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「原作のフェルゼン」名セリフ集 [┣宝塚作品関連本等の紹介]

宝塚歌劇「ベルサイユのばら」には、大きく分けて、

  • オスカルとアンドレ編
  • オスカル編
  • フェルゼンとマリー・アントワネット編
  • フェルゼン編

の4種類がある。
この中で、「フェルゼン編」は、原作におけるフェルゼンの登場シーンがそれほど多くないため、“盛り上がるのが難しい”と、もっぱらの評判である。←脚本を真似てみた[爆弾]

しかし、本当にそうだろうか?
原作を丹念に見ていけば、フェルゼンのかっこいいシーンはいっぱいあるし、名ゼリフだってめちゃくちゃある。
ぜひぜひ、ホンモノ(?)のフェルゼンの素晴らしさを知ってください[ぴかぴか(新しい)]
※フェルゼンのセリフを『 』で引用し、状況等は私の言葉で解説させていただきます。

『悪いのはアンドレではない。わたしも正義のために死ねるぞ、オスカル』
アンドレが不注意から王太子妃時代のアントワネットに怪我をさせた時、死刑になりかかったアンドレのために、オスカルが命をかけて国王に掛け合おうとする。その時、フェルゼンも国王の前に膝をついて加勢するのだった。
男らしい[exclamation×2][いい気分(温泉)]
この時、たしかに、オスカルもすっごいオトコマエだった。
後に、この時のことを思い出して、アンドレは、オスカル毒殺を思いとどまる。それくらいインパクトのある場面だった…。
でも[exclamation×2]オスカルはアンドレの主人、冷静に考えれば、庇うのは当然っちゃー当然。
赤の他人のために、正義を貫くフェルゼン、惚れます[かわいい]

『では……愛していれば………愛してさえいれば結婚できるのか………?』
フェルゼンのこんなストレートな男らしさに、アントワネットだけでなく、オスカルが惹かれたとしても、無理はない。しかし、女であることを封印して、軍人として生きているオスカルゆえに、自分の女心に気づくのは遅かった。
ってなわけで、まだ恋心を自覚する前、オスカルはフェルゼンの結婚話に、無意識に反対意見を述べる。政略結婚に乗り気なフェルゼンに、“愛してもいないのに、結婚するのか?”とオスカルが激昂する。それに対して、フェルゼンが押し殺したように言い返したのがコレ。
「ベルばら」の中でも10本の指に入る名台詞だと思います[ひらめき]
フェルゼンが政略結婚を積極的に受け入れようとした裏には、王妃以上に愛せる女性に巡り会うことは、一生ないだろうという、彼の深い思いがある。
それを思うと、さらに味わい深いセリフです[グッド(上向き矢印)]

『愛している…と……王后陛下を愛してしまったと、どうしていえる!?』
こちらは、その政略結婚話が進行中、そのことを正直にアントワネットに話してしまったフェルゼンに、オスカルが、“なぜ言った?”と問い詰めた時のフェルゼンの答え。
その時点で、オスカルは既に王妃の心を知っていて、フェルゼンの言葉を聞いて涙を流す王妃を見て、そんなデリカシーのないヤツだったのか!と、直談判に行く。
そしたら、フェルゼンも苦悩していて、このセリフですよ…[もうやだ~(悲しい顔)]
アントワネットは、わりと単純なキャラなので、彼女の“好き”は分かりやすい。でも、フェルゼンの“好き”は、もっと複雑なので、オスカルも彼の思いがどこまで真剣なものか、熱いものか、計りかねていた部分があったんじゃないかな。苦悩するフェルゼンを見て、オスカルの心も乱れる。そこまで本気だったのか…と。
で、私のハートも乱れました[揺れるハート]

『フェルゼンは…ただいま、ここで、この首をうたれようとも、後悔はいたしますまい…』
愛し合う二人の気持ちは、とうとう抑えることのできないものになり、フェルゼンとアントワネットは、ほぼ同時にお互いへの愛を告白、両想いを確認し合う。
初めてのキスを交わした時のフェルゼンのセリフです。
情熱的[いい気分(温泉)]

『だからわたしは一生、だれとも結婚はしない!!神がそのようにさだめられた…』
アントワネットと気持ちを確かめ合ったフェルゼンは、その後婚約を解消し、生涯独身を通す決心を固める。
それを聞いて、オスカルは、個人的にショックを受ける。フェルゼンの想いの深さに感動しつつも、自分の想いが叶わないことを宣告されたようなものでもあるから…。
アントワネットには夫がいて、国家のために子どもを産むという義務を負っている。
それを許しながら、自分は彼女のために、人生を捧げようとする。その無償の愛に、じーん[いい気分(温泉)][グッド(上向き矢印)]

『オスカル!すまないがわたしは逃げる…逃げるぞ!』
でも、燃え上がる二人の心は、だんだん周囲にも隠せなくなり…フェルゼンは、アメリカの独立戦争に参加することで、アントワネットと距離を置き、噂の鎮静化を図ろうとする。
命の危険を冒してまで、愛する人の立場を守ろうとする…なのに、台詞はこれ[ひらめき]
なんと奥ゆかしいのでしょう[ぴかぴか(新しい)]
こういうところが、舞台との一番の違いかも[exclamation&question]

『わたくしのこの愛がそう命じるのです。もはやけっして…けっしておそばを、はなれますまい。ともに地獄におちようとも、おともつかまつります!』
独立戦争が終わった後、アメリカで熱病に罹り、九死に一生を得たフェルゼンは、再び王妃のもとに戻ってくる。
その時、アントワネットはすでに二人の子の母となっていたが、そんなの関係ねーとばかりに、一気に盛り上がる二人[グッド(上向き矢印)][グッド(上向き矢印)][グッド(上向き矢印)]
その裏側で、フェルゼンは、ある種の覚悟を決めたのかもしれない。
すでに何もかもが遅いのだとしたら、(革命までは予想してないにしても)なにかあったその時は、本当に地獄まで共に行こうという決意。
なんという情熱…[ぴかぴか(新しい)]

『おまえがニコラスとジャンヌを討ちとりにいくと、きいたとき、どれほど、いっしょにいってやりたいと、思ったかしれない』
王妃の愛人という目で周囲から見られているフェルゼンは、表立った行動をとることが難しい。危険な仕事は、いきおい、王妃の近衛兵であるオスカルに回る。
そんなオスカルの身を、親友として、誰よりも気遣っているのがフェルゼンだったりする。
でも、向こうは親友のつもりか知らんが、こんな言葉を好きな人に言われたら…
残酷だわ…[バッド(下向き矢印)][爆弾][爆弾][爆弾]

『美しい人で……あなたのようなみごとなブロンドの髪をして……心やさしく教養も高い。そう……自分の思想のためには命もかけるような……そんな人で……。美しい人なのです。だが……金モールの軍服にかおる肌をつつみ、さながら氷の花のように男性のまなざしをこばむ……』
とうとうオスカルは、フェルゼンへの思いに決着をつけるべく、ドレスを着て、化粧をして舞踏会に出掛ける。
フェルゼンは、オスカルにダンスを申し込み、あまりによく似ているので、つい、オスカルのことを語ってしまう。それを聞いて、オスカルはフェルゼンを諦める決心をする。
美しいっていう以外は、とりたてて女性として褒めてるようでもないけど、人間としての美点を言ってくれたフェルゼンの言葉が嬉しかったんだろうなーと思うと、オスカル、切ないぞ[もうやだ~(悲しい顔)]

『オスカル!もう……もう永久に…あうことはできない…な…』
でも、やっぱり、ちょっと化粧したくらいでは、バレバレで…後日、フェルゼンはそのことに気づいてしまう。“もしかして、君は僕を?”とか間抜けな質問をすることもなく[爆弾]フェルゼンが発した言葉がこれ。
親友として、行き来しあって来た二人だったが、その思いを知ってしまった以上、これまで通りの交際を続けることはできない。原作ではここでスウェーデンに帰るわけではないので、同じベルサイユにいながら、会わない決心をする切ない場面。
もちろん、偶然に会ってしまうことは、その後、何度かあったりするわけだが、その時は、お互い、親友としてのポジションでしっかりと目を見て話す。そういうところも素敵な二人だなー[決定]

『暴民ども!!耳の穴かっぽじって、しかときけい。わが名は……わが名は、ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン』
オスカルが平民に襲われているところに行き会ったフェルゼンは、部下を引き連れて、彼女を救い出すが、オスカルは、“わたしのアンドレ”がそこにいると言って、一人で逃げようとしない。
そんなオスカルの思いを知って、フェルゼンは、アンドレを助けるために、もう一度平民たちのところに戻って、声高らかに宣言する。
フェルゼンを窮地に残して、アンドレを救い出し、脱出するオスカルが、自分の思いを少しずつ認め始める重要なシーンだったりするのだが、友人を救うために、これだけのことをしちゃう人、なんてかっこいいの[exclamation&question]

『どんなところ!?かのロココの夢のこす、香わしきフランスの地。父上のあんなに愛でられたフランスでございます』
前述のシーンは、スウェーデン国王の命令で帰国する途中の場面だった。その後、ロシアとの戦争などがあって、一時的に実家に帰るも、フランスの国情が騒がしくなり、フェルゼンはさっそく戻る決心をする。その時、父上に“お前の行こうとしている国がどんなところか…”と怒鳴られ、こう返す。
フェルゼンの父親は、フランス贔屓だったそうなので、複雑だったでしょうね。
この後、弟や妹とも別れの言葉を交わし、じいや一人を連れて、ふたたび彼はベルサイユを目指します。熱いわ…[どんっ(衝撃)]

『い…急げパリへ』『ではどけ!』
旅の途中で、革命騒ぎの真っ最中という話を聞いて御者が難色を示した場面がここ。
パリへ行きたくないという御者に、フェルゼンの反応は早かった。馬車ジャック[exclamation]
でも、この時、すでにオスカルは落命していました…合掌[もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)]

『お忘れでございますか、王后陛下。ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン、たったいまベルサイユに到着いたしました』『ともに死ぬためにもどってまいりました…。あなたの忠実な騎士(ナイト)にどうぞお手を…』
革命が起き、貴族たちはどんどん亡命していく。
一人残されたアントワネットのもとに帰ってきたフェルゼンの台詞がこれです。
かっこいいっ[グッド(上向き矢印)][グッド(上向き矢印)][グッド(上向き矢印)]

『わたくしがやりましょう!』
国王一家を海外に逃がす計画が立てられたが、誰も中心に立って行動しようとしない。
その時、声を上げたのがフェルゼンだった。
どこまでもオトコマエ[ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)]

『命よりだいじな女性(ひと)の危機に…きみなら休んでいられるか…?』『神よ、神よ…!いますこしの力をあたえたまえ。わたしの命とひきかえでもいい。あの方を…あの方の夫を、あの方の子どもたちを…』
たった一人ですべての計画を管理しようと、フェルゼンは不眠不休で頑張る。
倒れそうになったフェルゼンに、少し休んでは?と周囲が止めるが、その時、フェルゼンはこう答える。
後半はフェルゼンの独白。
私、この台詞がすごく好きなのです。“あの方の夫を”って。
フェルゼンの愛は、アントワネットの属する世界のすべてを守ろうとしている。
そこがたまらない![グッド(上向き矢印)][グッド(上向き矢印)][グッド(上向き矢印)]

『あなたの肩に未来のルイ17世の命がかかっているのです!!』
でもアントワネット的には、恐ろしい逃亡だったと思います。
怯えるアントワネットには、叱咤の声をかける、フェルゼン。
決して甘やかすだけの愛ではない[黒ハート]

『おまえに……命をかけた愛というものを見せてやろう……。もとより生きてパリから帰れるとは考えていない。愛の狂気にとらわれた者の死にざまを見るがいい』
しかし、ヴァレンヌで逃亡は発覚。
ベルギーに亡命したフェルゼンは、再びフランスを目指す。
もちろん、彼の首には、賞金がかかっている。それでも、彼は躊躇せずにフランスを目指す。
これだけの愛のドラマってなかなかないと思うのですが[ひらめき]

『わたしが殺されたら、あなたがあとをついでください……』『わたしは昔、このフランスに生涯最高の友をひとりもっていました。オスカル・フランソワ…ふしぎなものです。彼女は革命に生き…わたしはこうして最後の貴族、王党派として生きている……』
そして、フェルゼンは、新しい逃亡計画のためにジャルジェ将軍を訪ねる。
その時、フェルゼンがジャルジェ将軍に言った言葉がこれです。
生涯最高の親友同士が、選んだ別々の道…このセリフを言って涙するフェルゼンに私も泣きました[もうやだ~(悲しい顔)]

『マリー・アントワネット、わが女王…』
テュイルリー宮殿に忍び込んだフェルゼンは、見張りの兵隊を殺して、王妃の部屋を訪れる。
その、罪を犯す時の言葉がこれ。
命を懸けるだけでなく、人殺しも辞さない。不退転の思いがこの一言に込められている[爆弾]

『…フェルゼン家の紋章がほってございます。未来永劫、わたくしの妻は、あなたひとりです』
二人が過ごした一夜、フェルゼンはアントワネットに指輪を渡し、二人はここで初めて結ばれたという設定になっている。
でもそれは、アントワネットにとって、永遠の別れの挨拶だったようです。
国王は、もう逃げないという国民との約束を守ろうとし、アントワネットは、マリア・テレジアの娘として毅然として死を待つ覚悟を告げる。
20年近い愛の結末を前にフェルゼンの思いは、どんなだっただろう…と思うと切ないですね。

『のろわれるがいい。いまわたしが呼吸しているこの空気よ。愛する人におくれて生きながらえているこの身よ!!』
アントワネットが断頭台の露と消えた日、フェルゼンは、こう泣き叫んで我が身を呪う。
どこまでもドラマチック・フェルゼン[exclamation×2]

そして、その誓い通り生涯独身を通したフェルゼンは、みずからの罪の日として決して忘れはしなかった、ヴァレンヌ逃亡発覚の日=6月20日(1810年)に、スウェーデンの民衆によって虐殺されたとか。
愛するアントワネットと、同じ形の死を迎えたということも、フェルゼンらしいなぁ~[揺れるハート]と。まぁ、これは史実ですが。

いかがでしたでしょうか?
フェルゼンって、本当は、ステキ男子なんですよ。
どうして、40年間、ずっと不遇なのかしら[もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)]


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コメント 5

祐飛鉄線

原作のフェルゼンには名台詞・名場面が沢山あるんですよね。取り上げて下さってありがとうございます。
…お互い様と思いますが、全て記憶に刷り込まれています(^^;

私は国王一家救出の為にジャルジェ将軍を訪ねる件(くだり)が好きなんです。同じく命懸けであっても、オスカルとは対極の立場となった我が身を静かに涙を流しながら語るフェルゼン。何とも形容し難い表情で無言のジャルジェ将軍…。ジャルジェ将軍の好きなシーンでもあります。このシーンが宝塚版で使われることが無いのが残念です。

そして、アントワネットと結ばれる夜に渡した指輪。フェルゼン家の紋章と一緒に彫られた「いっさいが私を御身がもとへ導く」の言葉。台詞ではないけれど…なんて…なんて…。これは実話らしいですね。アントワネットの伝記によると。

そんなフェルゼンに理想的なスポットが当たる日が来るとよいですね。あまり…全く期待しておりませんが(笑)
by 祐飛鉄線 (2013-07-25 01:17) 

みどり

フェルゼンに惚れました

毎日楽しみ拝見しておりますが、
今日は今までで一番感動しました


by みどり (2013-07-25 09:34) 

夜野愉美

祐飛鉄線さま
コメントありがとうございます。
フェルゼン&ジャルジェ将軍の場面、本当にステキですよね。私も大好きです。
ここと、アントワネットに指輪を渡す場面が登場しないのが不思議でなりません。フェルゼンの見せ場になると思うんですが。
ポスト植田先生に期待しましょう!

みどりさま
コメントありがとうございます。
フェルゼンのファンが増えて嬉しいです。
また、こんな企画もやっていきたいと思ってます。
by 夜野愉美 (2013-07-28 13:00) 

KANAKANA

改めてじっくりと原作を読みなおしたくなりました。
多分実家の部屋に残っているとは思うんですがね・・・。
原作、本当に好きだったな。これとの出会いが私を宝塚に導いたんですよ。懐かしい。
by KANAKANA (2013-07-28 23:03) 

夜野愉美

KANAKANAさま
コメントありがとうございます。
私も、「ベルばら」が宝塚への道を拓いてくれました。
そういう意味では、植田先生に感謝しなければならないのかもしれないのですが…。
by 夜野愉美 (2013-07-31 23:07) 

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