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Studio Life公演「銀のキス」観劇2 [┣Studio Life]

観劇から2日たち、少し落ち着いたので、改めて感想を書きたい。

吸血鬼ものの作品では、「吸血方法」「人間を吸血鬼にする方法」「食事」「ダメージからの復活法」「退治法」が様々に描かれている。
今回の吸血鬼は、元祖「Dracula」と同様の「食事」「ダメージからの復活法」「退治法」で、懐かしい気がした。「吸血方法」「人間を吸血鬼にする方法」については、独特の感性が面白かった
宝塚の小池修一郎が書いた「薔薇の封印」は、これらの設定が杜撰で、いただけなかったのを悪夢のように思い出す。今回の作品は、原作がしっかりしているようで、そこで疑問をもつことはなかった。

ゾーイ(松本慎也/舟見和利)は、もともと友人が少ないところにもってきて、母(林勇輔)が重病、父(高根研一)は看病疲れ、親友ロレイン(関戸博一/吉田隆太)は転校寸前という不幸のどん底状態。
そんな彼女が深夜の公演で出会った青年、サイモン(山本芳樹/曽世海児)。彼は17世紀に生まれ、フォン・グラブ(前田倫良/船戸慎士)という吸血鬼によって、兄・クリストファー(深山洋貴/荒木健太朗)を吸血鬼にされ、その兄によって母(三上俊)を殺され、自身も吸血鬼にさせられていた。
孤独な二人は急速に近づき、心を寄せ合うようになる。
サイモンを助けてクリストファーを退治し、ようやく生き続ける目的を果たしたサイモンが、太陽の光を浴びて消えていくことを選んだ時、ゾーイは死への恐怖を乗り越えていた。

まあ、簡単に言うとそういう物語だった。
「死」への恐怖をこれほどまっすぐに書いている物語は、あまりないと思う。
「死」への恐怖とはなにか、当たり前のように存在していたものが、存在しなくなる、つきつめて言えばそういうことだ。
ゾーイくらいの年齢だと、ピンと来ないながらも漠然とした、しかし大きな恐怖である。
だんだん年を取り、今の私なんかだと、「死」より、その前にある病気なんかの方が恐い。
そして、ガンを患い徐々に悪化しているゾーイの母は、再びまっすぐに死の恐怖と戦っている。実際、死ぬべき病気が決まれば、後はそうなるしかない。
欧米の作品でありながら、そこに、神とか宗教を介在させずに、観念としての、現実としての「死」を描いているところが、面白かった。
ゾーイの母が、苦しみながらも逃げずに、ゾーイに語りかけるシーンでは、客席のあちこちからすすり泣く声が聞こえた。林さん、治療で髪や眉が全部抜けちゃったっていう設定みたく、坊主&眉なしで頑張っていた。
その林の熱演を受け止め、シリアスなシーンで観客をひきつけた舟見、林に呑まれたように所在なげだった松本、主演者の力量が違いすぎた今回の公演だった。

しかも、その力量が、コンビどちらも違いすぎていて、Vitaは笑っていいの?的公演、Animaは、泣くんだよね、やっぱり、的な公演だった。
Vitaのサイモン役・山本は、ダンスカンパニーカレイドスコープのメンバーでもあるらしい。不思議な関節ダンスを踊るように、細胞が吸血鬼になる場面を演じてくれた。笑いがこみあげてしまった。
関節ダンスって、難しいんだと思います。
昔、「タカラヅカ絢爛」っていう作品で、ダンスが得意なはずのトップさんが、四苦八苦してたもの。だけど…かっこいいか、っていうと、うーんっていう感じでした、ごめんなさい。
サイモンっていう人は、実の兄が吸血鬼になって、その兄に再会した時に、吸血鬼にさせられて、ずっと兄の殺戮を止めようとしてきた人。
動物の血を吸っても生きていける、でも、人間の血の力にはかなわない。サイモンだって生きるために人を殺している。だから、兄を退治した時、彼は、自ら自然の摂理に従って死んでいこうとした。
死に臨んで思うことは、人生の半ばで死なねばならないゾーイの母も、400年近くを生きたサイモンもほとんど変わらない。やはり誰でも恐いのだ。
16歳のゾーイは、母からもサイモンからもその思いを聞かされる。
死とは無縁な年代の高校生なのに、ゾーイは死にゆく人を見守る役を務める。ただ見守り、慰め、励まし…そして、サイモンの死を乗り越えて、彼が自分の中に生き続けていることを確認する。
ドラマはここで終わるが、彼女はきっと父親より立派に母を看取るだろう、と確信できた。お父さん、ちょっと情けないキャラだっただけに。

VitaとAnimaのそれぞれの感想は、また改めて。

【去年の今日】
祐飛さん東京茶。MD-WALKM●N急死の折は、皆様からの温かい励ましの言葉がとても嬉しかったです。
祐飛さんのお茶会にしか使わないから、野ざらし期間が長いんですよね。
来年のお茶会では、2代目くん、ちゃんと動いてくれるかな?


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