所で刀を抜いた=死を覚悟しているわけで、だからこそ、その思いだけは成就させてやるべきだ、それをわからずに羽交い絞めにした本蔵は、武士の情けを知らないヤツ⇒その責任を取って力弥に討たれる、という展開になるのが「仮名手本忠臣蔵」だ。

こんなストーリーの仮名手本忠臣蔵が、歌舞伎界では独参湯(どくじんとう)と呼ばれ、観客動員No.1の作品なのだから、日本人は、たぶん、こういう話が好きなんだと思う。

人の命は地球より重いが、人の気持ちは宇宙より重い…

この「植田歌舞伎」発想をもってすれば、フェルゼンと、メルシー伯爵の会話も理解できる。
フェルゼンの論理は通常の脳みそでは理解できないが、歌舞伎脳なら解明できる。
「王妃様のために…」と言いながら、だれも王妃様のお心を理解していない!と激昂するフェルゼン。
王妃と愛人関係にあるフェルゼンに帰国してくれ、と言うのは簡単だが、それなら、フェルゼンという精神的な支えを失った王妃が、この先どうなっていくのか、誰が王妃の支えになるのか、それこそが、何よりも(革命よりも)大事だとフェルゼンは思っている。
このフェルゼンの懸念を解明できない限り、彼は帰国などできない。
大事なのは、王妃の気持ちなのだから。
では、なぜフェルゼンは説得されるのか。

メルシー伯の命懸けの願いを汲み取ったから…。

そして、気持ちを伝える一番の方法が、「膝を折って懇願」であることも、これらの例からく伝わってくる。
日本で言えば、土下座、ですね[爆弾][爆弾][爆弾]
それによって、フェルゼンは、メルシー伯が心から王妃のためにフェルゼンに帰国を勧めに来たことを知ったから。
王妃のために何をするか、という点でまったく合意点が見つからなかったにもかかわらず、フェルゼンは帰国を了承する。
それはメルシー伯の気持ちに応えたからにほかならない[爆弾]

そして、こんなひどい脚本にもかかわらず、ベルばらは、今回も宝塚の独参湯となったらしい…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]

みんな、日本人だなぁ…[爆弾]


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かいちゃんの宙 [┣生徒・演出家・劇団論]

あの人、頭いいなーと思うこと、ありますよね?
実際に勉強ができるかどうかは別にして、あー、頭いいなーって思うタイプ、私の場合は、本を読んでるんだろうなーと思う人を見ると、頭いいなーって、無条件に感じます。
語彙が豊富で、言葉の遣い方が適切な人。
だから、祐飛さんのファンなのかもしれない。

祐飛さん卒業後、そういう意味では、寂しくなってしまったのだが、そんな私の心を慰めてくれる候補が…[exclamation×2]
この3ヶ月間の歌劇「えと文」@宙組は、本当に素晴らしかった!
ネタがファンの心をくすぐっていたのももちろんだけど、かいちゃんの締めの言葉がねー[exclamation×2]

7月号(退団月)では、ゆひすみコンビが大好きだったこと、その他の退団者への愛を叫びつつ、『七つの海から見える宙は、いつもキラキラ輝いています』と締めている。
8月号(組旅行ネタ)では、『ずっとずっと見上げていた大きな空は、私達の心に、永遠にその青さを残すでしょう。全てを心に刻んだまま、私達は進んで行きます。悲しさもあるでしょう。心に穴もあくでしょう。でも、目の前に広がる青の先には、新しい宙の世界が待っています。行きましょう!!一緒に。新しい宙に向かって…[ぴかぴか(新しい)]』と。
そして新生宙組が始まった9月号では、『変わりゆく、宙という名の扇は、要があるからこそ、開かれるものです。そこに新たな彩りが加わる瞬間を、皆さん見守っていて下さい。“宙の歴史がまた一ページ”[ぴかぴか(新しい)]
うまい!
新生宙組、期待してるからね-という気分になる。

かいちゃんも間違いなく、本を読む人の頭の良さを備えている。
惚れちゃうかも[exclamation&question]


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トップスターと準トップスターについての公式見解 [┣生徒・演出家・劇団論]

歌劇誌3月号の「夢・万華鏡」by小林公一理事長の中に、以下のような文があった。
大切なところなので、該当部分を全文掲載させていただきたい。

『2月14日に、月組の次期体制と作品を発表した。トップスター龍真咲、トップ娘役愛希れいか、そして準トップスター明日海りおを中心とした体制となる。6月22日に初日を迎える「ロミオとジュリエット」から本体制での公演となる。ロミオは龍真咲と明日海りおが役替りで務める。基本的にはトップスターとトップ娘役がいて彼女達を中心に組が形成されるのであろうが、各組にはそれぞれ特徴があり、これからの月組の体制はこの形が適切だと思っている。しこの体制は、以前に行われたことがあるダブルトップ体制とは全く異なっている。つまり月組のトップスターは龍真咲であり、各組のトップスターが集う場合には龍真咲がそこに参加することになる。それでは準トップスターの位置付けはどうなるのかというと、これはトップスターが演ずる役を作品によっては役替り公演が出来る立場にあると考えている。この体制によって作品の幅が広がり、組全体の更なる向上を期待している。皆様におかれましても、ご支援よろしくお願いいたします。』(引用ここまで。例によって太字と色付けは夜野)

大事なことなので、分かりやすく箇条書きにしてみたい。

  1. これからの月組の体制としてこの形が適切[exclamation×2]
  2. 月組トップはあくまでも龍真咲ひとりで、各組トップと同じ立場[ぴかぴか(新しい)]
  3. 今後も主役の役替りがある[爆弾]
  4. この体制によって組全体の更なる向上が期待できる[グッド(上向き矢印)]

では、この4つについて、ひとつひとつ、考えてく。

1について
人員が限られている組織の中でどうにか体制を作り出していくのならともかく、これまで組替え落下傘も普通にあった劇団で、トップスターを中心とする“基本的な形”を歪めてまで現状維持にこだわる理由については、明確な説明がなされていない。

2について
ダブルトップ体制については、弊害が多いと言われているので、これを避けたというのはわかる。しかし、他の組のトップは、すべての公演を一人で背負っている。一人で背負っているトップと、一人で背負いきれないトップが、同じラインに並ぶものだろうか?

3について
特別な公演(海外ミュージカルとか、ベルばらとか風共とか)についての役替りは、主役を含めて、これまでもタブーではなかった。わざわざ準トップを作ってまでの役替りは…と思っていたら、どうやら、月組については、今後も役替り前提らしい。これでトップはあくまでも龍ということだと、全公演、明日海主演回数が少ないということで、当然、明日海主演公演の方が入りがいいことになりがちだ。それって、トップスターの龍真咲へのプレッシャー以外の何だというのだろうか?

4について
役替り公演って、本当に大変だと聞く。
役替りする当人だけでなく、周囲の出演者もすべて2倍の稽古を必要とするからだ。
それだけの負担を組子に強いて、組全体の更なる向上が望めるのだろうか?

他組の現2番手(及び明確な3番手)は雪組の早霧が龍と同期なだけで、あとはすべて龍より上級生。(星組の2番手が涼として、の話だが)
なのに、落下傘も出戻りも否定してのこの新体制。理事長の説明を読んでも、納得できるだけの材料はない。
現在の状態が、過渡期の一時的なものであることを願っている。


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藤咲えりのヒロイン性 [┣生徒・演出家・劇団論]

今年も、一応、定番の友人との名古屋旅行に行ってきた。
今年はなーんもできなかったな~公演が公演だったので。
友よ、許せ。
去年は、病が癒えていない友を強行スケジュールで振り回し、今年は劇場にカンヅメにしてしまった。
来年こそ、普通の名古屋ライフを提供したい。
雪組だよね、たぶん。

さて、「仮面のロマネスク」、初日からだいぶ深くなっている。
下級生がぐーんと伸びたのと、祐飛さんが静かに深くなったのは言うまでもなく。
大きく変わったのは、メルトゥイユの能面の表情が効いてきたこと(コケティッシュ100%のすみかメルトゥイユも好みではあったけど)、ダンスニーがみっちゃん的方向性に進化してきたこと(想定の範囲だったので、もうしょうがない)、そしてトゥールベル夫人のえりちゃんが自信を持って楽しんでいるように見えたこと。

その、藤咲えりのトゥールベル夫人。
「おとめ」の演じたい役にも「仮面のロマネスク」のメルトゥイユとトゥールベルと書いている。
好きな作品のヒロイン役を書くのは、娘役の夢。ゆずみねえさんだって、ナイヤとかスカーレットとか書いている。
でも、ヒロインじゃない役を書くのは、本当にその役に惚れこんでいるということだ。
そして、そんな夢が叶うことは、ほんとうに稀なことだ。
初日の藤咲は、死ぬほど演じたかった役を演じているのに、つらそうだった。そして、「仮面のロマネスク」再演が決まった時、藤咲は星奈っぽい雰囲気があるから、身長はだいぶ違うが、いいんじゃないかなーなどと勝手に思っていたのが、実はちょっと違うのかな?とも思い始めていた。
もともと星奈優里ファンになったのも、好きだった毬藻えりにとあるポート写真が似ていたからで、毬藻と星奈じゃぜんぜん違う。そして、藤咲の顔を覚えたのも、なにかのポートで星奈に似ていたから…という…すでにかなり自分、人の顔の印象については、残念な能力の持ち主らしい。
そして、初日、一番思ったのは、星奈の得意な「泣き」の芝居は、藤咲の本領ではないんだな、ということ。藤咲の声は艶っぽくて魅力的だから、泣いたりわめいたりしない方がいいんだ!と気づいた。
そして、自信を持って楽しんでいる藤咲えりを観て、この人は星奈優里じゃなくて、白城あやかタイプなんだ!と確信した。ってか、本人も意識してるよね、あのメイクは!そして、あの自分で自分を納得させるような、心もとない心情表現、揺れる瞳…これこそ、白城劇場!
馥郁として、まろやかな声と合わせ、小さな身体に大輪の花が宿ったかのような充実。
まさに、これはヒロイン芝居だ!と思うと、たまらなく藤咲が面白く感じられる。
今こそ、この人をヒロインにしたバウホール公演が観てみたい。
一度、ガチで白城の役を演じさせてみたい。
「二人だけが悪」とか、バウ用に焼き直せないかな?


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「ファントム」Bキャストの効能 [┣生徒・演出家・劇団論]

先日、Bキャストで観劇し、あまりの違和感に、“こんなのいらない!”とまで書いてしまったが、Aキャストに戻った初日を観劇し、また別の感想を持った。
たしかに、Aキャストの方がすべてにおいておさまりがいい。
ショレ役の華形が、まだBキャストを半分引きずったような芝居をしていた以外は、ほぼ大劇場での印象のまま、各人パワーアップした芝居をしてくれていた。

ところが!
愛音のシャンドンを観て、その貴族っぷりにうっとりし、やっぱりシャンドン様はこうでなくっちゃ~と思っていると、なにやら目の端に発光体が見える。
誰?あの白い人!と目をやると、朝夏まなとが立っていた。
一週間前、シャンドン伯爵として全然足りてなくて、舞台監督と同じにしか見えなかった朝夏が、本役のセルジュに戻って、白く発光している。
“エリック・ストーリー”では、物語の枠の中にちゃんとおさまる芝居をしつつ、若き日のキャリエールはキラキラしたスターでもあった。

これか!
劇団は、これを待っていたのか!
と思った。
「ファントム」のBキャスト公演は、東京で8日間14公演しかない。
私が観劇したのは、その真ん中辺なので、たぶん、朝夏のシャンドンの出来を平均した位の日なんじゃないかと思う。
その時点で、シャンドンのニンじゃないとまで思ったのだから、役の適性と本人の資質の間には大きな乖離があったんだろう。
でも終わってみたら、ちゃんとシャンドン効果が出ている。
シャンドンとの相性は、そんなに良くなかったかもしれないが、シャンドンを演じることで、宝塚のスターとして必要な資質を身に纏うようになった。
新たに会得したのか、もともと持っていたものを強く出せるようになったのかは、わからない。
が、あの柔らかさやキラキラ感は、無条件に“この人、スターだ”と思わせる何かに繋がる。
2回のバウ主演を経ても、あまり変化を感じられなかった(私が興味をもたなすぎたせいもある)朝夏が、Bキャストを終えて、大きくなっていた。

華形にキラキラなセルジュと若キャリエールをさせてあげることもできたし、Bキャストは、劇団から生徒への壮大な愛のプレゼントだったのかもしれない。
そして、生徒を育てるためには、無駄と思える役替りも必要なのだろう。

公演が終わるまであと10日ほど。
個人的に大好きな愛音シャンドンを楽しみつつ、次代のスター朝夏まなとにも注目していきたい。


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こういうショーはダメ [┣生徒・演出家・劇団論]

こういうショーはやっちゃだめだ!と、初見で心底思って早、1ヶ月。
悪く書く場合は、公演終了してから!と決めているので、書きたい気持ちを抑えて、梅田にも行った。千秋楽付近でも観劇した。それは、「黒い瞳」という作品がよいもので、しかも、公演期間中に役者の進歩がものすごい大きく出る作品だったからで、「ロック・オン!」が観たい気持ちはゼロだった。
「ロック・オン!」は、先代トップ水夏希のさよなら公演のショーだったため、さよなら的場面が入っている。新トップのお披露目ショーとして、その部分は不要なので改変する…というようなことは、他の公演でも行われている。
瀬奈じゅんさよなら公演だった「Heat on Beat!」しかり、春野寿美礼さよなら公演だった「ラブ・シンフォニー」しかり。
ただ、今回、このショーがだめだと思った決定的な理由は、改変部分ではなかった。
水が出演していた時、音月と舞羽によって演じられた、わかりやすい「2番手さん用」の場面が、まんま残っていたにもかかわらず、そのセンターが彩風咲奈だったのだ。
ちなみに、今回のショーの序列でいくと、トップ音月桂に続く男役は、未涼亜希、彩那音、沙央くらま、香稜しずる、彩風の順になっている。芝居の番手を初演の月組と比べても、外れるのは彩那位で、ほぼこれが、今回の全ツの責任順ということだ
もちろん、宝塚は仲良しクラブではないので、なにもかもが学年順、番手順、下剋上なし、というのではやっていけない。大胆なバッテキというやつが、よくも悪くも存在してきた。
しかし、今回に関しては、唐突かつ筋が通っていない。

まず、全体の構成として、シーン(章)ごとに誰がセンターかということを見ると、
第1章 Rock on!(プロローグ)―音月
第2章 Piano~Forte(ピアノの遍歴)―彩風
第3章 Parlez Moi D'amour―音月
第4章 So What?(だから…?)-音月
第5章 Show Time―音月
第6章 Turn the Beat―音月
第7章 Rock You!(フィナーレ)―音月
となっており、音月が登場しないのは、この第2章だけになっている。
少々宝塚を知っている人ならば、トップが芯にならない場面を取るのは、番手のスターであると知っている。
プロローグ後最初の場面に彩風が芯で登場したら、当然、第3章以降、あの人はどこ?と探すだろう。
ところが、それから後の場面では、順番通り、未涼、彩那、沙央、香稜らが彩風よりいい位置に立っているのだから、混乱する。というか、まず、彩風を探しきれないのではないだろうか。
(ほとんどピンスポ当たってないし、単独でセンター立たないし…。)
スターの作り方として、抜擢したら、それを見て好きになってくれた人を、がっちりつかんで初めてその抜擢が生きる。天海祐希は、上級生たちを抜かして芯の場面を貰った時、4人口で出ていても一人衣装が違っていたり、ということをされていた。そうやって注目されることによって、スターは作られていくし、そうやって宝塚は人を育てて行ったのだ。

なのに、今回は、ピアノの場面だけが彩風で、それも、すごくやりにくそう…というか、もしそう思っていないのだったら、芯として全然できていなかった。
さすがに2番手羽根を背負っている未涼は出ていないが、彩那、沙央、香稜が後ろで踊っているという、この場面、そりゃやりにくいだろうと思う。
それでも、この先、早霧の次には、もう彩風を入れるんだ!とプロデューサーなり、演出家なりが腹を決めたのなら、そうやって遇することで、彩風の腹も据わる。
それが、こんな形で1場面だけ抜擢して、あとは、端の方で踊らせるなんて、最悪というほかない。

観客の立場からも、出演者の立場からも、どうしていいのかわからない、こんなショーにした責任は重い。
おりしも、この彩風が主演するバウワークショップがもうすぐ開催される。
ここで真価を問おうとしているのかもしれないが、問う側も居ずまいを正せよ、と言いたくなるような舞台だった。
ま、W主演の相方は、この大切な時期に、バウで意味なく女役やらされてるから、どっちもどっち、ということだろうか?
雪組のプロデューサーはいったい何を考えているのか?まったく!!!

ま、その部分を割り引いても、ショーとして全然あり得なかったけどね[爆弾]


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