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「めんたいぴりり」感想(出演者編) [┣大空ゆうひ]

「めんたいぴりり」あらすじと全体感想は、こちらです。


それでは、ゆうひさんを含め、出演者の感想です。
(↓)博多座には、出演者の幟がはためいていました。


めんたいぴりり2.jpg


まず、主人公・海野俊之を演じた博多華丸さん。
朝の顔でおなじみの華丸さんに舞台でお目にかかれるのは、不思議な感じ。(相方の大吉さんも、映像で出演されるので、不思議感MAXでした[exclamation×2]
この舞台のメイン出演者は、俳優とお笑い芸人が半々くらいで、何度も観ていると、セリフに対する感覚の違いがわかって面白い。お笑い芸人の方は、セリフを「自分の言葉」になるように落とし込むんですね。だから、セリフを忘れても、違う言葉で同じ意味の単語が出てくる。
俳優は、セリフをトチると言い直すことが多いので、なるほどな~と思った。
あと、やっぱり、博多華丸として、座長の重責を担っているというのを強く感じた。その辺が、俳優の「主役であっても、常に役として出ている」感との大きな違いかな。芸人が座長を務めるのだから、芸人としての看板を下ろさずに役を演じる…というか。華丸さんだからこその海野俊之、という感じで、人柄まで伝わるような舞台だった。


その妻、千代子を演じた酒井美紀さん。
2幕冒頭のセーラー服がすごく可愛かった。その時、明太子のチャームがついたゴムで髪を二つに縛っていて、それがめっちゃ似合っていた。(明太子チャームは、彼女がスケトウダラ王国の娘だから…なんだけど。)
実際の川原俊夫さんがどのようなご主人だったかは、わからないが、この舞台の海野俊之は、たとえば、ゆうひさん演じる花島先生くらいの距離感から見たら、「こんな人と結婚したい」と思えるような温かい男性だけど、この人の奥さんからしたら、明日の生活費さえどうなるかわからないわけだから、それを笑顔でやりくりしている奥さんって、凄すぎると思う。
でも、耐える女っていう感じではなく、ほうきを振り上げてダンナを追いかけ回すアクティブな千代子さん。
のぼせもんで、明るくて、美人で、でも、気さくで…舞台で観るのは初めてだったけど、この役にピッタリの方だな~と思った。博多弁は素人の私からは、ネイティブに感じました[黒ハート]特に、冒頭の場面のおばあさんのセリフが、すごくうまいな~と。「今も可愛かろが」とか[揺れるハート]


ゆうひさんは、本作品のマドンナ的存在、花島先生。
東京の大学を卒業し、代用教員として福岡にやってきて5年目。今年から博多に来たみたいで、2学期から、海野家の健一くんの担任に。来年の春には、実家のある東京に戻る予定。そして、本当は歌手になりたいという夢を持っている。相当な酒豪。
というキャラ。時代的なものもあったのかもしれないが、Aラインのスカートと三つ折りソックス、という衣装がステキすぎて、激萌えでした[黒ハート]スカートは、臙脂・紺・グレーの三種類。背が高いので、スカート丈も長く、美しいAラインが堪能できる。まるで、往年のヘップバーンのよう…[かわいい]どれも可愛かった。(腰幅が狭いので、細いAラインを作ることができるんですね[exclamation×2]
それだけでも、萌え死にそうだったのに、さらに、ジャージ上下にリュックとか、殺す気ですか[exclamation&question]さらに、その状態でスキップとか…[爆弾][爆弾][爆弾]退団後の大空ゆうひ(祐飛)史上最大に可愛かったと言っても過言ではないと思う。
(津島修治も可愛かったけど、あれは男性役だったのでね…)
その一方で、最後に「ケ・セラ・セラ」を舞台中央で歌い切る場面は、場の空気を動かすようなすごいパワーを感じる。こういうとこ、やっぱり元トップスターなんだな~と思う。
それを封印して「普通」を演じたい役者心もわかるけど、やはり、起用する側は、スター性に期待する部分もあるし、そのどちらもよいバランスで観られると、ファンとしては嬉しいな。


めんたいぴりり4.jpg


<ふくのや周辺のみなさん>
ふくのやの従業員は、しっかり者の八重山さん(瀬口寛之)、お調子者の松尾くん(斉藤優<パラシュート部隊>)、一番若い笹嶋くん(福場俊策)、そして紅一点のみっちゃん(井上佳子)。 ここに隣人の金物屋・でんさん(ゴリけん)と奥さん(酒匂美代子)が加わって、ふくのやの笑ったり泣いたり…な日常を繰り広げる。2013年に制作されたテレビドラマ、そしてそこから生まれた前回の博多座公演、2019年1月に公開された映画…と、すべて同じメンバーが出演している。
なので、息もピッタリ。
ひとつひとつのエピソードが、プツプツ切れながら続いていく作りになっていて、そのオチみたいな部分が、博多弁+暗転になっていて、それが絶妙な間だったりするのは、チームワークのなせる業かな。


相島一之(石毛太郎)…ふくのやの明太子が、まだそれほど美味しくなくて、まだ全然売れなかった頃に、これは売れる[exclamation]と目をつけて、研究を始める西陣の商店主。
執着性の高い人を演じさせたら、右に出るものはない…ですね。しかも、相当性格悪そうなキャラが秀逸。映画「12人の優しい日本人」で相島さんを知った私としては、この手のキャラには絶大な信頼がある。
最後の引き際もステキでした[黒ハート]


原西孝行(FUJIWARA)/ワッキー(ペナルティ)
俊之の戦友、野々村周作役はWキャスト。博多座で三週間の公演…ということもあってのキャスティングか(お忙しい売れっ子芸人さんなので)、まったく個性の違う二人の野々村が実現した。
(スケジュールの都合で、私は、原西さんの野々村は初日だけ、あとはワッキーさんの野々村でした。)
野々村は、戦局が悲惨なことになっても、人を笑わせたい…という心の余裕を持った男で、6月の沖縄戦にあって、もう勝てっこないから、白旗掲げて降参しよう…と言い出せる柔軟性を持った男だった。…しかし、グラマンの爆撃で戦死。その後は、俊之の意識の中に現れて、励ます存在になっていく。
原西さんの畳みかけるような関西弁、ワッキーさんの飄々とした佇まい、どちらも魅力的な野々村だった。ギャグも、それぞれ別のアプローチで、やっぱりお笑い芸人の方がWキャストで出るということは、そこが同一になるっていうのはあり得ないんだな…と、妙に納得した。


川原和久(中村伊佐美)…前半は日本陸軍の軍服、後半は着流し…と、渋いオジサマの魅力をたっぷり魅せていただきました[黒ハート]生の川原さんは「ナミヤ雑貨店の奇蹟」以来…だと思うけど、やっぱり、ステキでございました。
特に、松葉杖を使った殺陣がめっちゃカッコいいのです[黒ハート]あと、うまくプロポーズの言葉が出てこなくて、「海野、助けてくれ」と言うところとか、大人の男性の可愛さが炸裂していた。


藤吉久美子(春日沙織)…戦争に行った一人息子の死を認めたくない…という切ない母心を覆い隠し気丈に振る舞う小料理屋の女将さん。とてもステキな女性像でした。
素の藤吉さんも、きっとチャーミングな女性なんだろうな…なんか、そういうことが伝わって来る舞台姿でした。登場するたびに、その時期に合った和服を見せてくれて、どれもとても似合っていて綺麗でした。
前髪はアップではなく、横に流していて、その流し方が、ややリーゼントになっているのが、個人的にツボです。


河野太司郎・中村太一・平澤朔太朗・山下透羽(海野家の子供たち)…子役さんたちも当然Wキャスト。この中では、勝役を演じた山下くんが、特に印象深い。可愛い顔して、すまして哲学的なことを言うのが、たまらない[わーい(嬉しい顔)]すごく間がよくて、将来が楽しみ。平澤くんは、もうちょっと子供らしい雰囲気で、こちらも可愛い。
健一役の二人は、「僕、花島先生のこと好いとるのに」って、さりげなく告白してくれるのですが、どちらもイケメンで、さすが花島先生[黒ハート]と、勝手に喜んでいました。


小松政夫(丸尾老人)…福岡出身、山のぼせと自称するだけあって、丸尾さんが亡くなって、山笠を夢見ながら花道を駆け抜けていく場面は、泣けるほどかっこよかった。
そして、子供の頃から見てきた、あのギャグ、このギャグ、すべて見せてもらって…それだけで幸せ[黒ハート]


総じてバラエティショーのようなキャスト陣が、ひと時の夢を見せてくれる…そんな舞台が「めんたいぴりり」なのかな、と思った。ゆうひさんの舞台歴の中では、「HEADS UP!」の系譜だと言えるかもしれない。
若く美しいマドンナ役が全然違和感なく観られて、あまり年齢的なことを気にせず、色々な作品に出ていいんじゃないかな、とあらためて感じる可愛い花島先生なのでした。


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