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「表現者ノマド」-12(リモート版) [┣大空ゆうひ]

朝日カルチャーセンター新宿教室「表現者ノマド」シリーズは、今回で12回目になる。
最近はゆうひさんも忙しくて、年に1回程度に減っていたのだけど、コロナ禍の中、4月に行われるはずだった岸本佐知子さんの回をリモートでやったなぁ~と思ったら、もう8月に次のリモート開催となった。
くせになったかしら[exclamation&question]


今回のゲストは、トレーナーの高橋義人さん。ゆうひさんがつけたサブタイトルは“身体の調律師”[exclamation]


退団直後の全身男役なゆうひさんを、女優デビューできる肉体に改造してくれた、恩人。
そんな高橋さんと語る人体のあれこれが面白い。
トレーナーさんなので、スポーツ選手も見たりするけど、一流スポーツ選手は、基本ポジティブ。役者は、喜怒哀楽をいっぱい溜め込んでいるので、そもそも体調がベストにならないんだとか。そういうのを面白いと感じて、役者のための身体づくりを考えてくれる方のようだ。そのためには、台本を読んでみたり、ボイトレに行ってみたり、ハイヒールまで履いてみるらしい。すごいな…[あせあせ(飛び散る汗)]
一方、ゆうひさんは、普段は空っぽで(はい、前回もそう言ってましたね[わーい(嬉しい顔)]役の身体になった時、全部のセリフがクリアになるらしい。姿勢・背骨の位置…それが見つかるか、が役作りなんだとか。…まさか、そういう役作りとは[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]
そういえば、「まさに世界の終わり」の時、本当にフランス人の田舎の中年の女性…的な体型に見えたのは、気のせいではなかったのかも。


なんか、我々の生活に役立つことも教えてもらえたような…。
誰かの悪口を言うと、自分に返ってくる。声に出して褒めると自分をも褒めることができる。脳は自他の区別をしていない部分があるらしく、イヤな言葉は、口にしない方が身体には良いらしい。
筋膜リリースの一部。眉間をつまむと元気になるし、前屈ができるようになる。後頭部をつまむと前屈ができなくなる。顎をひくと、腹筋が使える…などなど。
エイジングケアはよくしゃべるといいらしい。舌の力と体幹がつながっていて、腹筋も使うので。舌の衰えが全身の衰えになるらしい。だから女性が長命なんですかね。


 「脳は三つ同時に何かをすると緩む」という格言は、有名トレーナーのジェームス中野先生から教えていただいたことと一緒なので、これは間違いないですね。とりあえず、目を見開き、舌を出して、横を向いて、凝りをほぐしていきましょう[黒ハート]
脳の話で言えば、よく、脳の30%しか使っていないとか言われてますよね。でも、これって、30%以上使うと、壊れるんじゃないか…という発想が面白かったです。(一番大事なところなので、ダメージを受けても違うところが補完するために、70%をキープしてるんじゃないか…というのは、面白い考えだな…と思いました[わーい(嬉しい顔)])まあ、すごく大事な短時間なら、30%ちょっと超えとかができるのかも…。ゆうひさんは、ちょっと前まで、「リミッターを外せ」を標語にしていたみたいですが[爆弾][爆弾][爆弾]


あと、人の記憶というか、生まれる時の痛みをみんな記憶していて、それが痛みの限界というヤツらしい、という話も面白かった。帝王切開で生まれた子供は、限界を知らないから天才になる可能性がある…という説があるそうで。そもそも、ジュリアス・シーザーがこうやって生まれたことから“帝王切開”と呼ばれてるんですよね。


ゆうひさんについてで面白かったのは、「体幹が使えてないのに、ちょっと使えるところだけをものすごく使っている」っていうところ。なんか、ゆうひさんを端的に表現しているような気がしました[ぴかぴか(新しい)]
ゆうひさんは、身体を表現に使う楽器だと思っているそうで、高橋先生(ゆうひさんは、“よしとさん”と呼んでましたね[るんるん])にかかると、調律したてのピアノみたいになれるんだとか。


そんな高橋義人先生のトレーニング講座がYouTubeで開設されたそうです。
これを受ければ、ゆうひさんと同じトレーニングを受けていることになるわけですね。頑張ってみませんか[exclamation&question]


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安倍首相の辞任 [┣かんがえごと]

安倍首相が辞意を表明した。


テレビ等では、突然の発表という驚きが伝えられているが、28日に記者会見という情報が出た時点で、辞任会見であること、持病の再発を辞任理由にすることは、私を含め、多くの人が予想していたと思う。
まず、5月以降、週刊誌やネットメディアに、首相の健康不安説が見え隠れするようになった。これに対して、官邸側から事実無根であるとして、強い抗議が出ることはなかった。
そして、検査のため慶応病院を訪れるところを、事前に大々的にマスメディアに知らせ、病院に向かうところを撮影させた。政治家にとって健康不安は、噂であっても命とりである。にもかかわらず、こっそり、ではなく、堂々と病院に向かった。さらに、翌週、もう一度、病院に行く。追加の検査とニュースでは言っていたが、こちらも堂々と…である。二週続けて病院に行くとなれば、のっぴきならない病状と疑われてしまうというのに。
そして、28日に記者会見を行うと聞いて、辞任以外あり得ない、と思ったのだが、マスコミの論調は、「今後も頑張る」とか。今後も頑張る記者会見ってなんだよ[exclamation&question]


全部出来レースだよね。みんな知っていて、驚いて見せている。
週刊誌ではだいぶ前から、安倍首相が、コロナ禍でうまくいかない舵取りを放り出そうとしている…という見出しが躍っていた。オリンピックだって延期したけど、本当にやれるかは、コロナの収束次第だ。衆議院の任期も、自身の総裁任期もあと1年。コロナ禍での舵取りに失敗したら、どちらも悲惨なことになりかねない。歴代最長宰相の記録は達成したし、退陣するなら今が一番傷が少ない。
健康問題を理由にしての退陣なら、政治的な問題を認めているわけではないので、さらにいい。
そのために、周到に計画し、台本通りに演じられた辞任劇ー


決して仮病だとは言っていない。
持病があるということは、みんな知っているし、精神的なストレスによって悪化する病気だとも聞いているし。
でも、見事なタイミングだったのは間違いない。
まあ、歴代最長の政権を維持するだけのことはあるっていう感じかな。演出次第で世論は誘導できる。その雰囲気重視、エモさ重視、やってる感が安倍政治のキモだったものね。


私は、「アベノミクス」とか、「安倍政権」とか、自分の名を冠した呼び方を自分でしている感じが、恥ずかしいなぁ~と思っていたが、そういうのが、恥ずかしいことじゃないっていう風潮になったのが、功績といえば、功績なんでしょうかね。


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石垣山城 [┣続百名城]

小田原城が楽しすぎて行けなかったかき氷のお店にリベンジしてきました[exclamation]


石垣山城ー1.jpg


東海道線の早川駅(小田原のひとつ先)で下車、徒歩10分くらいかな[exclamation&question]
小田原漁港近くの「ひととせの雪」さんに行ってまいりました。
30分くらい炎天下で並んだ後、入店。超人気店なんですね~[るんるん]


私が頼んだのは「みかん」。
この日は、熊本県産のデコポンを使用しているそうで。


石垣山城ー2.jpgご覧のように、果物を凍らせてかき氷にしているのです[exclamation]


本物の果物なので、甘味だけでなく酸味もある[exclamation×2]
それが爽やかで、さくさく食べ進められたし、かき氷にありがちな、頭がキーンとすることが一切ない[exclamation]
超マイルドで、頼んだのは「Mサイズ」だったけど、「L」で全然よかった…[バッド(下向き矢印)]
酸味に疲れてきたら、左隅に写っているシロップを少したらすと、酸味が消えて甘味だけになり、またおいしい。
シロップをちょっとずつたらすことで、元のデコポンだけの味と交互に味わえて、至福でした~[るんるん]
一緒に行った友人は、「メロン」を注文したのだけど、こちらは、練乳がけでも味わえる。
梅昆布茶を一緒に出してくれるのも、ピッタリで、人気店な理由がよくわかった。


待っている間に12時を回ってしまったので、まず腹ごしらえをしてから、駅に戻り、タクシーで石垣山城へ。
タクシーだと早川駅から10分弱でした。駅前にタクシーはいなくて、迎車になってしまうけれど、それでも1200円程度。歩くと50分ほどかかるし、山道なので、タクシーはおすすめです。


石垣山城ー3.jpg石垣山城の駐車場でタクシーを降りて、まずは、続百名城のスタンプを押し、登城開始。
“石垣山城”という名前に、サンダル履きの友人はビビッていたが、サンダルでも問題ないルート。
こんな風に、大きな石がゴロゴロしているだけで、なにか尊い感じがしてワクワクする石垣好き。一人でテンションが上がり、かなり変なヒトでした(笑)


石垣山城ー4.jpgはい、石垣です。
なんか、石が崩れてるんじゃね[exclamation&question]とお思いのアナタ、この崩落は、関東大震災によるものだそうですよ[exclamation×2]
関東大震災から、もうすぐ100年になるが、あらためて、すごい地震だったんだな~と感じた。(犠牲者が多かったため、東京近辺の地震のような印象があるが、実は、一番揺れたのは、小田原だったらしい。)


石垣山城ー5.jpg関東の城で石垣造りの城は少ないので、石垣好きとしては、わくわくもでかい(笑)
豊臣秀吉によって造られた石垣山城は、石垣のプロ、穴太衆(あのうしゅう)を関西から呼び寄せて、わずか80日で完成。しかも、完成と同時に周囲の木を伐りはらって、一夜にして巨大な城ができたかのように見せ、北条側の士気を削いだと言われている。


石垣は野面積で、穴太衆の技術力の高さを十分に堪能できた。
さて、関東に石垣の城が少ない理由のひとつに、石垣に適する石が産出できない、ということがある。
ところが、小田原は、江戸城の石垣にも使用された“早川石丁場群”を擁するなど、安山岩の宝庫だったりする。北条氏にも石垣の城があるなど、関東の中でも異質の地域なのです。関東屈指の石の宝庫+穴太衆…これが、石垣山城の秘密だったのですね。


石垣山城ー6.jpg


展望台からは小田原の市街と、小田原城がくっきりと見える。


秀吉くん、最高の立地だね、これは。
(写真ではiphoneの望遠最大にしていますが、肉眼でも見ることができます[exclamation]


展望台の上で、小田原城の場所を教えてくれた見知らぬお父さん、ありがとうございます。
(息子さんに向かって一生懸命、説明していたのを聞いて、我々も方向がわかりました。)
もし、誰も説明してくれる人がいなかったら、とりあえず、展望台の正面より、かなり左側の方を見てみましょう。住宅街の中に、うっそうと森があるので、森の辺りを探すと、クッキリと三層の天守が見えてくるはず[exclamation×2]


小田原城は、今回見学した石垣山城もだが、総構9キロを歩いてみたいし、大堀切とか、まだまだ周辺に見どころもたくさんある。
北条氏時代の小田原城は、土塁を積み上げた関東らしい城なので、その遺構が残っている場所は、現在の小田原城とは別の魅力があると思っている。
この風景を見ながら、近いうちの再訪を心に誓う。(かき氷もセットで[exclamation×2]


石垣山城ー7.jpgなんか、絵葉書みたいですが、ごく普通にiphoneで撮影したものです。


ここから見える相模湾には、加藤嘉明、脇坂安治らの水軍がひしめいていたらしい。本気出した秀吉、怖すぎる…[バッド(下向き矢印)]


石垣山城ー8.jpg天守台跡は、少し奥まった場所にある。物見櫓としての機能もある天守を、こんなに奥まった場所に作るだろうか[exclamation&question]と、以前訪れた時には思ったが、「石垣山城の目的は、見るより見られることにある」と考えれば、少しでも小高い場所に作るという考え方もありかな。


ここから南曲輪に降りる。
石垣山城ー9.jpgちょっと小さめの曲輪からは、プライベートビーチのように海が見える。
この景色を見た時、なんか自分が茶々(淀君)になったような気分になり。
「ふっふっふ、これが権力か」
とつぶやいてしまい、友人に気持ち悪がられた。


石垣山城ー10.jpg最後にもう一度石垣。
大満足の石垣山城でした。


(余談)タクシーを呼んだ時、「石垣山城」と言ったら、「あ、ヨロイヅカファーム[exclamation&question]」と聞かれ、えーと、なんか、鎧でも展示されてるのかしら[exclamation&question]と思ったのですが、実は、一夜城駐車場に、一夜城ヨロイヅカファームという施設があるんですね。初めて知った[あせあせ(飛び散る汗)]
しかも、ヨロイヅカは、鎧塚俊彦さんのことだったんですね。


すごいパティシエだというのは知っていたけど、ものすごい実業家なんですね…びっくり[あせあせ(飛び散る汗)]
一夜城には、畑・地産地消レストラン・パティスリー・ブーランジェリー・直売所があるそうです。
ちょっと見てこようか…と思ったら、巡回バスが来てしまったので、それはまた次回にしたいと思います。


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大劇場再開!(よいニュースと悪いニュース) [┣宝塚情報]

花組宝塚大劇場公演『はいからさんが通る』の公演再開について

2020/08/27

花組宝塚大劇場公演『はいからさんが通る』におきましては、複数の公演関係者に新型コロナウイルス陽性が確認されたことを受け、8月2日(日)より公演を中止させていただいておりますが、このほど、管轄の保健所のご指導を仰ぎながら、必要な措置を実施の上、公演再開の準備が整いましたので、9月3日(木)より、公演を再開いたします。
ご観劇を心待ちにしてくださっているお客様には、公演中止が長期にわたり、大変ご心配とご迷惑をおかけいたしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
なお、公演再開にあたり、花組宝塚大劇場公演では、演出を一部変更させていただきます。何卒ご了承賜りますようお願い申し上げます。
公演の実施にあたりましては、感染予防対策を徹底し、お客様により良い舞台をお届けできるよう、また、安心してご来場いただけますよう、出演者・スタッフをはじめ関係者一同、全力で努めてまいります。
お客様には、引き続き、感染予防の取り組みに何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
9月3日(木)の公演再開にともない、9月1日(火)は公演を中止させていただきます。

感染予防のための更なる取り組み強化について

2020/08/27

宝塚歌劇では、7月より各公演を順次再開させていただいておりましたが、このたび、複数の公演関係者の新型コロナウイルス陽性判定にともなう公演中止により、お客様には大変ご心配とご迷惑をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。
7月からの公演再開にあたりましては、政府や自治体のガイドラインを踏まえた感染予防対策に取り組んでまいりましたが、改めて管轄の保健所のアドバイスもいただきながら、お客様と公演関係者の安心・安全を最優先に考え、以下のとおり、感染予防対策を一層強化してまいります。何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

〇公演関係者の体調管理並びにPCR検査体制の強化
公演の開催にあたっては、公演関係者全員の検温及び体調確認を毎日実施し、体調に変化があった場合は、直ちに自主的なPCR検査を行う態勢をとってまいりましたが、今後は、これらに加えて、出演者等に対する定期的なPCR検査を実施するとともに、軽微な体調の変化にも注意を払い、公演関係者の体調のケアと早期段階での感染拡大予防に努めてまいります。

〇公演の運営における感染予防策の強化
公演の運営においても、出演者の減員や演出の一部変更、オーケストラの録音演奏などの対策を講じてまいりましたが、更なる感染リスクの低減のため、当面の間、宝塚大劇場・東京宝塚劇場ともに新人公演の実施を見合わせることといたします。あわせて、宝塚友の会会員様限定特別イベント「ステージトーク」「トークスペシャル」につきましても、当面の間、開催を見合わせます。 新人公演を楽しみにしていただいているお客様には心よりお詫び申し上げます。

〇各劇場の販売座席について
宝塚歌劇では、政府や自治体のガイドラインに基づき、座席の最前列席は舞台前から十分な距離を取り、また、感染予防に対応した座席配置を行っておりますが、改めて各地域の状況や管轄の保健所のアドバイスも踏まえながら、劇場ごと・公演ごとに販売座席を決定し当ホームページにてご案内いたします。


公演再開は、本当に嬉しいが、新人公演の見合わせは、とてもショック。
特に今年は、初主演、初ヒロインの連続だっただけに、この悔しさをどこに向けてよいやら…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]


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「ボーイズ・イン・ザ・バンド」東京凱旋公演観劇 [┣演劇]

「ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~」


7月にシアターコクーンで上演された「ボーイズ・イン・ザ・バンド」が、全国各地を回って東京に凱旋した。その初日を観劇。コクーン上演時の感想はこちら


結末を知ったうえで観た凱旋公演は、作品に深みが増したこともあって、観ていてえぐかった。
同じ作品で、こんなに受ける印象違うのかな…[あせあせ(飛び散る汗)]と。
さて、上演された、なかのZERO大ホール、演劇を観るために中野に通うこと、おそらく100回を超えている気がするが、お初の劇場でした[exclamation×2]南口に降りて左に向かったことなかったもんね[あせあせ(飛び散る汗)](南口はポケットスクエアしか行ったことない…[わーい(嬉しい顔)]
感染症対策内容は、シアターコクーンと同じ。
劇場が…というより、主催が対策の大枠を決めているのかな、と思った。
ただ、この劇場は、舞台後方に搬出口がないのか、開演まで背景をオープンにしているということはなかった。


さて、このお芝居のタイトルの「ボーイズ・イン・ザ・バンド」、別に演奏するわけでもないのに、なんでバンドなんだろう…と、ずっと不思議だった。(“~真夜中のパーティー~”の方は、1970年に映画化された際の邦題。実際、真夜中にバースデー・パーティーが開催されているのだから、これ以上ない分かりやすい邦題だと思う。)
このタイトルは、映画『スタア誕生』(1954)の中で、取り乱したエスター(ジュディ・ガーランド)に向けてノーマン・メイン(ジェームズ・メイソン)が、“You're singing for yourself and the boys in the band.”と諭したセリフから取られているのだとか。
「バンドのやつらのために歌え」の意味は、表に出ている人間は、その後ろ側にいる大勢の人々のために声をあげる必要がある、ということだろうか。1968年、社会的に居ないもののように扱われ、あるいは治療の必要がある病人のように扱われている多くのゲイたちのために、彼らがたしかに、あらゆる社会の中に、生きて悩んでいることを伝える使命がある。劇作家として、マート・クロウリーは、そんな風に考えたのだろうか。


さて、本作は、1968年に初演の作品ではあるが、2018年にブロードウェイで上演され、トニー賞の演劇リバイバル作品賞を受賞している。その時の出演者は、全員がオープンリー・ゲイ俳優(ゲイであることをカミングアウトしている俳優)だったという。
最近のエンタメ業界では、(特に米国では)その役の特性と合致した俳優を起用することが是とされていて、たとえば、聾者の役であれば、聾者の俳優を使うべきだし、トランスジェンダーの役であれば、トランスジェンダーの俳優を起用すべき…という意見が主流となっている。オープンリー・ゲイの俳優も多く存在することから、このような起用ができたのだろう。
翻って日本では、まだまだそのような風潮には程遠く、そもそもオープンリー・ゲイの俳優が非常に少ないので、これが適用されると、本作など上演ができなくなってしまう。それに、日本の演劇事情として、ある程度テレビ等で著名な俳優を出演させないと、興行として成り立たない(特に地方公演)ということもある。
とはいえ、俳優たちの方は、海外のキャスティング事情なども十分見聞きしているので、オファーを受けた時点で、主演の安田顕、パーティーの主役・鈴木浩介は、やはり躊躇したらしい。やってみたい、でも、やっていいのか、と。
私は、今の日本の芸能界では、役としてゲイを演じるという形で広く男性俳優にオファーしたという今回の形態は正しかったと思う。もしかたら渡部豪太が演じたバーナードは、アフリカ系の俳優に演じてもらうと、分かりやすかったかな、とも思うが、演技の質の合う俳優がうまく当て込めるか、と考えると、選択肢が広いわけではないので、難しかったかもしれない。


では、凱旋公演だからこそ感じられたかもしれない感想を書いていこうかな。


マイケル(安田顕)とドナルド(馬場徹)だけの場面から始まるのだが、そこの印象が全然違った。コクーンでは単なる導入部としてほとんど聞き流していたところに、それぞれのキャラの根幹となるキーワードがたくさんあった。これを知っただけでも、凱旋公演を観られてよかったと思う。
そして、ドナルドが好きだ~[黒ハート]と唐突に感じた。一回ラストまで観たからこそ、このスタンスでマイケルと一緒に居てくれるドナルド神[ぴかぴか(新しい)]ってなる。てか、一回ラストまで観ると、このボーイズたちへの感情移入が出来上がっていて、マイケルに自分が同化しちゃってる部分がある。なので、ちょうどいい距離感で側に居てくれるドナルドは、もうそれだけで愛しいんだと思う。
そういう意味で、エモリー(浅利陽介)にもウザさを感じないし、彼女がオネエ語を隠さなくなるポイントもハッキリと分かって、ああ、最初にアラン(大谷亮平)の方がケンカ売ってるんだな~と納得。初回では、マイケルに感情移入はしていないながら、主役であるマイケルの立場に立って観ていたので、アランにバレないようにしなきゃならないのに、非協力的だなーと、非難の目で見てしまったんだなと思う。
エモリーたちが登場すると、一気に情報過多になるが、そこも、後の情報を知っていると、さらに興味深い。
ラリー(太田基裕)は、ドナルドと、一度サウナで愛を交わしたことがあるが、その時は、会話もなく名乗りもしていないので、会った瞬間、二人同時に固まる。それはつまり、お互い、かなり気になっていたということなのだろう。そのラリーの様子に、恋人のハンク(川久保拓司)はすぐに気づき、態度を硬化させる。ここからハンクとラリーは、ずっとギクシャクしている。だからこそ、告白からのラブラブ展開が感動的なんだな~[黒ハート]
アランが登場した時、異質物の来訪に、全員が緊張する中、いち早くウェルカムな姿勢を取ったハンクは、ひとつには、自分ならアランと違和感なく会話ができるだろうという大人の判断、もうひとつには、ラリーとドナルドへの当てつけという子供っぽい嫉妬心があったんじゃないかな。
ここからラリーは、遠慮を捨てて、けっこう長い時間、ドナルドと飲みながら会話を楽しんでいる。間にカウンターを挟んでいるのは、これ以上の深入りをしない、という意思表示かもしれない。恋人がいても、セックスの相手は自由に選びたいと考えているラリーにとっては、貞節を示すためには、「知り合いには手を出さない」ことが重要なのかもしれない。それでも、見つめ合い、緩やかに時を過ごそうとするのは、よっぽど「タイプ」なんだろうな、性的な意味だけでなく。
バーナードは、登場した時から、ちゃんとセリフを聞いていると、彼が黒人であることを示唆するセリフがたくさん出てくる。でも、それらのセリフより、渡部豪太である視覚情報の方が強かったんだな~[あせあせ(飛び散る汗)]もちろん、「俺は黒人だから」なんてセリフ、普通出てこないし、(アメリカの劇場なら見ればわかる)示唆するセリフで気づくべきだったんだろうが、初見では難しい。翻訳劇ならではの難しさを強く感じる。


アランは謎多き人物だ。
NYに来るなりマイケルに電話を入れ、泣きながら会いたいと言う。そのあとまた電話がかかってきて、明日の約束を取りつける。が、実は、その電話は下の公衆電話からかけていて、その後、マイケルの部屋に現れる。そこでパーティーが開催されていることを知っていながら。しかも、彼はタキシードを着ている。行かなくてはならない場所があるから、その前に少しだけ会いたかった、と言う。でも、マイケルが勧めると、断らずに酒を何杯も飲む。行かなくていいのかよ。いや、そもそもパーティーなんてあったの[exclamation&question]
アランは、マイケルの大学時代の友人だ。大学はカトリック系で、マイケルは、もう一人の友人、ジャスティン(男性)から、当時、自分がアランを好きだったこと、酒に酔って関係を持ったこと(事実かどうかは不明)を聞かされている。アランは、その時まで、ジャスティンのことをめちゃくちゃ褒めていたらしい。今回も、初対面のハンクを(それ以外のメンバーが彼に敵意むき出しだったから無理もないが)めちゃくちゃ褒めている。
無自覚に男に惚れやすい人なのかもしれない。
マイケルとアランは、アランがNYに来る時には会っているようで、マイケルは、大学時代にはゲイであることを自身で認めていなかったこともあり、今でもアランにはカミングアウトしていない。
アランは、ゲイに対して、当時としては当然かもしれないが、偏見がある。それはホモフォビアとも見える。
そんなアランに対して、マイケルは、お前は本当はゲイで、ジャスティンが好きだったんだろう[exclamation&question]と決めつけ、彼に電話して告白するように強要する。アランは自宅に電話して、妻に愛していると告げ、パーティーを辞するのだが、彼の来訪は、いったいなんだったのだろう[exclamation&question]
演劇的には、ある集団の中に闖入者が一人入ることで、集団が見て見ぬふりをしている欺瞞が明らかになっていく…というスタイルの芝居は、よく行われており、これもそのスタイルの演劇ということができる。
でも、芝居の最後、マイケルとドナルドだけになった時、ドナルドがイミシンなことを言う。彼は何のために来たんだろう、なぜ、もっと早く帰らなかったんだろう、と。
私たちは、この演劇の中で、結婚し、二人の子供に恵まれ、なのに40歳を過ぎて、突然ゲイに目覚めたハンクの物語を聞かされている。アランがそうであった可能性は否めない。彼は、マイケルのセクシャリティには既に気がついていて、マイケルの友情を愛だと思い込んでいたのかもしれない。
そして今夜は、マイケルのゲイ友の前に華々しくデビューするつもりで、タキシードでやってきたとか。けれど、そこに彼の居場所はなかった。彼が想像していた男同士の崇高な世界はなかった。彼が求めていたのは、ゲイ仲間じゃなくてホモソーシャルな場所だったのかもしれない。そして、アランは、自分が非情にも捨て去ろうとしていた世界に帰る決心をする。
でも、その最後のキッカケは、ジャスティンのことかも。アランは、ジャスティンじゃなく、ずっとマイケルが好きだったのに、ジャスティンのことを誤解して、それを自分への攻撃材料に使ってくるマイケルにショックを受けたのかも。あと、来た時から、アランはマイケルをミッキーと呼んでいて、それをやめてくれ、って言われたのも地味にショックだった気がする。だって何十年もそう呼んできたと思うし。自分だけに許された呼び方だって信じていても不思議じゃない。なのに…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]


こんなふうにアランについて深く考える(ほぼ妄想)ことができたのも、2回目の観劇ならでは…だったが、ラリーとハンクについても、2回目ならではの感想が出た。
ラリーの考え方って、すごく21世紀的なんじゃないかな。もちろん出会ってすぐ関係を持つことの感染症的な危険性についての認知は、さすが1968年で、その辺は、脇が甘いなって思うけれども。(当時は肝炎くらいかな。エモリーのセリフにありましたね。)
でも、パートナーがいたとしても、性の自己決定権は留保していいっていうのは、21世紀的だ。
「キミのことは愛してる。だけど、今夜僕と寝たいと言われても、僕が今夜キミと寝るかどうかは、ボクにも選ぶ権利があるよ」
こんなふうに言い表せば、ラリーの考え方は、現代人にも理解されやすいかも。現実的には、僕が今夜キミと寝るかどうか、というよりは、僕が今夜誰と寝るか、なので、たぶん納得性は低いけど。でも、まあ、パートナー間で貞節が重要視されるのは、そもそもは子供の父親を特定したいということに始まったのだから、生殖を目的としない性的関係においては、貞節は第一条件ではないとも言える。その辺は、男女の結婚を経験しているハンクの固定観念が二人のネックなのかな。
自信に溢れたハンター、ラリーは、それでもハンクをすごく愛していて、その心と体のギャップがラリーを魅力的に見せている。とはいえ、東京凱旋公演では、フリーなラリーくんがだいぶハンクにつかまっちゃったな~[揺れるハート]という印象も受けた。やはり、長い公演期間、情が移っちゃうのかな。
ハンクのヘアメイク、コクーンより老け気味でしたね。ラリーのせいで年取ってしまったのかしら[exclamation&question]


ハロルドが登場してからの深いテーマは、まだまだ受け止めきれなくて…もっともっとこの戯曲からは学ぶことがたくさんあると思った。ハロルドがマイケルを諭す場面は、痛さが倍増。毎日、こんなん言われてる安田顕氏、大丈夫かしら[exclamation&question]自分が言われているんじゃないと分かっていてもつらひ…[もうやだ~(悲しい顔)]
「十二人の怒れる男」は、「ボーイズ…」を遡ること10年以上前の作品だが、互いを知らない12人の男たちの、それでも各々の人間性の根幹にかかわる激しいセリフの応酬は、本作に似ている。それを狭いゲイ社会の9人のゲイたちに仮託したような、そんなワンシチュエーション劇だった。
「十二人…」は、毎年どっかで上演されている人気作なので、「ボーイズ…」もそんな作品になればいいな~と思う。絶対観て損はない戯曲。


それにしても、力のある作品に体当たりした出演者の皆様、本当にお疲れさまでした[黒ハート]


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気持ちが再燃! [┣本・映画・テレビその他エンタメ紹介]

「刀剣乱舞」にハマった影響で、数年ぶりに鍋機運が高まる…[グッド(上向き矢印)][グッド(上向き矢印)][グッド(上向き矢印)]
「戦国炒飯TV」もスタートしたしね…



戦国鍋TV 令和の乱 Blu-ray BOX(戦国鍋TV~なんとなく栄光と伝説への旅立ち~Blu-ray BOX廉価版)

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  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2020/08/26
  • メディア: Blu-ray



買っちゃおうかな[揺れるハート]
本日発売だそうです。


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宝塚星組東京公演「眩耀の谷/Ray」観劇 [┣宝塚観劇]

幻想歌舞録
「眩耀の谷~舞い降りた新星~」


作・演出・振付:謝珠栄
作曲・編曲:玉麻尚一、小澤時史
録音音楽指揮:御崎惠
振付:平澤智
中国武術指導:陳静
殺陣:渥美博
装置:國包洋子
衣装:加藤真美
照明:勝柴次朗
音響:大坪正仁
小道具:太田遼
歌唱指導:西野誠
映像:九頭竜ちあき
演出補:野口幸作
演出助手:菅谷元
舞台進行:香取克英


星組新トップコンビのお披露目公演ー
実は、3公演当たってホクホクしていたところ、開幕直後の公演中止に伴い、2公演が飛んでしまった。21日から再開しなかったらどうしよう…と気もそぞろだったが、最後の1枚無駄にならなかった。
ありがとうございます[黒ハート]


席は、やや上手の1F旧A席最前列。
通常なら、客席降り場面でおいしい思いをできる場所だ…と思うと、切ない[もうやだ~(悲しい顔)]


再開後の感想を友人たちから聞いていたので、再開への思い入れで泣いてしまう…などということはなかった。
今回は、お披露目公演なので、開演アナウンスの「礼真琴です」のあとに拍手をしたが、生オケではないからか、「開演します」の後の拍手はなかった。すぐにくらっち(有沙瞳)にスポットが当たる演出のせいかもしれない。もはや、トップスターの名乗りの後の拍手は不可逆で、劇団も諦めたってことなのかな[ふらふら]
これも時世時節ということか…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]


さて、オケがない違和感を、ここまで強く感じたのは意外だった。
全国ツアー公演をはじめ、外箱公演は録音だからだ。
プロローグの場面で、この日、ブン族※の女(歌手)役のなっちゃん(白妙なつ)のマイクトラブルがあり、美声がしばらく聞こえなかった。こういう時、生オケだと、声が届くように一部の楽器の演奏をやめ、声が聞こえるように配慮してマイクの回復を待つ。前回星組の新人公演でその現場を見ていただけに、違いが際立ったのかもしれない。もっとも、このシーンは、二胡を使った中国的な音楽が使われていたので、生オケだったとしても、その部分は録音だったかもしれないが。
※汶(さんずいに「文」)は環境依存文字なので、スマホからは欠字になってしまう可能性があることから、本記事では、すべて「ブン族」と表記します。


中国の周時代の物語。
宣王(華形ひかる)の時代なので、紀元前800年…というから、今から2800年前[exclamation×2]宝塚が取り扱う作品の中でも、最古に近い物語といえるかもしれない。(「虞美人」の時代が、紀元前200年頃なので、それよりさらに古い。)
主人公、丹礼真(礼真琴)は、亜里の砦で指揮を執る管武将軍(愛月ひかる)の下、「眩耀の谷」服属のため、偵察の任務につく。眩耀の谷を探すうち、礼真は、不思議な男(瀬央ゆりあ)に出会う。
その男の導きで、礼真は眩耀の谷に到着できたのだが、ここに住むブン族の人々に捕われ、彼らと話すうち、自分の信じてきたこととまるで違う彼らの話に驚く。周は、眩耀の谷にある黄金と彼ら秘伝の薬を奪うために、眩耀の谷の隷属を狙っているというのだ。そして礼真は、ブン族の王の妹、瞳花(舞空瞳)と出会う。盲目の瞳花は、菅武将軍の妾となり、子を産んでいた。子供に会いたいと言う瞳花を助けるうち、礼真の心は次第に変化していくー


2007年の「MAHOROBA」以来の謝先生の作・演出作品。
あの作品は、和もののショーだったから、演劇作品としては初と言ってもいいかもしれない。
礼真琴・舞空瞳コンビのお披露目公演であり、愛月ひかるの星組大劇場デビューであり、華形ひかるのサヨナラ公演であり…と、それでなくても星組として重要な舞台だったが、さらに、新型コロナウィルス感染症対策で閉鎖を余儀なくされた東京宝塚劇場の再開公演という位置づけも加わった。
圧倒的な国力で、小さな谷に住む少数民族に迫る大国。その少数民族の新たなリーダーとして、礼真が下した決断に腰を抜かした。ちょっと待て[exclamation×2]
谷先生だったら、ここで皆殺しだろ~(byEL DORADO)と思ったが、女性作家ならではの脚本かもしれないな。(戦って全滅するより、逃げて生き残ろう!的な…)
とはいえ、礼真と管武将軍の対決シーンがなかったのは、非常に残念。お披露目公演だし、最終的に全員が生き残る結末だったとしても、そういう場面をうまく入れ込むことはできなかったのだろうか。上級生2番手って、それくらい気を遣われてよいポジションだと思うぞ[exclamation×2](by太王四神記)
そして、新トップコンビのお披露目だというのに、恋愛らしきシーンが皆無で、最後の最後に結婚したと後日談を語られても…[爆弾]なあたり、謝先生は、お披露目公演にも、サヨナラ公演にも、組替え後大劇場初2番手にも、あんまり配慮する気はなかったのかな…と思ってしまう。
先生、これ、宝塚だよ[exclamation&question]
と言いつつ、真ん中以外のところは、わりと満足できる配慮ぶりだった。
この配分、謝先生の在団中(1971-75)の宝塚っぽいのかもな…と思ってみたり。大昔の宝塚は、今みたいにトップコンビと2番手に偏重した演劇ではなく、脇役の活躍場面がたくさんあり、路線とか関係なくたくさんのスターがいた。最終ゴールがトップスターと思って入団する人はほとんどいなかったんじゃないかな。トップの在任期間も長かったし。(鳳蘭さんとか10年位トップやってたし。)


主役の礼真琴は、可愛くてかっこよくて、歌よしアクションよし、不安の見当たらないお披露目公演。
相手役の舞空瞳は、相手役的な境遇でもなく、芸名が瞳で役名が瞳花にもかかわらず盲目の役だったりするし、しかも妾で5歳の子供がいるとか、めちゃくちゃ難しい役どころ。まあ中途半端な役よりは、入り込みやすいかもしれない。ラストのとの並びの美しさにトップコンビ感が出ていた。
管武将軍役の愛月ひかるは、堂々たる美丈夫。戦いが回避されたため、大詰のシーンに出番がなく、尻切れトンボな印象。瞳花は管武に見初められ、妾になったと語られるが、瞳花との場面がないため、恋愛方面の見どころもない。ないない尽くしの中で、印象を残しているが、ちょっと気の毒。
宣王役の華形ひかるは、愚鈍な王を印象的に演じた。出番は多くないし、ちっともいい王様に描かれていないけど、なぜ、愚鈍な王になってしまったのか、なぜ酒に溺れているのか、伝わる役作りをしている。最後の最後まで、誠実に役と向き合うスターだったな~と思う。ファンのことをたくさん考えてくれたスターだけに、最後にお茶会がなかったのは、とても残念な気がする。
春崇役の有沙瞳語り部としての凛とした姿、とても、美しかった。居方が別格的に素晴らしくて、新体制の星組に彼女の居場所はあるのかしら[exclamation&question]と不安になるくらい。どうか、これからも有沙瞳のためによき役を…と願うばかり。
謎の男役の瀬央ゆりあは、常に一人で登場するおいしい役。同期のとの二人の場面も多く、しっかり新体制下での自身の存在感を示した。
宣王の巫女、敏麗役の音波みのり美しくて、残酷で、巫女(しかも悪女)にはピッタリ。妹の瑛琳(小桜ほのか)は宣王の妾妃で、なぜか姉妹でバチバチしている。美女二人のバチバチ、堪能しました[黒ハート]
礼真の部下、慶梁役の天寿光希と百央役の大輝真琴手堅い。特に天寿については、久々の黒い天寿が観られて、うれしかった。
その他、若手はほぼ眩耀の谷のブン族に固まっていたが、ひろ香祐が手堅く、綺城ひか理、天華えまの二人が突出して魅力を発揮していた。綺城は、化粧の地色が少し浮いていて、組替えってこういうことだよね…と思う。でも、かっこよかったけど。天華は久々に美貌がさく裂していた。
礼真を導く、神の使いとして踊った水乃ゆりの美しさも特筆したい。
アルマ(夢妃杏瑠)とテイジ(天飛華音)の悲劇のきょうだいが、役としてはおいしく、印象に残った。
あいかわらず、輝咲玲央(礼真の父役)のヒゲがダンディすぎて、星組観たな~という感じ。
作品としては、名作、万歳[exclamation]というものではないけど、組子たちが、ちゃんと活躍できる舞台になっていたので、よかったと思う。


Show Stars
「Ray-星の光線ー」


作・演出:中村一徳
作曲・編曲:竹内一宏、甲斐正人、青木朝子、竹内聡
録音音楽指揮:橋本和則
振付:御織ゆみ乃、平澤智、KAZUMI-BOY、Bryant Baldwin、西川卓
装置:関谷敏昭
衣装:加藤真美
照明:勝柴次朗
音響:切江勝
小道具:加藤侑子
歌唱指導:彩華千鶴
映像:Jajin Chung(EPITAPH.Corp)
演出助手:生駒怜子、中村真央
舞台進行:香取克英


ショーの感想は、一度だけの観劇ではとっても無理…[バッド(下向き矢印)]
なので、千秋楽のライビュの方に、しっかりと書きたいと思う。ここでは印象だけを。
まあ、とにかく、中村B先生らしいショーでしたー[黒ハート]
第一章が宇宙の誕生というテーマだったそうだけど、あまり、それっぽい感じじゃなくスタイリッシュな雰囲気なのはよかった。冒頭から、礼真琴が聴かせる。
第二章は、瀬央ゆりあメインの場面で、プログラムのスチール位置といい、単独3番手として、ショーでも重要なポジションを獲得した感じ。
第三章は、天寿光希音波みのりを中心とした場面から始まり、同期のベテラン芸に感動[揺れるハート]トップコンビを中心とした群舞が素晴らしい。
第四章でようやく、愛月ひかるがメインの場面。星組、こんなにスタイリッシュだったっけ[exclamation&question]と思う。皆さん、かっこいい[揺れるハート]花組から来た綺城ひか理は、やっぱりスーツが似合う。
第五章で中詰。次々に歌い継ぐので目がいくつあっても足りない。ロケットは人数が少なくて寂しかった。全ツレベルだもの…。
第六章のオリンピアの場面は、本当ならこれから始まるオリンピックに向けてのシーンだったんだろうな。東京公演が5月までだったから。まあ、一応、今でも「これからオリンピックをやる」体ではある。
第七章フィナーレは、男役群舞に華形ひかるを入れてほしかったな。黒燕尾だし。デュエットダンスのカゲソロ、音咲いつきが素晴らしかった。
何はともあれ、新生星組、おめでとうございます[exclamation×2]色々あったけど、作品的によき船出だったと思います[黒ハート]


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健康診断 [┣会社]

コロナ禍の中でも健康診断は行われる。
会社は、最低でも年1回の健康診断を行うことが義務付けられている。(労働安全衛生法)


とはいえ3密を避けるため、受診者数を制限することになったらしい。
なんと、時間帯ごとの整理券を配り、配布終了したらおしまい…という暴挙が行われることに…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]
体重や血液検査への影響を考えて、健康診断に行く時は、前日夜から絶食してるんだよ~[爆弾]
それで整理券配布終了となったら…考えただけで立ち直れない…


ランチを普通に食べたいので、午前中の受診を常としていたが、人気の午前中は、朝8時半には整理券配布が終わってしまうと聞き、午後にした。とはいえ、朝昼抜いて午後に健康診断して、夜まで食べなかったら倒れる…と思い、自分のお休み日に健康診断出社し、終了後、帰り道にあるお店で遅いランチをとった。


こんな変則的なこと、今回限りになりますように。
もっと気楽に健康診断受けられる体質ならいいのにね[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]
(血圧も心電図も緊張してうまくいかず…[爆弾]


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人は自分の見たいものを見る [┗エンタメへの想いとか薀蓄とか]

新型コロナウィルスの感染拡大により、あらゆる場所でクラスターが起きている。そして、現状の事実だけに目を向けると…


パチンコ屋では、クラスターは起きてない。
満員電車でクラスターが起きたという話はない。
感染拡大に最大限配慮しても、劇場でクラスターは起きてしまう。そして、配慮すればするほど、クラスター発生の危険は、舞台関係者側に限定される。


感染リスクを語る時、つい思い入れも込みで語ってしまう。
仕事以外に趣味のない人は、「2.5次元の舞台に何度も遠征したりするから感染するのだ」とか言ってみたり。
満員電車が嫌いな人は、「土日の渋谷の人出を言うなら、平日の山手線の混雑はどうなの[exclamation&question]」と言ってみたり。
同じ業界なのに、「こっちが一生懸命感染対策して準備してるのに、ハンパな公演しやがって…」と、クラスターが出た公演を罵倒した伝統芸能の関係者もいた。
でも、実際のところ、伝統芸能関係者からも感染者が出て、もちろん対策は大事だけど、対策しても絶対大丈夫ではないということがわかった。宝塚など、対策に対策を重ねていたのに、10人を超える感染者を出し、クラスター認定される事態となった。


私の愛する宝塚が、第一報で、「私の嫌いなタイプの演劇」と評した舞台と同じ、“クラスターを出した演劇”枠になってしまったのだ。


個人の思い入れや、対策の実施状況、ファン対策状況…クラスターは、そんなのお構いなしに、襲ってくるんだなーと、実感したこの数か月だった。
コロナ対策論とか言って、自分の気に入らないタイプの演劇批判していただけなんじゃないか…と、最初の記事について、深く反省した。あの時は、そうとしか思えなかったが、結果は間違っていた。
あの記事にコメントをくださったトキカ様から、コメントの記事への転載の許可もいただけたので、もう一度、「人狼ゲーム」の舞台について、ちゃんと語りたいと思う。


件の舞台が批判を浴びた後、出演していた俳優の一人が、匿名ながらマスコミの取材に応じた。
これによると、この公演は、冒頭の30分だけ台本があり、残りの60分については、「人狼ゲーム」の設定に基づく即興劇だったという。


「人狼ゲーム」そのものについては、私はやったことがないので、コメントをくださったトキカ様による説明をご覧ください。


この舞台は「汝は人狼なりや?(通称・人狼ゲーム)」※1と呼ばれるパーティゲームをベースにした内容だと思います。
人狼ゲームを下敷きにした舞台は別の主催も長年にわたって定期的に行っていて※2、そちらの方の公式サイトには「台本はオープニング以外なし」との記載があります(それがどこまで本当なのかは一観客には分かりかねますが)。
人狼ゲーム自体はマイナーながら根強いファンがいて、上記の舞台だけでなく、声優がプレイしている模様がDVDのシリーズになっていたり※3、動画サイトで人狼ゲームのプレイ中の様子がリアルタイムで配信されたりしています。
ご存知かも知れませんが、人狼ゲームは各参加者が「その場で与えられた役を演じる」いわゆるロールプレイングの要素が強いゲームなので、演劇との親和性が高い部分があります。 「誰が人間のふりをした人狼か」をみんなで探し当てるという推理と議論と説得がゲームの主目的なので、「人狼」役を与えられたプレイヤーは「人間」を演じなければいけません。
また、実際のゲームでも参加者ではない「観戦者」という存在が認められていて、オンラインセッションなどでは上級者のプレイングを観て観戦者が配役を考察したり技術を見て学んだりするところも、演劇の「観客」という存在に近いように思います。
仮にゲーム参加者がまったく同じでも、与えられる配役によって展開は無数に分岐するので、そこがゲームとしての面白さであり、根強く支持されている理由ではないかと感じます。
ゲームとしての骨格はパーティゲーム(対面式)でもオンラインゲームでも舞台でも同じですので、それが舞台で行われる場合、ゲームのルールにのっとった即興劇というジャンルにあたるのでしょうか。


※注釈(下記)、改行、強調(太字&赤字)、漢字/かな変換は、夜野が行っています。
※1 アメリカのゲームメーカーLooney Labs.により2001年に発売された会話と推理を中心としたパーティーゲーム。他のメーカーが発売したもの、日本のゲームメーカーによるネット上のものも含め、総称して「人狼ゲーム」と呼ばれる。
※2 「人狼 ザ・ライブプレイングシアター(TLPT)」は、2012年から公演を行っている。この舞台では、脚本はオープニング以外まったくない。2020年8月にも公演が行われる予定だったが、中止となった。
※3 AmazonでもDVDの取扱があるみたいなので、ご紹介しておきます。



声優イベントDVD企画 人狼バトル lies and the truth 2020 FEBRUARY~人狼VSプリズナー~

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  • 出版社/メーカー: マリン・エンタテインメント
  • 発売日: 2020/08/26
  • メディア: DVD



以下、トキカ様からの今回の舞台「THE★JINRO」(6/30~7/5 シアターモリエール)についていただいたコメントを紹介します。トキカ様は、今回の舞台をご覧になっていないため、私の書いた記事をご覧になっての感想となります。


今回の舞台を観ていない私は推測でしか申し上げられませんが、もしかしたら根強い人狼ゲームファンの需要を多少なりとも期待していたのでは、と思いました。
(中略)人狼ゲームをベースにしたアドリブ前提の演劇が2012年から脈々と続いているということ、恐らく商業として成立する程度には人気があること、をお伝えしたいと思い勝手なことを長々と申し上げてしまいました。
夜野さんのような熱心で献身的な演劇ファンにとっては、
> 大枠演劇でありつつ、実は、アイドル運動大会のようなゲーム大会
と思われてしまうのも、当然のことだとは思いますが……。 (後略)
(以下、別日のコメント)私事になりますが、私はもともと観劇とはまったく別の入り口で人狼ゲームを趣味にするようになりました。
そこから人狼ゲームをモチーフにした小説、漫画、舞台(件の舞台です←2012年からの方<夜野註>)も見つけるたびに触れてきたのですが、結局「実際にゲームをプレイするorゲームを観戦する方が面白い」という結論に達したゆるいプレイヤーです。
(中略)人狼ゲームのプレイヤーは、「人狼」という単語を使ったタイトルでは「=人狼ゲーム」と連想する人が少なくないと思うので、今回の騒動で「イケメン人狼(笑)」というようにタイトルだけが独り歩きした扱いになったのは一プレイヤーとして正直切ない気持ちになってしまいました。 私も実は、舞台の日替わり要素はあまり好みではなかったりします。 (後略)


※改行、強調(太字&赤字)は、夜野が行っています。
私が、一演劇ファンとして感じた、イヤな思いに対して、トキカ様は、人狼ゲームファンとして切ない思いを抱かれたのですね。
こういう舞台だから、クラスターを出してしまうんだという論調でさえあったのですから、当時は本当に人狼ゲームファンの皆様に酷いことを書いてしまったのだなーと、改めて、今、自分の心ない文章を恥じています。
「人狼TLPT」、私自身は観ていないのですが、推しの一人である三上俊が何度も出演しており、それを一度も観劇していないのは、ファンとしてどうなのよ[exclamation&question]と、自分の不徳の致すところにも恥じ入るばかりです。


この「人狼TLPT」は、2020年6月公演(6/23~28)を無観客ライブ配信公演としており、長年、この作品にかかわってきた主催者としては、この時期にこの作品を上演することのリスクを強く感じていたのだろうと思う。
ほぼ同じ時期に公演を強行した「THE★JINRO」は、先輩が培ってきた作品に対する思いを、結果的に踏みにじってしまったんだ…とあらためて知った。あくまで、「結果的に」だけれど。


そんな「THE★JINRO」のHPを、あらためてよ~く読み込んでみると、企画プロデュースの有村崑氏のコメントはこう書かれている。


イケメンアイドルたちが、歌って踊る、新感覚の全く新しい「スペクタクル人狼エンターテイメント」を企画しました。

「人狼ゲーム」と同じように舞台が進行するので、毎回違う物語が楽しめます。

さらに、観客の推しによりキャストが有利になったり追放されたりするといった特別な仕掛けや、日替わりで特別ゲストが参加します!

騙し騙され、真剣にプレイするアイドルたちを是非とも応援しに来てください!


※強調(赤字&拡大)は、夜野が行っています。
「人狼ゲーム」と同じように…ということは、これは「人狼ゲーム」そのものではなく、ゲーム自体もアレンジされた舞台だったということかな。「人狼TLPT」にも、様々なバリエーションがあり、背景やあらすじが少しずつ変わる。しかし、基本のゲーム部分は変えていない。
つまり、「THE★JINRO」は、人狼ゲームとギリギリ呼べるかな…というモドキゲームだったのかもしれない。
そして、「観客の推しによりキャストが有利になったり追放(人狼ゲームにおける“処刑”に相当)されたりする」ことになっていたらしく、これが、私としては、好きじゃない最大のポイントなわけです。
どんなふうに「推し」たら、好きなキャストが有利になったのか、観劇していない私にはわからないけど…投票とかなのでしょうか[exclamation&question](「人狼TLPT」では、人狼が誰かを観客が当てる投票があるそうだが、それはまっとうな気がする。)
物語は、昼⇒夜⇒昼⇒夜と展開していき、そこで一人ずつプレイヤーが消えていく。2時間半ほどのステージだったそうだが、最初の昼に消えるのと、最後まで残るのとでは、推しを堪能できる時間はおおいに違う。推しを残すためには、客席側でも策をめぐらす必要があるかもしれない。エグいな…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]
(そう思うのは、某有名放送作家が企画したホストもの舞台の、苛烈なファン事情を記した“note”を読んだ経験があるからかも…[exclamation&question]
ただ、これらの「演劇としてエグいな[爆弾]」という感想は、コロナ対策とは分けて考えるべきで、主催者側の経緯報告(こちらです)によると、単に不幸な条件が重なったことにより、クラスターが発生してしまったと考えられる。(舞台からの飛沫を浴びそうな席の観客にフェイスシールドを断られた、というところに、イケメンアイドル出演舞台の闇はありそうだけれど…)


こういう舞台だから感染が広がったんだ…みたいな偏見は慎むべきですね。
人は自分の見たいものを見るのだということを、あらためて考え、反省した出来事だった。


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DSライブ配信詳細決定! [┣宝塚情報]

先日、無観客配信として実施されることが決まったディナーショーの配信日程が決まった。


轟悠ディナーショー『Yu, Sparkling Days』
2020年9月13日(日)19:45~20:45(予定)
「Rakuten TV」および「U-NEXT」にて配信
<視聴料>3,000円(税込)
<販売期間>9月1日(火)10:00~9月13日(日)18:45

真彩希帆ミュージック・サロン『La Voile』
2020年9月7日(月)13:45~14:45(予定)
「Rakuten TV」および「U-NEXT」にて配信
<視聴料>3,000円(税込)
<販売期間>8月25日(火)10:00~9月7日(月)12:45
2020年9月7日(月)19:45~20:45(予定)
「Rakuten TV」および「U-NEXT」にて配信
<視聴料>3,000円(税込)
<販売期間>8月25日(火)10:00~9月7日(月)18:45

彩凪翔ディナーショー『Sho-W!』
2020年10月20日(火) 13:45~14:45(予定)
「Rakuten TV」および「U-NEXT」にて配信
<視聴料>3,000円(税込)
<販売期間>10月6日(火)10:00~10月20日(火)12:45
2020年10月20日(火)19:45~20:45(予定)
「Rakuten TV」および「U-NEXT」にて配信
<視聴料>3,000円(税込)
<販売期間>10月6日(火)10:00~10月20日(火)18:45 詳細はこちら

※いずれのサービスでも見逃し配信は予定しておりません。
<ライブ配信に関するお問い合わせ> 
【Rakuten TV】 Rakuten TV カスタマーサポートセンタ- TEL:050-3786-7670
URL:https://tv.faq.rakuten.net/detail/000001647
【U-NEXT】 URL:https://support.unext.jp/inquiry


※公式HP記載の記事を読みやすく整理して一覧化しました。
配信のDS、MSは初体験なので、どうやって楽しもうか、悩むところです。やはり、ディナーを用意すべきでしょうか[exclamation&question]


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