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崩壊シリーズ「派ーホウコソガセイギー」観劇 [┣演劇]

崩壊シリーズ
「派ーホウコソガセイギー」


作・演出:オークラ
美術:小林奈月
照明:松田かおる
音響:中島正人
衣裳:クリエイティブ・ギルド
ヘアメイク:伊藤こず恵
演出助手: 菅田恵子
舞台監督:金安凌平
舞台製作:クリエイティブ・アート・スィンク 加賀谷吉之輔
宣伝美術:山下浩介
宣伝写真:神ノ川智早
宣伝衣裳:ゴウダアツコ
宣伝ヘアメイク:伊藤こず恵
宣伝:石橋千尋、前木理花
票券:河野英明、鈴木彩里衣
制作:三浦奏子、七字紗衣、金子実加
プロデューサー:吉池ゆづる、江口剛史
企画・製作: エイベックス・エンタテインメント シーエイティプロデュース


シリーズ第三弾は、もはや、イギリス発のドタバタコメディの雰囲気は一掃され、ものすごくドメスティックな舞台となっていた。
パート1・2のお約束の一部が破棄され、2・3でのお約束も生まれ、シリーズ化の準備は整ったといえる。ひとつ問題があるとしたら、今回、崩壊度合が少なかったところ。やはり、シリーズタイトルが「崩壊」なのだから、物語は大団円に終わっても、舞台は「崩壊」してほしい。
今回は、屋台崩しまで行っていないところに不満。
ドリフ世代だからだろうか[exclamation&question]


荻窪遊々演劇社は、劇団員や動員の減少により崩壊の危機を迎えていた。
そこで、小劇場界の新進気鋭の作家、志戸(松島庄太)に脚本を依頼、明治時代を舞台に夫殺しの疑惑をかけられた女をめぐる裁判劇「ホウコソガセイギ」を上演することになった。しかも、ヒロイン・ワコ役には、地下アイドル出身の桜(前島亜美)を起用し、ファンの動員を狙った。
しかし、初日、相変わらず、座長(山崎樹範)の妻で舞台監督兼大道具担当の杏里(上地春奈)の建て込みは、微妙な出来。残った劇団員、出水(梶原善)は孫へのプレゼントを渡すために早退を希望しているし、照明・音響係の鳥場(伊藤裕一)は、なぜかめっちゃ機嫌が悪いし、音響装置は音飛びが激しい。
ヒロインの桜と、その不倫相手を演じる阿嵐(安西慎太郎)は、演技以前の状態な上に、阿嵐は桜に言い寄っている。こんな状態なのに、杏里は、今日の舞台が出演者・観客の誰もが満足できるものでなかったら、あなたには才能がないのだから、芝居をやめて家族の幸せを考える生活を始めてほしいと言い出す。


杏里の発言の真意は、妊娠が発覚し、将来への漠然とした不安からのもの。シリーズは、恋愛⇒結婚⇒妊娠…と、順に進んでいるようだ。次は出産だね、きっと[るんるん]
座長一家の幸せは、お祈りしたいものの…崩壊シリーズファンとしては、やはり大胆な崩壊シーンは、お願いしたい。今回は、その分、上演舞台タイトル「ホウコソガセイギ」パネル(一文字ずつ窓枠にはまる構造)が何度も崩壊し、それを修復しながらはめ直すことで、色々な言葉が現れるという展開が面白かったので、最後まで、センターの背景を崩せなかった…ということもあるかもしれない。

それにしても、地下アイドル役の前島の演技は、すごかった。
マジでああいう芝居をする人なのかも[exclamation&question]と思ってしまったほど。アイドルデフォルメというよりは、メイドカフェのメイドさん的キャラという感じではあるけど、アイドルであることの闇が痛々しく伝わり、それがちゃんと喜劇の中に融和していた。


あと、「派」というテーマの中、登場人物が様々な「派」に属しているのが面白かった。
最大派閥が、正義少女ワカコ派だろうか。(そういうタイトルだったっけ[exclamation&question]
鳥場がワカコオタだったのには笑ったが、独身男性なのに、ワカコの主題歌をがっつり歌える城山(大木洋介)、孫が好きで…と言っているが、出水もけっこうノリノリだったし、桜も最終話のセリフを完璧に覚えているあたり…おそるべしワカコ[exclamation×2]
阿蘭は桜オタで、そこから「繋がり」を持とうとする能動的なファン。実際に桜と付き合っている志戸も実は桜オタ…という構造も面白かった。


今回も座長の山崎が汗びっしょりで熱演。
アクシデントが起きるたびに、客席に説明し、取り繕う姿に泣き笑い。(どう考えたって、なんか起きたな…と気づかれてるはずなのに、それでも取り繕おうとする心映えがいじらしい…[黒ハート]
レギュラーだった彩吹が不出演だったのは残念だが、あ…もしかして、崩壊のレベルがイマイチだったのは、杏里の嫉妬(杏里は、彩吹真央演じる愛と座長の栗須の関係に嫉妬しまくり、それが舞台セットの大崩壊に繋がっていく…というのが、これまでの定番)がないため[exclamation&question]そこまで考えてる[exclamation&question]
今回は、妊娠初期の杏里のことを考えれば、仕方がない。
しかし、やはり、杏里の嫉妬とセット崩壊は楽しみのひとつ。どうか、次回は、里田愛ちゃんを復活させてください[黒ハート]


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