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別箱公演のフィナーレナンバー [┣公演内容の考察・検証]

宙組KAAT公演を観劇した。
作品については、別途ゆっくりと感想を述べるとして、フィナーレ・ナンバーについて、感じたことがあったので、その話を書いておきたい。

大劇場本公演は、組子全員が出演するし、ある程度「番手」に忠実な作りになる。まだ正確に序列が決まっていない生徒も学年順においしい役が振られるようになっている。ゆえに、逆になにかあったら「大抜擢」⇒「一気に下剋上」が確定することにもなる。
別箱公演は、もう少し自由な設定ができて、過去にバウ主演している生徒を、別の生徒の主演公演の小さな役で使うこともあったりする。(『風の次郎吉』の柚香光など。)そういう時、一瞬、序列も逆転したように見えたりする。(『風の次郎吉』を例にとると、公演2番手としてポスターに載っていたのは、瀬戸かずやだった。)これはおそらく、別箱公演に関しては、主演以外の序列は意味がない、という定義が裏で動いているからなのだろう。
ヒロインに関しても、トップコンビがそのまま別箱で主演しない限りは、かなり自由。主演者の相手役を模索するという動きが陰で動いていることはあるにせよ、ヒロインを演じたから、即トップ娘役候補になるなんてことは、決してない。

ただし、今現在、その娘役が劇団にどう認識されているか、というバロメータは存在するんだな、と思った。
それは、別箱公演のフィナーレ・ナンバーでの扱いだ。

お芝居の中で、ヒロインではなかったけど、重要な役を演じた娘役。どんなポジションで、どんな衣装で、誰と踊っていたか。
今回、ヒロインではないが重要な役を演じたのは、豊富なヒロイン経験を持つ伶美うららだ。
彼女は、フィナーレ・ナンバーにおいて、他の娘役とは差別化された衣装を一人だけ着用し、主演の真風涼帆と対等に歌い踊る場面を与えられていた。これは、宙組における伶美のポジションの高さを表している。
同じ宙組の昨年のバウホール公演で、難役を見事にものにして喝采を浴びた純矢ちとせは、フィナーレ・ナンバーでは、その他の娘役と同じ衣装で群舞を踊っていた。お芝居の役としての重要さは、あくまでも作品への貢献度であって、通常、ヒロイン以外の娘役は、フィナーレでは「その他大勢」の扱いになる。
だからこそ、このフィナーレでの伶美の破格の扱いは、注目に値する。
かつて、伶美は、「ロバート・キャパ」のフィナーレナンバーで、主演の凰稀かなめとデュエットダンスを踊ったが、衣装は他の娘役と同じもので、群舞の中に紛れてしまう…という扱いを受けた。トップ確定の凰稀のバウ公演での相手役ということで、すわ[exclamation×2]という声もあった中、この扱いは…[爆弾]と思っていると、やはりトップ娘役にはなれなかった。
そんな伶美が、時を経て、これだけの存在になっていることを思うと、感慨深い。
既に研8となった伶美なので、この先のことはわからないが、やはりただものではない、と強く感じる。次回公演でも伶美に注目したい。

一方、ヒロイン役の星風まどか。100期の若手ではあるが、一人だけまったく違う色の衣装を身にまとい、真風と二人きりのデュエットダンスタイムを設けてもらっていることから、トップ娘役としていつでも出動OKと感じた。
星風に関しては、完成度も高いし、あまり待たせない方がいいような気がしている。

“今日は何の日”
【5月22日】
細川護熙が日本新党を結成(1992=平成4年)。

かしちゃんが入団して初めてのお誕生日を迎えた時、こんなことが起きていたんですね。


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コメント 2

ミチカ

まどかは100期では…。
by ミチカ (2018-04-14 01:18) 

夜野愉美

ミチカさま
2年前の記事をよく探してくださいました!
何を勘違いしていたのやら、こんな初歩的なミスを申し訳ありません。さっそく訂正させていただきました!
ご連絡ありがとうございました。
by 夜野愉美 (2018-04-16 23:17) 

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