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「DANCE OLYMPIA」感想 その2 [┣宝塚観劇]

柚香光のプレお披露目公演「DANCE OLYMPIA」、第1部の感想は、こちらです。


第2部は、ショー形式。
ただし、大劇場公演のショーとはだいぶ趣が違う。たった2週間の公演ゆえに、稲葉先生は、とんでもないステージを創り出した。正直、初見の時(2日目)は、こんな公演、やってもいいんだろうか[exclamation&question]とまで思った。
かれーくん、おめでとう[るんるん]的、のーてんきな気分で劇場に来て、第1部で、まんまと、にまにまへらへらした私は、第2部で、冷水をぶっかけられたような気持ちになった。こんなことやって、かれーくんが潰れたらどうしてくれるのー[むかっ(怒り)]とも思った。
座付演出家の、団員に対する、厚い信頼と、確かな判断あればこそ…だったのだろうか。2回目に観劇した時は、安心して観ることができたし、柚香光に対する尊敬の気持ちは、さらに強まった。
まあ、でも、もし、1回しか観ることがなかったとしたら、稲葉先生に対して、「かれーくんを潰そうとした」という印象を拭えなかっただろうし、そう考えると、かなりデンジャーなことしてくれたな[爆弾]というのは、間違いないと思う。
それと、もうひとつ気になったのは、会場での写真撮影。
2日目の時は、「開演中でなくても場内での写真撮影は禁止」ということを、ものすごくアナウンスしていて、実際、注意されていた人もいた。それが、10日以上経過した2回目の公演では、特にアナウンスもなく、撮影している人をスタッフもスルーしていた。同じ公演中に、こういう変更はまずいんじゃないかな…[爆弾]と思う。
(舞台に関するすべての権利は、宝塚歌劇団にあるので、貸ホールである国際フォーラムが、「DANCE OLYMPIA」の吊り物などの撮影を注意するのは当然のことで、博多座などでも同じことが行われている。宝塚ファンは、東京宝塚劇場でOKだから平気で撮影しているし、注意されたら鼻白むと思うけど。)


S1 Japanese Drums
音楽:高橋恵
振付:百花沙里
和太鼓指導:吉村靖弘
第II幕は、和のシーンから始まった。
出演者全員が和太鼓を叩き、その高揚感溢れるリズムが、新しいトップスターの誕生を祝うようでもあり、2020年の幕開けを祝うようでもあった。
トップの柚香は、途中から舞台中央に設えられた大太鼓を叩き始める。それに、全員の太鼓が呼応する場面は、新生花組への期待で胸弾むよい場面だったと思う。
テーマ曲「DANCE DANCE DANCE」も歌われ、会場で販売されているタオルを使った客席参加場面もある。振付も簡単で、タオルを持っていなくてもクラップで参加することもできて、色々と配慮されてるなーと思った。
場面終了後、柚香が一人残って、「東京の屋根の下」を歌う。
ちなみに、1948年発売だそうです。すごいな。稲葉先生、どこで知ったんだろう[exclamation&question]


S2 Salome
音楽:高橋恵
振付:若央りさ
有名なオスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」を、永久輝せあ(サロメ)と聖乃あすか(ヨカナーン)のダンスで見せる。あれ、そういえば、去年の彩風咲奈主演公演でも劇中劇に「サロメ」が使われていた。若手の先生方、サロメが好きなのかしら[exclamation&question]
ダンスだけだと、嫌がる聖乃を追いかける女装永久輝にしか見えないので、語り部という役どころが設けられている。語り部は、美花梨乃。この公演の最上級生娘役だ。前回本公演で、謎の老婆という難役を演じただけあって、娘役ながら、迫力の語り口。サロメの情熱が乗り移ったかのような熱く、色っぽい語りだった。
その永久輝サロメ、できれば、腹も出してほしかった…というのは、多くを望みすぎかもしれないが、女役だから…というシナを作ったりせず、サロメという人間のパッションの化身となったかのような踊りがステキだった。聖乃は、腰が引けていて、逃げ惑う姿が、妙にセクシーだった。


S3 Xango
音楽:太田健
振付:森陽子
パーカッション演奏:Kahlil Cummings
シャンゴは、ブラジルの民間信仰に出てくる雷の神の名前だそうだ。
なので、この場面は、カポエイラの振付で宝塚でもおなじみ、森陽子先生の振付場面になっている。
民俗舞踊のようなダンスシーンで、女役の衣装も、着ぐるみのようで面白い。オシュン役の華優希は、大きな衣装に着られる感じも可愛い。が、イアンサン役の水美舞斗は、オシュンの色違いのような衣装なのに、私は、「女装してるけど、男の神」という設定に違いないと思ってしまった。
すごいな、男役10年超えて、もはや、女役をやっても女に見えない[exclamation×2]しかも、この場面、腕とか背中が見える衣装だというのに…[あせあせ(飛び散る汗)]水美舞斗の筋肉は、既に日本の宝ですな[ぴかぴか(新しい)]


S4 Latin Passion
音楽:高橋恵
振付:若央りさ
みんな大好き「クンバンチェロ」からのラテン場面。
ここは、宝塚らしいショー場面になっていたと思う。柚香の衣装がシックで、ラテン調の場面には珍しいと思ったが、すごく似合っていて素敵だった。


S5 Explosion
音楽:高橋恵
振付:平澤智
名曲「トゥーダーン・ホット」に乗せた若手だけのダンス場面。
数人ずつ出てきて踊り継いだり…と、かなり美味しい場面になっていた気がする。
ただ、このシーン、手拍子が入っていたのだが、手拍子するには、カウントが早すぎる気がした。手拍子しながらでは、せっかくの平澤先生の絶妙な振付が堪能できないため、私は観ることに専念させていただきました。
ごめんね…[たらーっ(汗)]


S6 Spanish Fantasy
音楽:太田健
振付:佐藤浩希
ギター演奏:斎藤誠
2日目の公演で、私が「大丈夫か[exclamation&question]」と思ったのはこのシーン。
激しいソロダンスの途中、歯を食いしばって踊りを続ける柚香の姿に、「美しい」と感じるより、「心配」になってしまったのだ。それほどまでに「宝塚」の枠を大きく超えた、超絶技巧のフラメンコだった。
このシーンは、柚香のソロだけでなく、デュエットダンス、群舞、そして、まったく雰囲気の違うバストン(ステッキ)や、マントン(ショール)を使った楽しい場面があったり(でもテクニック的には難しい)、構成時間も長く、圧巻の連続だった。
こんな場面の音楽として、かつて、ゆうひさんが踊った「かもめ」(Red Hot Sea)が使われているって、なんだか不思議な気がします。(一般的には、「哀しみのコルドバ」オープニングの曲ですね。)
シーンの最後は、永久輝のソロ歌。新しい旅立ちを歌う楽曲は、新生花組のことでもあり、花組生としてスタートを切った永久輝自身のことでもあり、なんか、納得[るんるん]


S7 Takarazuka
音楽:高橋恵
振付:御織ゆみ乃
1921年10月、宝塚に花組と月組の二つの組が誕生した。2020年は、花組さん研100の年…ということで、花組で使用された楽曲のメドレーが最後のシーンとして用意された。
花組だけど、出演する生徒の衣装は、淡い黄色×金×白で、どっちかというと月組っぽい。ま、月組さんも研100だもんね、いっか。
「モン・パリ」など昔の楽曲に始まり、「ジタン・デ・ジタン」「ジャンクション24」「Asian Sunrise」など最近の(あ…もう最近でもないのか[あせあせ(飛び散る汗)])曲まで楽しませてもらった。初めて観た時は、えー、なんか、これ、かっこいいのかなぁ[exclamation&question]と思った“エイサー”のナンバーも、20年経つとノリノリのナンバーに思えるのだから、ヅカファンはやめられない。最後の曲は、「心の翼」。ずっとショーの楽曲で綴って来て、最後は、「テンダー・グリーン」という芝居のナンバーだったけど、花組的には、この曲は外せないということかもしれない。(宙組にとっての「明日へのエナジー」的な感じ[exclamation&question]


S8 Finale
音楽:高橋恵
振付:百花沙里
最後にもう一度、「DANCE DANCE DANCE」で盛り上がり、タオルをもう一回使う指示はなかったが、クラップで一体感を感じて終了。よき新生花組の船出だったと思う。


新生花組のトップコンビは、共に歌が弱い。
そして、柚香光は稀代のダンサーなので、ダンス中心のショー作品という演目は、とてもいい選択だったと思う。他の出演者についても、歌がメインになる場面は少なく、ダンスシーンが生きるような構成で貫かれ、歌唱が伴うダンスシーンは、カゲ歌を使うという徹底ぶり。
こんな形でダンスに特化する公演はとても挑戦だし、柚香光という若いトップスターの、期間限定公演だったからこそ、できたのかな…と思った。大劇場のお披露目公演は1本もののお芝居だし、今、踊らなくていつ踊る[exclamation]みたいな企画だったのかもしれない。


一時はすごく心配したけれども、やっぱり、圧巻は柚香のフラメンコかな…[黒ハート]あのストイックな美しさ、ちょっと忘れられない。


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