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「Heat on Beat!」感想 [┣宝塚観劇]

ファンタスティック・ショー
「Heat On Beat!」

作・演出:三木章雄
作曲・編曲・録音音楽指揮:高橋城、吉田優子
作曲・編曲:太田健、斉藤恒芳、高橋恵
録音音楽指揮:御崎惠
振付:羽山紀代美、御織ゆみ乃、若央りさ、前田清実、KAZUMI-BOY
装置:大橋泰弘
衣装:任田幾英
照明:勝柴次朗
音響:大坪正仁
小道具:谷田祥一
歌唱指導:ちあきしん
演出助手:田渕大輔、岡本寛子
衣装補:河底美由紀
舞台進行:赤坂英雄、阪谷諒子

瀬奈じゅんのサヨナラ公演のショーを霧矢大夢のお披露目用にリメイクした作品である。
プレお披露目(orプレがない場合のポストお披露目)公演が、中日・博多・ツアーの場合、前トップ作品をリメイクするケースは、ままあるので、それだけでは異様とは言えないのだが、

  • 前トップの[ひらめき]
  • サヨナラ公演を[もうやだ~(悲しい顔)]
  • ほとんど変更せずに[決定]

上演するケースは、実はあまりない。
調べたら、この10年でも花組の「ラブ・シンフォニー」を中日劇場で上演したのと、「カクテル」を博多座で上演した位だった。
その上、このショーは、基本となるサヨナラ公演に、娘役トップなるものが存在せず、それに代わるスター級の娘役2名もトップと同時卒業する、という特別な事情を背景に作られたショーである。瀬奈サヨナラを霧矢お披露目に変更するのはうまくできても、娘役の部分をどう変えるのか、不安と期待が入り混じった観劇となった。
それにしても、芝居でも共通点の見られた、大空・霧矢のお披露目だが、ショー作品まで、「瀬奈じゅんの相手役不在時代に上演されたショー2作品」をそれぞれのプレお披露目で上演するとは、どれだけの縁なのだろうか?

・HOT JAZZ
オープニング、白と赤に塗り分けられた派手なジャケット姿の霧矢大夢の姿が見えた瞬間、「おー、かっこいい![揺れるハート]とテンションが上がった。少年のようなキラキラ感は、トップになっても変わらない。
バウホール公演と二分されているので、スターの陣容は少し変わっていて、桐生園加、星条海斗、光月るう、明日海りお辺りがリーダー格で使われている感じ。娘役は、美鳳あや、萌花ゆりあで、城咲あい、羽桜しずくの穴を埋めている感じ。
瀬奈が霧矢にバトンタッチしてはけていたところでは、霧矢のポジションに青樹泉が入ったが、結局、青樹が2番手ポジションになったのは、オープニングのこの場面だけだった。芝居で2番手役を演じていただけに、ショーも明日海とWで2番手位のポジションなのかと思っていただけに、意外な待遇ではあったが、このオープニングのシーンでは、センターでちゃんと輝けていた。
霧矢が着替えて黒と白のジャケットで登場する時、一緒に蒼乃夕妃も登場する。
ここの場面は、娘役もファンキーに弾けることが求められるようだが、長い足を豪快に上げて、気持ちよく踊る蒼乃に釘づけになった。霧矢と蒼乃のダンスは、新生月組のひとつのウリになるだろうな、と思った。

・THE BEAT GOES ON!
龍真咲を中心とした若手の場面は、そのまま明日海に引き継がれた。
蘭乃はなと麗百愛が演じていたミューズは、愛風ゆめ紗那ゆずはに。紗那は、トウシューズではなく普通にショートブーツだったが、やっぱり片足だけ出してる衣装は、微妙だった。
明日海のポジションに美翔かずきが入って、若手ダンサーたちが“監獄ロック”を歌い踊る場面は、大劇場版に比べると、違和感が少なくなっている。馴れたのか、意外にこのメンバーの方が泥臭いのか…。
明日海は、このショーの中で色々な歌い方に挑戦している。特にストレートに高い声を伸ばすことに抵抗がなくなったのがいいなーと思っていたら、歌唱指導にちあきしんさんが入っているのか!と納得。ちあきさんに指導されると、喉の辺りの変な緊張が取れるのがいいんだろうな。
ちょっとずつ入るロッカーたちの短いソロも、みんな聞きごたえがあった。

・BODY HEAT
霧矢のソロは、音域が合わなかったのか、ちょっと声量が足りないような気がした。
イスのところにいる、メットル(大劇場版では霧矢のポジ)は、桐生園加さすがのダンス。腰つきがいやらしいのは、霧矢以上かも[いす]
霧矢に迫る女たちも、それぞれの体温が熱い。美鳳の熱のこもった官能場面なんて、「薔薇の封印」以来かも?
そこへ登場するイリュジオン(蒼乃)。
城咲の儚いスレンダーなイリュジオンとは違う、ナイスバディなイリュジオンだが、これもまたいい[ハートたち(複数ハート)]
霧矢のリフトが素晴らしく、リフトされる蒼乃のポジションが美しい。時節柄、フィギュアスケートを見ているようだった。

・HOT LATINO
ラテンシンガーは、龍のところに光月。
“エルクンバンチェロ”の古さ、くささに真正面から立ち向かう若い明日海と光月に、拍手を送りたい。
ちょっと歌いづらいアレンジかな?という気はしたが。
青樹・星条の歌に合わせて、城咲の赤い衣装で美鳳、羽桜のオレンジ×今の衣装で萌花が踊る。
そのままロケットに入るが、ここ、ずーっと手拍子で少し疲れた。やっぱり、ロケットの手拍子は足を上げるところからがいいなぁ…。
霧矢の歌に合わせて、男役たちがホルターネックのダルマで踊る場面に続き、EL VIENTOから差し替わった場面に進んでいく。
別れの悲しみから、旅立ちの喜びへ…曲が違うだけで、雰囲気が大きく変わった場面。そして、蒼乃の爆発するしなやかな踊りが素晴らしかった。特に迷いなくすぱーんと足を上げるのが綺麗だなーと思う。ファンキックとか、すごい綺麗だった[ぴかぴか(新しい)]

・EL TANGO
遼河と羽桜のデュエットは、青樹と新鋭の愛風のデュエットへ。
愛風は、透明で綺麗な声をしている。
ただ、そこからタンゴの群舞になった時、愛風だけが振り遅れているというか、振りについていけずにドタドタしてしまっていた。この抜擢は、いかがなものか?そりゃ、三木先生の作品だもんね、「スイート・タイフーン」は!とか邪推してしまうぞ。(「スイート・タイフーン」の主題歌に、♪愛・風・夢~というフレーズがあるのだ。)
タンゴの場面の最後にあった裸足のダンスもそのまま霧矢版に踏襲されていたが、ズボンを短くして少年風な雰囲気を作るなど、霧矢に合わせた工夫があり、ダンスの振付もよりバレエチックなものに変更されていた。
霧矢の回転技の確かさは、神技!とか思いつつも、拍手がなぜかピケ・ターンに入るのが不思議…別にシングルだったよねぇ?前にあさこさんのシェネにも拍手入ってたけど、よくわからない…とりあえず回ったら拍手なのか?(大空ファン的にはピルエットで拍手になる習慣がなくてよかった…)
本当にすごいのは、あのブレないピルエット、しかも裸足で3-4回転してますよ、ってとこだと思う。
あ、大地にキスはないです[あせあせ(飛び散る汗)]

・NEXT!
「枯葉」の歌は、明日海と彩星りおんのコンビで。こういうスタンダードな歌になると、明日海の歌は地味になっちゃうけど、これがもともとの声質なんだから、他の場面のバリエーションを褒めるべきなんだろう。彩星の歌声は美しかった。が、歌う時に腕をぶらぶらする癖はどうなんだろうか?
「ジャバ」がどうの…という歌の場面は、霧矢を囲んでドレスの娘役が6人で踊るシーンだが、ここか、次の場面かどちらかを、トップコンビのみのデュエットダンスに変更してほしかった。が、ドレスの娘役たちは、みんな綺麗でいい場面ではあった。
男役の黒燕尾の場面。蒼乃は、「パッション・ブルー」の白城あやかの着ていたタンゴのシーンの黒いドレスで登場。デュエットダンスというほどではない中途半端な、デュエット&男役大階段黒燕尾的シーンだったのが残念。
そのまま男役の黒燕尾大階段のダンスに続くが、これは、文句なくかっこよかった。
エトワールは、羽咲まな。あまり高音すぎるときつい人なので、エトワール向きではないが、頑張っていたと思う。
蒼乃は、エトワールの次に下りてきた。
トップ娘役にこれは何?
たしかに、娘役と男役を切り離して、先に娘役を階段降りをさせているので、一瞬違和感がないのだが、最後に男役の真ん中に花瀬みずか(副組長=公演組長)が下りてくるので、これだと、あーちゃんがトップ娘役に見えてしまう。
明日海が2番手、青樹が3番手という差を明確につけているものの、蒼乃、明日海の羽根は小さかったし、青樹はショール羽根を肩につけている程度。全体的には、ちょっと寂しい気がしたし、それだったら、青樹に差をつけるのが嫌味な感じだ。
劇団の明確な意思表示なのか?

きりやんのお披露目として、この作品がうまく機能していたかは、ちょっと微妙ではあったが、それでも、DSまで観に行ったきりやんフリークの一人としては、危なげない順調なお披露目を確認できただけで、ホッとしたし、幸せな中日公演だった。


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