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「真実」 [┣本・映画・テレビその他エンタメ紹介]

是枝裕和監督の新作映画「真実」を見てきた。


往年のスター女優、ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)が自伝を出版したので、アメリカで脚本家をしている娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュ)は、夫のテレビ俳優、ハンク(イーサン・ホーク)と、娘のシャルロット(クレモンティーヌ・グルニエ)を連れて、久しぶりに母のもとを訪れた。
母の家には、大きな亀のピエールがいて、シャルロットはとても気に入る。
自伝は、母にとって都合のいい内容に改変されていて、リュミールは、抗議するが受け入れられない。とはいえ、母の全盛時代のライバルで友人だったサラのことが、書かれていないのは不自然。それほどに、母は、今でも全盛期に死んだサラを意識していた。
ファビエンヌは、今、映画を撮っている。ヒロイン役のマノン(マノン・クラヴェル)は、サラの再来と言われる女優。撮影している映画は、とても変わっていて、タイトルは、「母の記憶」。ヒロインは、ある病気に罹っており、地球上に居れば2年と生きられない。そこで宇宙で暮らしていて、7年に一度帰って来る。宇宙では時がゆっくりと流れるので、彼女は年を取らない。が、家族には地球上での時間が普通に流れていて…
若く美しいままの母に対して、それぞれの年代の女優が娘役を演じる。ファビエンヌは、72歳と80歳の娘を演じることになっている。
長年、秘書を続けてくれたリュック(アラン・リボル)が、自伝に名前がない、と言って辞職したり、突然、別居中の夫・ピエール(ロジェ・ヴァン・オール)が帰宅して、現在のパートナー・ジャック(クリスチャン・クラエ)と普通に食卓についたり…と、さすがフランスの大女優、短い間でもいろいろある[exclamation]


10歳の娘を演じる子役に対して、見学に行ったシャルロットが、ハリウッドで子役をしていると嘯くところや、ファビエンヌが以前から懇意にしている女優のアンナ(リュディヴィーヌ・サニエ)が、最初はマノンを警戒しているものの、あっという間に丸め込まれ、ますますファビエンヌが警戒心を強くするところなど、女子同士の微妙なやり取りだったり、もっと直截的な家族間の赤裸々なやり取りだったり、夫・ピエールの帰宅中は、亀のピエールが居なくなって、シャルロットをどぎまぎさせたり(ファビエンヌは魔法使いかも[exclamation&question]…と)、マノンにサラの着ていた服をあげたり…ひとつひとつのエピソードが、とってもステキ。
劇中の映画も、なんだかすごく面白くて、実際に見てみたいと思った。


祖母を見ていたシャルロットが、女優になりたい、と言い出すシーンは感動的。だから、おばあちゃんは、(この映画のように)宇宙に行っててほしいと。私が女優になるのを見てほしいから…って。
ハンクの葛藤(テレビ俳優から抜け出したい)とか、ゲンを担いでお酒をやめていたのに、ファビエンヌが無理やり飲ませるとか、リュックに戻ってきてほしくて、娘に台本を書かせて迎えに行くとか、その辺のエピソードもよかったなぁ。


ま、とにかく、俳優って、因果な職業ですな…[あせあせ(飛び散る汗)]
てか、名優の自伝とか、「真実」が書いてある気がしないのは、なぜだろう。人生さえも芝居だと感じるからだろうか。


ちなみに、付き人を自伝に書かなかったせいで、死ぬことになる俳優の物語もあったな…とか思い出す。(ドレッサー)たぶん、普通で日常すぎて、(たとえば、朝起きて顔を洗って歯を磨いて…って書かないように)身近過ぎて書かないってあるような気がする。


そして、撮影地はすべてフランス、撮影監督ももちろんフランス人なんだけど、なぜか、木々の雰囲気が日本の家屋のような気がした。それって、是枝監督が落ち着く絵柄を選んだのかな[exclamation&question]
最後にちょっとしたツボを。ハンクはフランス語まるでダメ。でもシャルロットは普通に喋れる。ママ(リュミール)がバイリンガルに育てたのね[exclamation]
あと、ファビエンヌが、大女優は、名前のイニシャルが重なるものなの…って真顔で言ってて、(ブリジット・バルドーとか、アヌーク・エーメとか…)そういうファビエンヌの姓は、映画では語られないんだけど、サイトによると、ファビエンヌ・ダンジュヴィルだそうで。ま、演じているカトリーヌ・ドヌーヴだってCDで重なってないってことも含めて、このセリフは、印象に残った。


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