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「桜田ファミリー物語」 [┣演劇]

スプリングマン
「桜田ファミリー物語」


脚本・演出:澁谷光平


音楽:まるやまたつや
舞台監督:本郷剛史
照明:たなか一絵
音響:未琴
宣伝美術:ネオ・サンシャイン
宣伝写真:sanamaru.
デザイン:KOSK101s
制作:河嶋浩介、井手昭仁
企画・製作:スプリングマン


以前、観劇した「弁当屋の四兄弟」と同じスプリングマン製作の舞台を再び観劇した。


劇場は、ここ1年、通いに通っている中野のポケットスクエアにある「テアトルBONBON」。
ポケットスクエアの各劇場の席数は、ザ・ポケットが180、BONBONが120、MOMOが90、HOPEが70(公演によって若干の増減あり)。BONBONは、劇場案内によるとポケットスクエアの各劇場の中で、最も天井が高いらしい。そのせいもあるのか、この劇場は、客席の配置が急こう配になっている。
そういうこともあるのか、この劇場での開演前アナウンスは、携帯電話の電源OFFのみだった。(しばらく、各劇場の開演アナウンスをチェックしたいと思っている。)


タイトルの「桜田ファミリー…」は、もちろん、バルセロナの建造物、サグラダファミリアをもじっているのだが、前回の「弁当屋…」同様、この物語も“家族”の絆をテーマにしているので、このタイトルに嘘はまったくなかった。
桜田家は、世田谷で豆腐屋を営んでいる。
父親の店を受け継いだ長男のマサト(藤波瞬平)が家長ということになっている。マサトには、妻のチエ(さかいかな)がいるが、子供はまだいない。(芝居の最後にチエの妊娠が明かされる。)
そのほかに、マサトのいとこで、先代に引き取られたリコ(あきやまかおる)、ケンジ(浦尾岳大)、タク(釜山甲太郎)の三きょうだい、リコ達とはきょうだいではないが、マサトにとってはこちらもいとこのハルキ(日南田顕久)も同居している。
リコは既婚で、弟二人がいるにもかかわらず、夫のナオト(狩野翔)には桜田姓を名乗らせ、そのまま実家である桜田家に夫婦で住んでいる。
ナオトはサラリーマンである程度の稼ぎがあるが、ケンジは引きこもりで、タクは実家の豆腐屋でバイト生活、ハルキもパソコン関係には強そうだが、サラリーマンではないみたい…。豆腐屋も、豆腐は美味しそうだが、商売上手という雰囲気もない。
こんな桜田家、亡くなった先代には愛人がいて、マサトの腹違いの弟というのが存在している。母親を亡くしたその「弟」井伊リュウジ(山木透)が今日、訪ねてくる…そんな桜田家の一日一晩を描いたのが本作。


「ザ・いいひと」といった雰囲気のマサトとその他の人々(それぞれ発言に毒がある)の対比がまず描かれ、結局、最終的に「みんないいひと」ということがわかって大団円。その「みんないいひと」がどうして、こんなことを言ったのか、あんな行動をとったのか…一つ一つの細かい事件が、人間の心のひだを丁寧に解き明かし、現実社会でもよくある「いいひと」同士の諍いも、こういうことなのかもな…なんて思ったり。
最後にリュウジがキレる原因も、そっか、あなたも誕生日だったんだね…というオチで、でも、それって自分が祝ってほしいわけじゃなくて、なんだよ、何が違うんだよ、オレとオマエと…っていうだけのことなんだよね。ああ、すっごいわかるわ、リュウジの気持ち…[わーい(嬉しい顔)]
それをオソロのTシャツでまとめ上げてしまう、ザ・いいひとマサトくんの「いいひとテロ」っぷりが、恐ろしくもあり、痛快でもあり。
ケンジとタクの兄弟げんかも、お金で解決しようとしたナオトの真意も、そして、庭に猫が現れる謎も、どれもこれも楽しいエピソードだった。ケンジとリュウジの不思議な深夜のやり取りとか、かなりツボになって忘れられない場面も多い。


これはすごい名作[exclamation]というわけではないが、観終って、「いいもの観た~[ぴかぴか(新しい)]」と思える舞台だった。


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