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朗読舞踊劇「阿国」観劇 [┣演劇]

朗読舞踊劇 Tales of Love
「阿国ーかぶく恋、夢の果てー」


上演台本:与田想
演出:中屋敷法仁


音楽監督:KOHKI
演奏:KOHKI、大河内淳矢、飯野和英
振付:花柳幸舞音
舞台監督:筒井昭善
照明:鈴木雅貴
フォロースポット操作:山田奈央子、中村佐紀
音響:高橋ミノル
衣裳:摩耶
衣裳進行:つちや紗更
舞踊衣裳:市川政栄
ヘアメイク:前川泰之
ヘアメイク進行:山本みずき
宣伝美術:阿部太一
演出助手:中島千尋
方言指導:野田るり(京都弁)
稽古場代役:田中廉、永田紗茅、原田理央
映像撮影:神之門隆広、荒木美結
票券:藤野沙耶
制作:傳川光留、和田小太郎、白井美優
制作助手:荒木美結、石井咲良
制作協力:ゴーチ・ブラザーズ


プロデューサー:新井勝久、堀尾美幸


劇中曲:大河内淳矢「八∞縁」より『朝露のワルツ』『狐ーYou know my name?』


主催:トリックスター・エンターテインメント/ぴあ
企画・制作:トリックスター・エンターテインメント


昨年9月、大空ゆうひ主演で行われた朗読舞踊劇「Tales of Love」のシリーズ第二弾になるらしい。
今回は、昨年退団した、元花組の瀬戸かずや、そして、つい先日退団した、元雪組の綾凰華がW主演かつ、役替わりで出雲阿国(女性)と三十郎(男性)を演じる趣向になっている。そして、阿国の恋人である名古屋山三役を、竹内栄治・土屋神葉・石谷春貴・高木渉の4人の声優陣が役替わりで上演する。
三人の人物に扮して日本舞踊を踊るのは、花柳幸舞音藤間涼太朗
ゆうひさんが出演した「お七ー最初で最後の恋ー」より、主演者も、一公演の朗読者も、舞踊者も、出演声優総数も、演奏者も、全部プラス1になっているのが面白い。第三弾では、どこまで成長するのだろうか。


物語は、出雲阿国が、遊び女から芸能者として目覚めていく物語を、彼女の恋を軸に描いていく。語り手として、阿国が拾った乞食の少年、三十郎の存在があり、この阿国と三十郎を日替わりで、瀬戸が演じるのが、今回の目玉。
残念ながら、私は、1公演しか観劇できなかったので、その公演の感想を語るしかないのだが、逆の配役も素晴らしかったそうだ。陰ながら応援してきたあやなちゃん()の外部での立派な姿に安心するとともに、現役中、わりとノーマークの存在だったあきら(瀬戸)にときめくなど、非常に有意義な公演だった。


(以下、私が観劇した際のキャストで話を進める。)
物語の語り部は、三十郎(瀬戸かずや)。幼い頃、華やかに踊る阿国(綾凰華)に惹かれ、そのあとをついて行ってしまい、以後、阿国に育てられた。その後、美貌を買われ、女装して「おきく」の名で舞台に立った。やがて、阿国は一座を立ち上げ、「ややこ踊り」で一世を風靡する。
ある日、招聘された武家の屋敷で、阿国は、名古屋山三郎(竹内栄治)と出会う。山三は、今流行りの「ややこ踊り」を器用に踊って見せ、一座の喝采をあびるが、自分が苦労して立ち上げた「ややこ踊り」をばかにされたようで、阿国は腹を立てた。そして、おきく(=三十郎)を相手役に、自分が男の姿になって、山三郎を模し、おきくに手を出す好色なおやじっぷりを発揮した踊りを披露する。
それを観た山三郎は、怒るどころか、ややこ踊りを踊って見せた自分の非礼を詫び、阿国は、そんな山三郎の潔さに胸を打たれる。以降、阿国は、山三郎の公私にわたる支援を受け、踊り手として充実期を迎える。
しかし、山三郎は、主君・森忠政の命により、家臣の井戸宇右衛門を殺害しようとして返り討ちに遭い、死んでしまう。その日から、阿国もまた、生ける屍となってしまったー


冒頭、語り始めた瀬戸の低音ボイスにあっけなく完落ち。
めっちゃいい声~[るんるん]そして、女性役としてのの声にも、ノックダウン[揺れるハート]
阿国は、芸能に携わる女性なので、その裏側では遊び女としての顔を持つ。が、踊りの魅力に取りつかれると、身を売ることをやめ、芸一筋で生きていこうと決意する。それは、男の庇護のもとで生きていくことをやめることでもある。まあ、だからこそ、恋に生きることもできるわけなのだが、その自立した女の力強さが、凜と伝わるええ声なのよ~[ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)]
男役の声でなく、でも、凜として美しく、阿国、いい女だな~と思わせる、素敵な女性役デビューだったと思う。


そんな阿国の心を表現する踊り…だが、本作では、前回の「お七」と違い、阿国が実際に演じる舞台も表現していて、それがちょっと気になった。
「お七」では、幸舞音さんが演じるのは、主人公・お七の心の中。だから、実体として表現する大空ゆうひと、内側を表現する花柳幸舞音という演じ分けが無理なく伝わってきた。
今回は、心情を表現するというのはもちろんありつつ、阿国の舞台姿も幸舞音さんが演じた。相手役で登場する涼太朗さんは、ステージ上では三十郎(おきく)、私生活では山三郎に扮して踊る。そのこと自体は、自然に受け入れられはしたが、伝説となった「出雲阿国」の「おどり」を「これです[exclamation]」と具現化されると、「なんだかな~」という気持ちになってしまった。
また、たぶんそれが、特に目新しくない普通の日本舞踊(もちろんうまい[ぴかぴか(新しい)])に見えたことも原因ではないか、と思った。このシリーズ、踊りの振付は幸舞音さんご自身がされているようだが、今回は、もっと歴史の古い作品でもあり、また、歌舞伎の始祖とも言われる出雲阿国なのだから、いろいろな歌舞音曲に造詣の深い方に振付をお願いするとか、最低でも踊り面での監修を誰かにお願いするみたいなことがあれば、ここまで独りよがりな舞台にはならなかったのではないか、と感じた。
なんとなく、踊り部分については、演出家の領域外にもなってそうで、その辺が気になるところだ。
涼太朗さんの色っぽいおきくの姿は、ドキドキ[揺れるハート]でした。


山三郎役は、この日一日限りの出演、竹内栄治さん。男気のある、武士らしい雰囲気で、彼の波乱万丈な人生を感じさせる。とてもステキでした[黒ハート]


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